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第7章 姉妹の和解 リッチモンド・ハイベルク領編
第4話 リッチモンド領へ
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騎士総本部に金色の獅子がデザインされたボタンを飾った上下白色の騎士服を着用した第6番隊隊員ずらりと並ぶ。
圧倒的な隊長の威厳が漂うダリルの声が部屋に響く、
「これより我ら6番隊は初任務にリッチモンド領へ向かう!今回向かうメンバーだ。副隊長リーラ!」
「はい!」
と銀髪を黒リボンで縛った少女が前にでる。
「小隊長シャルケ」
「はい!」
と長身で水色の髪を一つに縛り眼鏡をかけた男性が前にでる。
「ダン、アッシュ!」
「「はい!」」
ダンはかつて第3番隊副隊長、アッシュは第4番隊小隊長経験者であり怪我の為に現役を退き騎士総本部に事務職についていた40代の騎士だ。
「アレック、ショーン、トニー」
「「「はい!」」」
オリバーは諜報部隊経験者で負傷のため休養していた。騎士を辞めようか悩んでいたが、騎士としての誇りを捨てきれず第6番隊にて復職を願ったのだ。ショーンは現役の騎士だか医療に興味があり今回の部隊発足で是非移動したいと立候補してきた。トニーも現役騎士であり第4番隊の任務中に怪我を負い休養中だったが、医療に興味を持ち復職したのだ。
「ルディ、ラディリアス」
「「はい!」」
ラディリアスは卒業後参加となる。ダリルが若手育成の為メンバーに入れたのだ。
「残るメンバーは小隊長キース指示の元に医療院にて兼務と他の隊から救護隊出動要請が来たら受けてくれ」
「了解しました」
「では、出発だ!」
「リーラ副隊長、お気をつけて」
ナタリアが心配そうにリーラを見送る。
「ナタリアにお土産買ってくるからね。じゃあね」
「はい!ご無事のお戻りをお祈りしますわ」
残留の隊員に見送られ、ダリル達は4番隊と合流し、帝都にあるリッチモンド侯爵邸に向かう。
第4番隊隊長ジョンと副隊長ネイル、そして第6番隊隊長ダリルと副隊長リーラは挨拶のためリッチモンド侯爵邸宅に入る。
宰相とビル、そして今回の護衛対象であるリッチモンド侯爵夫人ミランダとローズ夫人、子であるカーティスがやって来た。
「敬礼!」
ジョンが声をかけ、4人が背筋を伸ばし拳を左胸に当て騎士の礼を取る。
「この度、護衛任務賜りました、第4番隊隊長ジョン・ロッテンハイムでございます。お見知り置きを」
「第4番隊に随行して任務致します救護隊、第6番隊長ダリル・ハントンでございます。お見知り置きを。急病者ございましたら対応出来ますのでなんなりお声かけくださいませ」
宰相ルドルフはほほぉぅと顎髭を触りながら、
「これまた、頼もしいな。やはり第6番隊の存在は大きいな。初任務よろしく頼みます。ダリル卿、リーラ嬢」
「「はっ!」」
「父上の仰る通りだ。騎士達だけでなく護衛対象も安心できるよ。リーラは素晴らしい発案をしたね、ねぇ、ローズ」
ビルはにこにことローズに話を振る。
「えっ?はい、そうですわね」
突然話を振られ動揺しながら答えるローズを見向きもせずに、リーラは表情を変えず「ありがとうございます」と答えた。
「では、私達は配置に着きますので失礼致します」
4人は一礼し、踵を返すと外へと退出した。
「リーラ、固いなぁ~。まぁ、なんとか母上よろしくお願いしますよ」
「あの年頃の女の子は難しいのよ。まぁ、気長に行きましょう。ローズ」
「はい。お義母様」
心配させないようにビルとリッチモンド夫人に精一杯の笑顔を作るローズをカーティスはじっと見つめていたのだった。
リッチモンド夫人達が馬車に乗り込むのを確認し、ネイルが号令をかける。
「全隊員出発ー!!」
6番隊は後方の位置から馬を走らせた。出発、早々にルディが喋りだす。
「リッチモンド領かぁ~。海鮮美味しんだろなぁ」
「牡蠣食べるの?ルディ?」
「リーラ!!何かにつけて牡蠣、牡蠣ってネタにするのやめてよ!」
「何かあったんですか?」
「聞いてよ!ラディ!ぷっははは」
「もし、言ったらリーラがこの前やらかしたことダリル隊長に言いつけるからね」
「あっ……、言いません、言いません」
「リーラ様、また何かしちゃったんですか?」
ラディが呆れ顔で話すと、
「今、ダメ、ダメ!」
シーっと必死で黙れと合図をリーラが送ると
案の定ダリルにバレる。
「おまえ達!遊びじゃないんだそ!ペチャクチャ喋るんじゃない!リーラ、後で吐かすからな!!」
ダリルがリーラ達を叱りつけた。
「ひぃーー!!どんだけ地獄耳だよ!」
「誰が地獄耳だと?!」
「言ってませーん!」
「シャルケ、あいつらの横で喋らないように監視しろ」
「了解~」
「おまえ達、いつまで生徒やってるんだよ」
「「「すみません」」」
後ろの方から騒がしい話し声を聞き、
「賑やかな隊だこと」
とリッチモンド夫人がくすりと笑う。
「本当ですわ」
とローズはリーラの意外な一面を知り嬉しく感じた。
「なんだか楽しい旅になりそうだわ、あなたももっと肩を張らずに気を楽しなさいな」
「はい」
妹との関係を気を配る義母に感謝するローズだった。
しかし、リッチモンド夫人が言うような楽しい旅どころか敵が待ち受けているなど姉妹は考えもしなかった。
圧倒的な隊長の威厳が漂うダリルの声が部屋に響く、
「これより我ら6番隊は初任務にリッチモンド領へ向かう!今回向かうメンバーだ。副隊長リーラ!」
「はい!」
と銀髪を黒リボンで縛った少女が前にでる。
「小隊長シャルケ」
「はい!」
と長身で水色の髪を一つに縛り眼鏡をかけた男性が前にでる。
「ダン、アッシュ!」
「「はい!」」
ダンはかつて第3番隊副隊長、アッシュは第4番隊小隊長経験者であり怪我の為に現役を退き騎士総本部に事務職についていた40代の騎士だ。
「アレック、ショーン、トニー」
「「「はい!」」」
オリバーは諜報部隊経験者で負傷のため休養していた。騎士を辞めようか悩んでいたが、騎士としての誇りを捨てきれず第6番隊にて復職を願ったのだ。ショーンは現役の騎士だか医療に興味があり今回の部隊発足で是非移動したいと立候補してきた。トニーも現役騎士であり第4番隊の任務中に怪我を負い休養中だったが、医療に興味を持ち復職したのだ。
「ルディ、ラディリアス」
「「はい!」」
ラディリアスは卒業後参加となる。ダリルが若手育成の為メンバーに入れたのだ。
「残るメンバーは小隊長キース指示の元に医療院にて兼務と他の隊から救護隊出動要請が来たら受けてくれ」
「了解しました」
「では、出発だ!」
「リーラ副隊長、お気をつけて」
ナタリアが心配そうにリーラを見送る。
「ナタリアにお土産買ってくるからね。じゃあね」
「はい!ご無事のお戻りをお祈りしますわ」
残留の隊員に見送られ、ダリル達は4番隊と合流し、帝都にあるリッチモンド侯爵邸に向かう。
第4番隊隊長ジョンと副隊長ネイル、そして第6番隊隊長ダリルと副隊長リーラは挨拶のためリッチモンド侯爵邸宅に入る。
宰相とビル、そして今回の護衛対象であるリッチモンド侯爵夫人ミランダとローズ夫人、子であるカーティスがやって来た。
「敬礼!」
ジョンが声をかけ、4人が背筋を伸ばし拳を左胸に当て騎士の礼を取る。
「この度、護衛任務賜りました、第4番隊隊長ジョン・ロッテンハイムでございます。お見知り置きを」
「第4番隊に随行して任務致します救護隊、第6番隊長ダリル・ハントンでございます。お見知り置きを。急病者ございましたら対応出来ますのでなんなりお声かけくださいませ」
宰相ルドルフはほほぉぅと顎髭を触りながら、
「これまた、頼もしいな。やはり第6番隊の存在は大きいな。初任務よろしく頼みます。ダリル卿、リーラ嬢」
「「はっ!」」
「父上の仰る通りだ。騎士達だけでなく護衛対象も安心できるよ。リーラは素晴らしい発案をしたね、ねぇ、ローズ」
ビルはにこにことローズに話を振る。
「えっ?はい、そうですわね」
突然話を振られ動揺しながら答えるローズを見向きもせずに、リーラは表情を変えず「ありがとうございます」と答えた。
「では、私達は配置に着きますので失礼致します」
4人は一礼し、踵を返すと外へと退出した。
「リーラ、固いなぁ~。まぁ、なんとか母上よろしくお願いしますよ」
「あの年頃の女の子は難しいのよ。まぁ、気長に行きましょう。ローズ」
「はい。お義母様」
心配させないようにビルとリッチモンド夫人に精一杯の笑顔を作るローズをカーティスはじっと見つめていたのだった。
リッチモンド夫人達が馬車に乗り込むのを確認し、ネイルが号令をかける。
「全隊員出発ー!!」
6番隊は後方の位置から馬を走らせた。出発、早々にルディが喋りだす。
「リッチモンド領かぁ~。海鮮美味しんだろなぁ」
「牡蠣食べるの?ルディ?」
「リーラ!!何かにつけて牡蠣、牡蠣ってネタにするのやめてよ!」
「何かあったんですか?」
「聞いてよ!ラディ!ぷっははは」
「もし、言ったらリーラがこの前やらかしたことダリル隊長に言いつけるからね」
「あっ……、言いません、言いません」
「リーラ様、また何かしちゃったんですか?」
ラディが呆れ顔で話すと、
「今、ダメ、ダメ!」
シーっと必死で黙れと合図をリーラが送ると
案の定ダリルにバレる。
「おまえ達!遊びじゃないんだそ!ペチャクチャ喋るんじゃない!リーラ、後で吐かすからな!!」
ダリルがリーラ達を叱りつけた。
「ひぃーー!!どんだけ地獄耳だよ!」
「誰が地獄耳だと?!」
「言ってませーん!」
「シャルケ、あいつらの横で喋らないように監視しろ」
「了解~」
「おまえ達、いつまで生徒やってるんだよ」
「「「すみません」」」
後ろの方から騒がしい話し声を聞き、
「賑やかな隊だこと」
とリッチモンド夫人がくすりと笑う。
「本当ですわ」
とローズはリーラの意外な一面を知り嬉しく感じた。
「なんだか楽しい旅になりそうだわ、あなたももっと肩を張らずに気を楽しなさいな」
「はい」
妹との関係を気を配る義母に感謝するローズだった。
しかし、リッチモンド夫人が言うような楽しい旅どころか敵が待ち受けているなど姉妹は考えもしなかった。
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