完璧すぎた令嬢ですが、婚約破棄のおかげで幸せを掴みました

鍛高譚

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1-7 堂々たる退場

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堂々たる退場

 そのまま王宮の敷地を出るのは無礼に当たるため、ミアータは回廊を一周して再び大広間の外側へ戻った。ここでは、まだ華やかな舞曲が響き渡り、社交の場が続いている。
 ミアータは意を決して、会場の扉を開けた。その瞬間、何人かが彼女の姿を認め、「あら、ミアータ様が戻られたわ」と囁く。だが、彼女は周囲に気づかれぬよう足早に歩き、クラレット公爵夫妻のもとへ向かった。公の場で退席を告げるなら、まず両親へ挨拶するのが礼儀である。

 「父様、母様、申し訳ありませんが、体調が少し優れないので先に帰らせていただきますわ。」
 娘の突然の申し出に、公爵夫妻は驚いた表情を浮かべる。
 「ミアータ、どうした? 顔色が悪いぞ。アレン殿と何かあったのでは……?」
 公爵は心配そうに尋ねる。しかし、ミアータはにこやかな微笑みを崩さず、「ご心配には及びません。少し頭痛がするだけですので」と頭を下げる。
 「では、お先に失礼いたしますわ。父様、母様はどうかごゆっくりと。」

 それだけ言い残すと、ミアータはまるで綺麗なドレスを纏った人形のように優雅な足取りで会場を後にした。見送る人々からは「お大事に」「ごきげんよう」といった声が飛び交うが、その表情には「あの完璧なミアータが珍しく体調不良?」という疑いが混ざっている。
 もっとも、真実を知る者はまだ限られたごく一部であり、ミアータ本人とアレン、そして本人たちの口から事情を聞いたであろうリリーのみ。周囲はただの病気かと心配しているだけだった。
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