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4-8 カイルとの正式な婚約
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カイルとの正式な婚約
リリーの一件が決着してから半月ほど経った頃、ミアータは公爵夫妻に呼び出され、応接室へと足を運んだ。すると、そこには両親だけでなく、カイルの姿もあった。彼は少し緊張した面持ちで立ち上がり、ミアータを出迎える。
「お嬢様、お話があります。どうぞ、こちらへ」
公爵が椅子を勧め、夫人が隣に座るように促す。ミアータは胸の高鳴りを抑えきれないまま席に着き、視線をカイルに向けた。
「実は――」と、カイルが静かに口を開く。「ミアータとの交際について、公爵ご夫妻に正式な許可を頂戴したいと思い、お伺いした次第です。もしミアータが受け入れてくれるなら、いずれ婚約という形を進められたらと考えております」
ミアータは思わず息を飲む。もちろん、二人はすでに互いを特別な相手だと認め合っている。けれど、こうして公の場で婚約の話が出るのは、やはり一大事だ。公爵夫妻にしてみれば、先の婚約破棄の件もあるだけに慎重になるだろう――彼女はそんな不安を抱えていた。
だが、公爵は頷きながら柔らかな笑みを向ける。
「カイル侯爵殿、あなたの真剣な想いは十分に伝わっております。ミアータのことを尊重してくれる姿勢を、私たちも日頃から感じておりました。以前の婚約破棄は確かにつらい経験だったが、それを乗り越えて娘は成長した。そして、あなたもまた、いろいろと助けてくださっているようだね」
カイルは微かに頰を赤らめながら、「はい。私などまだまだ未熟者ですが、ミアータと二人三脚で歩んでいけたらと思います」と頭を下げる。
続いて、夫人が娘の手をとり、優しく微笑む。
「ミアータ、あなたの気持ちはどうなの? 私たちはあなたの幸せを願うだけよ。無理に答えを急ぐことはないわ」
すると、ミアータは一瞬だけ瞳を揺らし、そしてはっきりと目を上げた。
「母様、父様……私はカイル様との未来を考えたい。もちろん、結婚というものには覚悟も必要だとわかっています。でも、カイル様の隣で孤児院支援や新たな慈善事業に取り組むことが、私にとって本当に幸せだと思えるんです」
言葉を重ねるほどに、ミアータの表情は晴れやかになり、頬には淡いバラ色が差している。
公爵夫妻は顔を見合わせて頷き、カイルに微笑みかける。
「わかった。では、改めて婚約を許可しよう。正式な手続きは後日、両家の間で整えるとして……まずは二人の気持ちを大事にするのが何よりだ」
「ありがとうございます……!」
カイルは深々と頭を下げ、ミアータと視線を交わす。その瞬間、ふたりの間に言葉にならない想いが流れ、ミアータはもう何も迷わなかった。「完璧な公爵令嬢」を演じようと無理をする必要などなく、ただ自分自身の意志で幸せを求めることを許されたのだ。
リリーの一件が決着してから半月ほど経った頃、ミアータは公爵夫妻に呼び出され、応接室へと足を運んだ。すると、そこには両親だけでなく、カイルの姿もあった。彼は少し緊張した面持ちで立ち上がり、ミアータを出迎える。
「お嬢様、お話があります。どうぞ、こちらへ」
公爵が椅子を勧め、夫人が隣に座るように促す。ミアータは胸の高鳴りを抑えきれないまま席に着き、視線をカイルに向けた。
「実は――」と、カイルが静かに口を開く。「ミアータとの交際について、公爵ご夫妻に正式な許可を頂戴したいと思い、お伺いした次第です。もしミアータが受け入れてくれるなら、いずれ婚約という形を進められたらと考えております」
ミアータは思わず息を飲む。もちろん、二人はすでに互いを特別な相手だと認め合っている。けれど、こうして公の場で婚約の話が出るのは、やはり一大事だ。公爵夫妻にしてみれば、先の婚約破棄の件もあるだけに慎重になるだろう――彼女はそんな不安を抱えていた。
だが、公爵は頷きながら柔らかな笑みを向ける。
「カイル侯爵殿、あなたの真剣な想いは十分に伝わっております。ミアータのことを尊重してくれる姿勢を、私たちも日頃から感じておりました。以前の婚約破棄は確かにつらい経験だったが、それを乗り越えて娘は成長した。そして、あなたもまた、いろいろと助けてくださっているようだね」
カイルは微かに頰を赤らめながら、「はい。私などまだまだ未熟者ですが、ミアータと二人三脚で歩んでいけたらと思います」と頭を下げる。
続いて、夫人が娘の手をとり、優しく微笑む。
「ミアータ、あなたの気持ちはどうなの? 私たちはあなたの幸せを願うだけよ。無理に答えを急ぐことはないわ」
すると、ミアータは一瞬だけ瞳を揺らし、そしてはっきりと目を上げた。
「母様、父様……私はカイル様との未来を考えたい。もちろん、結婚というものには覚悟も必要だとわかっています。でも、カイル様の隣で孤児院支援や新たな慈善事業に取り組むことが、私にとって本当に幸せだと思えるんです」
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「わかった。では、改めて婚約を許可しよう。正式な手続きは後日、両家の間で整えるとして……まずは二人の気持ちを大事にするのが何よりだ」
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