【完結】ノーザンランドの白き獅子リーラ 〜捨てられた王女は人生逆転復活劇は起こしたくない〜

京極冨蘭

文字の大きさ
5 / 240
第1章 祖国の滅亡

第3話 運命の出会い

しおりを挟む

 夜になりベッドにたくさんのクッションを入れ、ベッドで寝ているいるように擬装し、そろりと窓をあける。
 
「クスッ、僕の部屋一階で良かった」

 窓から抜け出しロンと待ち合わせ場所まで走る。

「待った~」
「待ってないよー。行こうぜー」

二人は子供が1人入れる城壁の割れ目から潜入する。

「なんか、いつもドキドキするな~」
ロンがへっへっと悪い顔をする。

城の庭は、薔薇の迷路があって人目につきにくいから、そこから厨房の裏口を目指すのだ。

「今日も余裕~」

「ロン、いつも行ってる口ぶりだね」

「ママが、パパの弁当持って行ってとか頼まれるんだよー。
 あっ、おまえ、ここで待てよ。
 俺、厨房まですぐに行ってくるから待っとけよ」
「了解~。助かるよ。あんまり城に近づきたくないしね。ロン早く帰ってこいよ」

はい、はい~とロンが去って行くと、人の足音と声が聞こえた。


「まったく、暗くてよく見えない」
と突然人の声が聞こえた。
「うわっ!」
その声の主とぶつかる。

「誰だ!」
かちゃと帯剣から剣を抜こうとしる音が聞こえた。焦ったリーラは叫ぶ。
「お、おじさん!ごめんなさい。迷路で勝手に遊んでしまって」

「子供?おじさんって……、いや、迷路ってこれが薔薇の迷路か?小さい城のくせにこんなもの作るとは迷惑な……。子供がどうしてここに?」

「僕は町の子です。パーティーって聞いて見にきたの」

「何?子供が勝手に入れるのか?警備もずさんだな。全く…」

リーラはその通りだと思い小さく頷いた。



「クリストファー殿下どちらにいらっしゃるの~?」
女性の声が聞こえてきた。
男性はしゃがみこみ、隠れる。
女性を見ると桃色の髪と同色のドレスを着た高貴な女性に追われているようだ。

「おじさん、追われてる?」

「そういうところだ」

「こっちだよ」
リーラは男性の手を掴み歩き出す。

庭を抜ける道中、多くの招待客を見かけた。


「美しい人、どうか、私と一曲踊ってください」
「どうしようかしら…」
オレンジ色の髪を結い上げた美しい貴婦人にアンデルクの騎士服を着た男性が片膝をつき赤い薔薇を一輪差し出し頼みこんでいた。
 貴婦人がこちらをチラリと見て、手を振ったような気がした。

「キャリーの奴、人が逃げているのを喜んでるな」
男性ぶつぶつと文句を言っている。

途中で遠目に噴水が見える。人がいるようだ。通り過ぎる時、高貴そうな女性と黒色の騎士服を着ている男性が話している姿が見えた。

「ビルめ、俺が追われているのに女を口説いてるなんで、許せん」
とまたまたぶつぶつと言ってる。

「ぶつぶつ言ってないで歩いてよ」


「おじさん、ここから城の入り口だよ。入って左に行けば広間にもどれるよって言うか、いつまで手握ってるの?離してよ」

「あっ、すまない。少年。あと、口が悪いぞ。目上の人には、敬語を使え。それに私は、おじさんではない。20歳の青年だ」

 城に近づき、明かりで僕は、おじさんを見ることができた。背が高く、漆黒色の髪は後ろに束ね、身体つきはしっかりしており、上下黒色の上品な光沢がある上質な騎士服、それに映える金色のラインの立襟。左右に金色の勲章を沢山つけていた。ノーザンランド人の騎士だ。勲章の数から位がかなり上だ。綺麗な顔をしているが顔色も悪そうな上、瞳があまりに黒くてじっと見られるとなんだか怖い…

「えっ?!ごめんなさい。目のクマがすごくて老けて見えました。仕事大変なんですね。あと、僕に会った事は内緒ね。城に遊びに来れなくなるから。
お願いします」
とぺこりと頭を下げた。

男性は、はっ?と驚いた顔をして、
「お前、目が青いな。銀髪…この国の子でないのか?混血か…。まぁ、いいか…
じゃあ、助かったよ。よい夜を」

「お兄さんもよい夜を。バイバイ~」
手を振って男性と別れた。

"ふ~なんとか切り抜けた。 
 ノーザンランドとゾーンには、関わらない方がいい。
 でも、気になる……。
 あの人の身体、湯気みたいに黒色の何かが薄っすら出てた。
 気持ち悪い……。
 あの人幽霊だったかもしれない。
 最悪だ…"

 リーラはロンのことを思い出し、来た道を戻った。

「おい!探したぞ!」

「ごめん、迷子の老人を案内してたんだ」

「大変だったな。ほら、お菓子!」

「うわー美味しいそうなお菓子!」
「帰ろうぜ!家までどっちが早いか競争だ!」
「おー!」

 
 リーラはまだこの時知らなかった。
 これからリーラの人生が大きく変わる事を……。
 あの、騎士の男性に再び再会することを…


 
 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ
恋愛
 公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。  ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。 ※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界の花嫁?お断りします。

momo6
恋愛
三十路を過ぎたOL 椿(つばき)は帰宅後、地震に見舞われる。気付いたら異世界にいた。 そこで出逢った王子に求婚を申し込まれましたけど、 知らない人と結婚なんてお断りです。 貞操の危機を感じ、逃げ出した先に居たのは妖精王ですって? 甘ったるい愛を囁いてもダメです。 異世界に来たなら、この世界を楽しむのが先です!! 恋愛よりも衣食住。これが大事です! お金が無くては生活出来ません!働いて稼いで、美味しい物を食べるんです(๑>◡<๑) ・・・えっ?全部ある? 働かなくてもいい? ーーー惑わされません!甘い誘惑には罠が付き物です! ***** 目に止めていただき、ありがとうございます(〃ω〃) 未熟な所もありますが 楽しんで頂けたから幸いです。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!

柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜

束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。 家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。 「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。 皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。 今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。 ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……! 心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁
恋愛
 ブラック企業を飛び出すように退職した日菜(ヒナ)は、家で一人祝杯を上げていた――はずなのに。  不意に落ちたペンダントトップへと手を伸ばし、気がつけばまったく見知らぬ場所にいた。  周囲を取り巻く巨大なぬいぐるみたち。  巨大化したペンダントトップ。  あれ?  もしかして私、ちっちゃくなっちゃった――!?  ……なーんてね。夢でしょ、夢!  と思って過ごしていたものの、一向に目が覚める気配はなく。  空腹感も尿意もある異様にリアルな夢のなか、鬼のような形相の家主から隠れてドールハウスで暮らしてみたり、仮眠中の家主にこっそりと触れてみたり。  姿を見られたが最後、可愛いもの好きの家主からの溺愛が止まりません……!? ■一話 800~1000文字ほど ■濡れ場は後半、※マーク付き ■ご感想いただけるととっても嬉しいです( *´艸`)

処理中です...