【完結】ノーザンランドの白き獅子リーラ 〜捨てられた王女は人生逆転復活劇は起こしたくない〜

京極冨蘭

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第7章 姉妹の和解 リッチモンド・ハイベルク領編

第11話 晩餐会に潜む危機ー2ー

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晩餐会場を無事とりはかっていた、ローズとニコラスと来春婚儀を控えているフランは会場端で一息つく。
「お姉様、今ならカーティス様の様子を見に行けますわよ」 

「ふふ、本当ね。少しだけ見てくるわ。すぐ戻るわ」

 ローズは広間を後にし、カーティスの部屋がある二階の階段を上がり、カーティスの部屋に向かおうとするとベラとカーティスの声が微かにするよう気がして、声のする方へ進む。カチャリと扉を開けるとベラとカーティスが倒れていた。

「カーティス!」

「静かにしないと殺すわよ!」

「あなた……、もしかしてケリー?」

「あらっ~覚えていてくださったのね。あなたの大事な坊ちゃんを助けたかったら一緒に来てもらうわ」

「そんなことをして…、うっ……」
 ピンク色の髪をした青年がローズの口をハンカチで押さえるとローズは気を失い倒れる。

「少し眠ってもらうわよ。ほら、あんた、裏口の馬車に連れて行って頂戴。さぁ、もう一匹を連れて来なくっちゃねぇ」

青年は軽々とローズを抱き抱えると窓から飛び降りる。ケリーはベラの侍女服を脱がすとそれに着替え、屋敷内を移動する。

「まったく、男って、ヤダヤダ!」
とリーラが屋敷の外に出ようとすると、誰かに腕を掴まれた。

「リーラさん、久しぶりね」 

「あなたは……」

「あなたの大事な人を預かっているのよ。早く行かないと殺されちゃうわよ。あなたのお姉様がね…」 

「何?!」
しっと指を口に当てる。

リーラ、どこーとルディ達の声が近づいて来た、
「さぁ、早くしないと殺すわよ」

「本当だろうな」

「ふん、来たらわかるわよ」

リッチモンド邸宅の庭を横切ると、警備の騎士達が何人か斬られ倒れていた。

『リーラ、危険だ!今ならあの女を力でとばせれる』
『だめだ。姉上の安否が…』
『捨て置け!嫌っているんだろう』
『クッ、できない…』

ケリーのあとしばらく歩くと塀は壊され小道に通じており、出たところに馬車が止まっていた。
 ケリーが馬車の扉を開くとローズの首に青年が剣を当てていた。

「クソッ!」

「あんたも乗るのよ!」
そして、リーラの目と口、手足を縄で結び、エクストラを地面に投げ捨てる。

『リーラ!!』

リーラを乗せると馬車は急発進して港へと向かう。


 どこに向かう気だ!
 まさか、ゾーンか…?!

馬車から出された二人は木の箱にいれられ間男に船の中へと運ばれる。

 
 船の中か?
 まさか出港するつもりなのか?

ガタッと船が揺れる。

 クソッ、船が出てしまった。

外からは花火が打ち上がる音が聞こえ始めた。

ヒュー、ドカン。
ヒュー、ドカン。

 間男が箱からリーラとローズを出すとリーラは身体を引きづりながらローズの気配のあるところに近づく。
「うーっ、うーっ」

「あらぁ、可哀想に。目と口も縛られていたのね。外してあげるわ、リーラ王女」

 布を外されたリーラの目の前に紫色の長い髪の女が立っていた。

「おまえは誰だ…。なぜ、このようなことをする!」

「あらっ?わたくしを知らないの?あなたの国の皇后で一応あなたの義理母よ」

「サンドラ王妃、どうしてここに…」
目を覚ましたローズが声を出す。

「姉上!大丈夫ですか?サンドラ王妃ってリヴァリオンの…」

「リーラ!どうして!」

「おほほほほ。教皇様の命で迎えにきてあげたのよ。」

「どうして?リーラまで!欲しいのは私だけじゃないの?リーラは関係ないはずよ!」

「あははははは。自意識過剰ねぇ、あははは。あんたは兄へ単なる土産よ。我が国が欲しいのはあんたじゃなくてこの小娘よ」

「何ですって!!」

「私が目当てなのか?!」

「そうよ~、すぐにゾーンに着くからしばらく大人しくしてなさい。あはははは」


そして扉は硬く閉じられ船の中に捕らわれの身になった二人だった。

サブーン、
サブーン。
と船に波が当たる音が響く。

「姉上大丈夫ですか?」

「大丈夫よ、リーラも大丈夫?」

「はい」

「姉上って呼んでくれたのね…こんな形じゃなくてもっと早くあなたに謝りたかった。今までごめんなさいね。貴女を一人にした私を許して。
 わたくしね、ずっと怖かった。ゾーンのあの男の元へ連れて去られるかもしれない恐怖と戦いながら逃げる事しか考えられなかった。自分さえ良ければとそればかりで民も母も父も兄まで捨て去った悪い女なのよ。ゾーンは貴女が狙いだと言ったわ。チャンスがあったら私を置いて逃げなさい。あなたは強い騎士よ、絶対生き延びなさい。必ず私がチャンスを作るから逃げるのよ」

「姉上…」

「あなたと最後になるかもしれないから話しておくわね、我が父の話を…」


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