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第7章 姉妹の和解 リッチモンド・ハイベルク領編
第17話 ノーザンランドでの味方
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ベルク王国の王女エメラルド・ベルクは兄のケンドリックとリッチモンド領内で別れを告げ、帝都にある学園で学ぶためにリッチモンド侯爵夫人共にハイベルク領までやって来た。
エメラルドはリッチモンドで起こったローズ夫人誘拐事件に不安を感じ、安全面を考えノーザンランド皇帝と共に帝都入りを希望したが公務多忙な皇帝は既にリッチモンド領を離れた後で希望叶わず、侯爵夫人と共に帝都まで移動することとなったのだ。
「ハイベルクのお食事が王女様のお口に合えばいいのですが…」
夕食時、ハイベルク公爵夫人がにこり笑いエメラルドを気遣いながら声をかけた。
「美味しくてよ」
とにこりと笑い返すと恐縮でございますと頭を下げられた。
「長い移動の旅だったわ。明日には帝都に入れる?」
一刻も早くクリストファーに会いたいエメラルドは気を焦りながら横に座るローズ夫人に尋ねた。
「えぇ、領都と帝都は近く、明日の夕刻には到着予定でございます」
事件に巻き込まれたローズ夫人が丁寧に教えた。エメラルドは晩餐用に着飾られた美しいドレス姿のローズに再び目をやる、さすがにゾーン国の将軍に狙われるだけあって美しい女性だ。
「では明日には陛下に会えますね」
ようやく恋しい人に会える喜びを隠しきれずエメラルド王女は思わず声に出してしまった。
「王女様、陛下にはお会いできませんよ」
リッチモンド夫人が困った表情で伝える。
「なぜ?私は宮殿に滞在するのだからお会いできると思うわ」
リッチモンド夫人とローズ夫人が顔を見合わせて複雑な表情をすると、
「王女様は学園の寮にご案内するように伺っています。皇宮には参りませんわ」
とローズ夫人ははっきりとした口調で言った。
「私は王族なのよ…寮って?!」
「皇宮滞在にはたくさんの制約がございます。まず我が国からの招待であるかどうか、こちらが希望する護衛の数を付けることが可能かどうかでございます。会談の際に我が国の滞在に関しての取決めをお聞きになられてないのですか?」
とリッチモンド夫人が遠慮気味に説明するとエメラルド王女は驚き、そして哀しそうな表情になる。
「わ、わたくし、陛下をお慕いしていて…お会いできると思っていたから…」
と自然と王女の瞳から涙がポロリ、ポロリと流れ落ちた。
「まぁ、お可哀想に…」
とハイベルク公爵夫人が優しくハンカチを差し出してくれた。
「もし、王女様がよろしければ帝都の我が家に参りますか?孫達が居りますが皇宮で働いており殆ど屋敷には居りません。私も王女様のお世話ができれば嬉しゅうございます」
「公爵夫人?!」
リッチモンド侯爵夫人が驚き、発言を止めようとしたがハイベルク公爵夫人は話を続ける。
「こんな可愛らしい王女様が陛下をお慕いしてるのよ。思わず応援したくなりましたわ、我が屋敷からも学園は近うございます。いかがでしょうか?」
「まぁ!嬉しいわ。学園の寮なんて不安に感じていたから是非お願いするわ!あなたの孫は私と歳も近い?」
「はい、きっと話も合うかと思いますが、宮仕えをしております故、殆ど屋敷には居らず私も寂しかったのですよ。では、明日は私も一緒に帝都に向かいましょう。」
「えぇ、よろしくね。陛下と会う機会があるかしら?」
「主人が国務大臣の任を得ております。また伺ってみますわ」
「ありがとう!夫人!」
「公爵夫人、勝手に決めることは如何と思いますわ」
困惑気味のリッチモンド侯爵夫人は諭すように伝えるのが精一杯だった。
「よろしいじゃありませんか他国の王族をお世話することもノーザンランド一族に務めだと思いませんこと?それにこのままだとコールディアが后になってしまったら大変なことになるのに……」
ハイベルク公爵夫人は思わず本音を話してしまうがそのことを聞いたエメラルドは三人には見えないようにクスッと笑う。
その後気まずい雰囲気の晩餐を終え、エメラルドが部屋に戻ると侍女が控えていた。
「ソフィー!ありがとう!貴女の言う通りハイベルク公爵夫人が屋敷の滞在を認めてくれたわ」
「良かったですわ、王女様が寮に入られるなど考えられませんわ」
他の侍女達もそうだと頷きながら王女の晩餐用のドレスを脱がし始めた。
「まさか涙を流すだけで上手くいくなんて思わなかったわ」
「ハイベルク公爵夫人は情に深い方で有名です。ハイベルク公爵はノーザンランドでも力をもつ一族でございます。帝国に嫁がれるのなら味方につけていた方がよろしいかと思われます」
ソフィーと呼ばれる黒髪の侍女は結い上げられた王女の髪を解と櫛で優しく梳かし始めた。
「ふふふ、貴女を雇ってよかったわ」
「私は昔、お妃候補のお嬢様の下で働いておりました故、貴族社会には精通しております、必ずや王女様のお力になりますわ」
「頼りになるわ」
「エメラルド王女様、これからでございます。学園には最有力后候補のコールディアのご息女がいらっしゃいます。恐らく王女様のお妃になる妨げになるかたでしょう」
「わかっているわ、ハイベルク公爵夫人も話をしていたわ」
「私が必ずや王女様をお妃へと導きますわ」
「ふふふ、よろしくね」
周りの侍女達もソフィーが姫様付きになってくれて良かったと褒め称えた。
ありがとうございますと頭を下げ、ソフィーは部屋を退出する。
"これから始まるわ……、レイチェルの苦しむ顔が早くみたいわねぇ…ふふふ"
エメラルドはリッチモンドで起こったローズ夫人誘拐事件に不安を感じ、安全面を考えノーザンランド皇帝と共に帝都入りを希望したが公務多忙な皇帝は既にリッチモンド領を離れた後で希望叶わず、侯爵夫人と共に帝都まで移動することとなったのだ。
「ハイベルクのお食事が王女様のお口に合えばいいのですが…」
夕食時、ハイベルク公爵夫人がにこり笑いエメラルドを気遣いながら声をかけた。
「美味しくてよ」
とにこりと笑い返すと恐縮でございますと頭を下げられた。
「長い移動の旅だったわ。明日には帝都に入れる?」
一刻も早くクリストファーに会いたいエメラルドは気を焦りながら横に座るローズ夫人に尋ねた。
「えぇ、領都と帝都は近く、明日の夕刻には到着予定でございます」
事件に巻き込まれたローズ夫人が丁寧に教えた。エメラルドは晩餐用に着飾られた美しいドレス姿のローズに再び目をやる、さすがにゾーン国の将軍に狙われるだけあって美しい女性だ。
「では明日には陛下に会えますね」
ようやく恋しい人に会える喜びを隠しきれずエメラルド王女は思わず声に出してしまった。
「王女様、陛下にはお会いできませんよ」
リッチモンド夫人が困った表情で伝える。
「なぜ?私は宮殿に滞在するのだからお会いできると思うわ」
リッチモンド夫人とローズ夫人が顔を見合わせて複雑な表情をすると、
「王女様は学園の寮にご案内するように伺っています。皇宮には参りませんわ」
とローズ夫人ははっきりとした口調で言った。
「私は王族なのよ…寮って?!」
「皇宮滞在にはたくさんの制約がございます。まず我が国からの招待であるかどうか、こちらが希望する護衛の数を付けることが可能かどうかでございます。会談の際に我が国の滞在に関しての取決めをお聞きになられてないのですか?」
とリッチモンド夫人が遠慮気味に説明するとエメラルド王女は驚き、そして哀しそうな表情になる。
「わ、わたくし、陛下をお慕いしていて…お会いできると思っていたから…」
と自然と王女の瞳から涙がポロリ、ポロリと流れ落ちた。
「まぁ、お可哀想に…」
とハイベルク公爵夫人が優しくハンカチを差し出してくれた。
「もし、王女様がよろしければ帝都の我が家に参りますか?孫達が居りますが皇宮で働いており殆ど屋敷には居りません。私も王女様のお世話ができれば嬉しゅうございます」
「公爵夫人?!」
リッチモンド侯爵夫人が驚き、発言を止めようとしたがハイベルク公爵夫人は話を続ける。
「こんな可愛らしい王女様が陛下をお慕いしてるのよ。思わず応援したくなりましたわ、我が屋敷からも学園は近うございます。いかがでしょうか?」
「まぁ!嬉しいわ。学園の寮なんて不安に感じていたから是非お願いするわ!あなたの孫は私と歳も近い?」
「はい、きっと話も合うかと思いますが、宮仕えをしております故、殆ど屋敷には居らず私も寂しかったのですよ。では、明日は私も一緒に帝都に向かいましょう。」
「えぇ、よろしくね。陛下と会う機会があるかしら?」
「主人が国務大臣の任を得ております。また伺ってみますわ」
「ありがとう!夫人!」
「公爵夫人、勝手に決めることは如何と思いますわ」
困惑気味のリッチモンド侯爵夫人は諭すように伝えるのが精一杯だった。
「よろしいじゃありませんか他国の王族をお世話することもノーザンランド一族に務めだと思いませんこと?それにこのままだとコールディアが后になってしまったら大変なことになるのに……」
ハイベルク公爵夫人は思わず本音を話してしまうがそのことを聞いたエメラルドは三人には見えないようにクスッと笑う。
その後気まずい雰囲気の晩餐を終え、エメラルドが部屋に戻ると侍女が控えていた。
「ソフィー!ありがとう!貴女の言う通りハイベルク公爵夫人が屋敷の滞在を認めてくれたわ」
「良かったですわ、王女様が寮に入られるなど考えられませんわ」
他の侍女達もそうだと頷きながら王女の晩餐用のドレスを脱がし始めた。
「まさか涙を流すだけで上手くいくなんて思わなかったわ」
「ハイベルク公爵夫人は情に深い方で有名です。ハイベルク公爵はノーザンランドでも力をもつ一族でございます。帝国に嫁がれるのなら味方につけていた方がよろしいかと思われます」
ソフィーと呼ばれる黒髪の侍女は結い上げられた王女の髪を解と櫛で優しく梳かし始めた。
「ふふふ、貴女を雇ってよかったわ」
「私は昔、お妃候補のお嬢様の下で働いておりました故、貴族社会には精通しております、必ずや王女様のお力になりますわ」
「頼りになるわ」
「エメラルド王女様、これからでございます。学園には最有力后候補のコールディアのご息女がいらっしゃいます。恐らく王女様のお妃になる妨げになるかたでしょう」
「わかっているわ、ハイベルク公爵夫人も話をしていたわ」
「私が必ずや王女様をお妃へと導きますわ」
「ふふふ、よろしくね」
周りの侍女達もソフィーが姫様付きになってくれて良かったと褒め称えた。
ありがとうございますと頭を下げ、ソフィーは部屋を退出する。
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