30 / 51
決着
しおりを挟む
校舎の屋上は外から見る分にはなんら変哲のない風景に見える。
しかし、その中で4人と3体の精霊が燃え上がる爆炎の真っ只中にその身を置いていた。
もっともその身を焦がしていたのは康太とヴォイドのただ2人だけだった。
(康太様!大丈夫ですか!?)
「半端ねえっスね。くそっ」
康太は炎の精霊であるリーシャの加護のお陰で、炎属性の魔術には耐性がついているにも関わらず、ヴォイドの攻撃を完全に防ぐ事は出来なかった。
「全く、やるじゃねえか。少年」
対して、ヴォイドも精霊の加護と言ったものがないにも関わらず、軽くはないが康太と同じくらいのダメージを負っているようだった。
互いに片膝をつき、辛うじて意識を保っていると言った様子だ。
2人のにらみ合いが続く中、ヴォイドの背後から大きな声が聞こえてきた。
「ちょっとヴォイド!大技やるならちゃんと教えなさいよ!」
「ああ?お前なら言わなくてもなんとかなると思ったし、なんとかなったろ」
「あっちの坊やが周りに声かけなかったら私、消し炭だったんだけど!?」
「ははっ、まじか?」
カトレアがヴォイドに文句を言うが、ヴォイドに余裕がなさそうな事にすぐさま気がついた。
いつもの調子だったら何かしらの軽口を挟みそうなものだが、今に至っては質問に受け答えするぐらいの余裕しか持ち合わせていないのだろう。
ヴォイドは目を伏せながらなんとかと言った様子で立ち上がり、レーヴァテインを地面に突き刺した。
「いやあ、ほんと。少年とはもっといい場所で闘いたかったんだけどなあ」
カトレアはヴォイドが何をするか気がついたらしく、咄嗟にヴォイドから距離を取る。
ヴォイドを除く、その場にいた全員の背筋が凍りつく。
パリン
するとはるか上空から何かガラスの割れるような音が空を切り裂いた。
それにいち早く反応したのはカトレアだ。
「なんで結界が!?」
「時間までもうちょいあると思ってたんだが、どうやら俺と少年の炎でガタがきちまったようだな。仕方ねえここまでか」
「あの精霊どうするのよ!」
「そりゃあお前の遊び癖のせいだっての」
そう言ってヴォイドは自分とカトレアの周りに炎を出現させる。
「くそ、後味悪いがこの続きはまた今度だ。少年次は楽しみにしとけよ」
そう言い残しヴォイドとカトレアは炎の中に姿を消し、それが鎮まった時には綺麗さっぱり姿が消えていた。
しかし、その中で4人と3体の精霊が燃え上がる爆炎の真っ只中にその身を置いていた。
もっともその身を焦がしていたのは康太とヴォイドのただ2人だけだった。
(康太様!大丈夫ですか!?)
「半端ねえっスね。くそっ」
康太は炎の精霊であるリーシャの加護のお陰で、炎属性の魔術には耐性がついているにも関わらず、ヴォイドの攻撃を完全に防ぐ事は出来なかった。
「全く、やるじゃねえか。少年」
対して、ヴォイドも精霊の加護と言ったものがないにも関わらず、軽くはないが康太と同じくらいのダメージを負っているようだった。
互いに片膝をつき、辛うじて意識を保っていると言った様子だ。
2人のにらみ合いが続く中、ヴォイドの背後から大きな声が聞こえてきた。
「ちょっとヴォイド!大技やるならちゃんと教えなさいよ!」
「ああ?お前なら言わなくてもなんとかなると思ったし、なんとかなったろ」
「あっちの坊やが周りに声かけなかったら私、消し炭だったんだけど!?」
「ははっ、まじか?」
カトレアがヴォイドに文句を言うが、ヴォイドに余裕がなさそうな事にすぐさま気がついた。
いつもの調子だったら何かしらの軽口を挟みそうなものだが、今に至っては質問に受け答えするぐらいの余裕しか持ち合わせていないのだろう。
ヴォイドは目を伏せながらなんとかと言った様子で立ち上がり、レーヴァテインを地面に突き刺した。
「いやあ、ほんと。少年とはもっといい場所で闘いたかったんだけどなあ」
カトレアはヴォイドが何をするか気がついたらしく、咄嗟にヴォイドから距離を取る。
ヴォイドを除く、その場にいた全員の背筋が凍りつく。
パリン
するとはるか上空から何かガラスの割れるような音が空を切り裂いた。
それにいち早く反応したのはカトレアだ。
「なんで結界が!?」
「時間までもうちょいあると思ってたんだが、どうやら俺と少年の炎でガタがきちまったようだな。仕方ねえここまでか」
「あの精霊どうするのよ!」
「そりゃあお前の遊び癖のせいだっての」
そう言ってヴォイドは自分とカトレアの周りに炎を出現させる。
「くそ、後味悪いがこの続きはまた今度だ。少年次は楽しみにしとけよ」
そう言い残しヴォイドとカトレアは炎の中に姿を消し、それが鎮まった時には綺麗さっぱり姿が消えていた。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
「聖女はもう用済み」と言って私を追放した国は、今や崩壊寸前です。私が戻れば危機を救えるようですが、私はもう、二度と国には戻りません【完結】
小平ニコ
ファンタジー
聖女として、ずっと国の平和を守ってきたラスティーナ。だがある日、婚約者であるウルナイト王子に、「聖女とか、そういうのもういいんで、国から出てってもらえます?」と言われ、国を追放される。
これからは、ウルナイト王子が召喚術で呼び出した『魔獣』が国の守護をするので、ラスティーナはもう用済みとのことらしい。王も、重臣たちも、国民すらも、嘲りの笑みを浮かべるばかりで、誰もラスティーナを庇ってはくれなかった。
失意の中、ラスティーナは国を去り、隣国に移り住む。
無慈悲に追放されたことで、しばらくは人間不信気味だったラスティーナだが、優しい人たちと出会い、現在は、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日のこと。
ラスティーナは新聞の記事で、自分を追放した国が崩壊寸前であることを知る。
『自分が戻れば国を救えるかもしれない』と思うラスティーナだったが、新聞に書いてあった『ある情報』を読んだことで、国を救いたいという気持ちは、一気に無くなってしまう。
そしてラスティーナは、決別の言葉を、ハッキリと口にするのだった……
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる