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第2章 甘すぎる旦那様の秘密
12話
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翌朝。
リゼットが目を覚ましたのは、いつもよりもかなり遅い時間だった。夜中まで興奮して眠れなかったせいか、体にだるさが残っている。寝起きの顔を見られてしまうかも……と焦りながら起き上がると、部屋にはまだ誰も来ていないようだ。
ベッドの脇にあるテーブルには、温かい紅茶の湯気が立つポットと、焼きたてのパンらしきものが置かれている。朝食なのか、軽い軽食なのか――ともかく、リゼットの目覚めを邪魔しないように気遣ってくれたのだろう。グレイシアの心配りだろうか、それともアレクシスの指示か。
リゼットは少し笑みを浮かべながらカップに紅茶を注ぎ、一口含んだ。ほんのり甘い香りが口の中に広がる。
「……おいしい」
ほんのわずかな朝の贅沢。それだけで心が休まる気がした。
やがてノックの音がし、グレイシアが部屋に姿を現す。
「リゼット様、おはようございます。眠りはよく取れましたでしょうか?」
「……ええ。少し寝すぎたみたいで、申し訳ないわ。今日からはシュヴァルツ家の当主夫人として、もっとしっかりしなきゃいけないのに……」
反省混じりにそう言うと、グレイシアは柔らかく微笑む。
「いいえ、とんでもないです。昨夜は大変お疲れだったでしょうし、旦那様からも『リゼット様にはゆっくり休んでもらい、朝は起こさないように』と仰せつかっておりました。お気遣いなく、ご自分のペースでお過ごしくださいね」
なんと優しい気配りだろう。リゼットは胸が熱くなる。政略結婚なら、新妻は早々に当主夫人としての務めをこなすよう求められたっておかしくない。けれどもアレクシスは、それよりもリゼットの体調を優先させてくれたのだ。
(こんなにも甘やかしてくれて、いいのかしら……。それに、彼はあんなに忙しい人なのに……)
グレイシアがテキパキと朝の身支度を手伝ってくれていると、再びノックの音がした。今度はアレクシスの執事の声だ。
「失礼いたします。旦那様がお部屋でお待ちです。リゼット様がお目覚めになられたら、お連れするようにとの仰せですが、よろしいでしょうか?」
リゼットは一瞬緊張するが、服装や髪の乱れはグレイシアが整えてくれたばかり。もう人前に出られる程度には整っている。
大きく息をついてから、リゼットは扉のほうを見やり、はきはきと答えた。
「ええ、すぐに参ります」
どんな用件だろう――。朝から呼び出されるなんて珍しい。もしかして、夫婦としての生活ルールや、邸宅の管理方法などを説明されるのかもしれない。そちらのほうが“当主夫人としての務め”に関わってくるだろうし、やがては避けて通れない道だ。
それを覚悟しながら廊下を進むと、執事に案内された先は、先日リゼットが夕食会で見学した広い応接室。そこで待っていたアレクシスは、すでに朝の仕事をひと段落させた様子で、書類を脇に置いて立ち上がる。
「おはようございます、リゼット様。ゆっくり休めましたか?」
「はい。昨夜は遅くまでお付き合いいただいて……あなたこそ、疲れていませんか?」
リゼットが尋ねると、アレクシスは「私は慣れていますから」と穏やかに微笑む。確かに、彼の業務は多岐にわたり、朝早くから書類に目を通したり執事や領地の管理者たちと打ち合わせをしたりと忙殺されているはずだが、疲れた顔を見せない。
リゼットが感心しながら近づくと、テーブルの上に白い花が一輪飾られているのが目に留まった。小さめの花瓶に生けられた可憐な花――リゼットの好きな花だ。
彼女がそれに気づいた様子を見て、アレクシスは少し照れたように言う。
「あなたがこの花を好きだと聞いて……あまり大げさに飾るのも落ち着かないかと思ったので、一輪だけにしてみました。気に入ってもらえたでしょうか?」
リゼットは、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じながら小さく笑う。
「……とても嬉しいです。私がここに来る前から、用意してくださっていたんですね」
するとアレクシスは、少しだけ神妙な面持ちになり、椅子を勧めるように手を動かした。
「実は、あなたに少し話があって……といっても、難しい話ではありません。これからシュヴァルツ家の当主夫人として日々を過ごすうえで、何か困ったことがあれば、遠慮なく言ってほしい。私はあなたを守りたいし、快適に過ごしてほしいと思っています。決して、格式ばった苦労を強いるつもりはないのです」
その言葉が、リゼットの耳にすっと染みこんでくる。普通なら「まずは家の慣習を把握しろ」「貴族夫人としてふさわしく振る舞え」などと説かれそうな場面なのに、アレクシスの第一声はリゼットの“暮らしやすさ”への配慮だった。
「ありがとうございます。そう言っていただけると、私もとても心強いです。今はまだ分からないことも多いですが……何かあれば、あなたに相談させてもらってもいいのかしら?」
「もちろん。あなたの相談には必ず真剣に乗ります。それと……いずれお伝えしようと思っていましたが、あなたが自分で管理したいと思う部分があれば、遠慮なく言ってください。財務でも、領地経営でも、何でも。私はあなたのことを信じたいんです」
リゼットは、その言葉に目を見張った。普通、領地の管理や財務は当主が一手に担うのが通例だし、夫人が口を出してよい領分は限られる。だがアレクシスは、リゼットが関心を持ちたいのであれば、自由に関わってもいいと言うのだ。
こんなにも厚遇されるなんて、思いもしなかった。リゼットは少しばかり動揺しながらも、それ以上にありがたいと感じる。
「……本当に、私にそこまで任せてくださるのですか?」
「ええ。私が目の届かない部分も多々ありますからね。あなたが私の補佐をしてくれたら、どれほど助かるか。もちろん、無理強いはしませんよ。あなた自身の意思が大事です。まずはゆっくり慣れていただければ」
その言葉を交わすうち、リゼットはふと昨日の夜の会話を思い出した。彼は「政略結婚であっても、あなたを不幸にする気はない」と言っていた。今の言葉も、その現れなのだろう。
リゼットは頬を綻ばせながら静かに頷いた。
「わかりました。少しずつですが、あなたのお役に立てるよう頑張りたいと思います」
そうして話を終え、リゼットが部屋を出ようとしたとき、アレクシスはどこか躊躇いがちに彼女の手を取った。
「……リゼット」
「な、なんでしょうか……?」
突然のスキンシップに、リゼットは驚きと少しの高揚感を覚える。夫婦になったとはいえ、まだ名前を呼び捨てされた経験など数えるほどしかないし、手を取られるのもほとんど初めてに近い。
アレクシスは手を握ったまま、少し上目遣いでリゼットを見つめ、言葉を続けた。
「あなたのことを、私は……本当に愛していきたいと思っています。まだ気持ちをうまく伝えられないかもしれませんが、どうか、見守っていてください」
その直球ともいえる言葉に、リゼットは思わず息を呑んだ。まさか、はっきりと“愛していきたい”だなんて――政略結婚の縛りがあるにも関わらず、ここまで素直に言えるものだろうか。
胸がドキドキして、言葉にならない。けれど、アレクシスのまっすぐな瞳を見ていると、嘘ではないと信じたくなる。リゼットはほのかな笑みを浮かべ、そっと手を握り返した。
「私も、あなたの気持ちに応えられるように頑張ります……。これから、よろしくお願いしますね」
そうして二人は、まだぎこちなくも、お互いの手の温もりを感じ合う。昨夜までは不安ばかりだったリゼットの心に、少しずつ安堵と期待が芽生えてきた――。
しかし、甘い新婚生活の予感に胸を弾ませるリゼットを待ち受けるのは、予想外の出来事だった。まだ夫婦としての距離を十分に縮めきれていない二人に、思わぬ「ざわつき」が忍び寄ろうとしている。
このときはまだ、リゼットもアレクシスも、お互いに対する想いを育むことで手いっぱいだった。
けれど、シュヴァルツ家に嫁いだばかりのリゼットへ、ささやかな嫉妬と陰謀の影が近づいているという事実には、誰も気づいていない――。
リゼットが目を覚ましたのは、いつもよりもかなり遅い時間だった。夜中まで興奮して眠れなかったせいか、体にだるさが残っている。寝起きの顔を見られてしまうかも……と焦りながら起き上がると、部屋にはまだ誰も来ていないようだ。
ベッドの脇にあるテーブルには、温かい紅茶の湯気が立つポットと、焼きたてのパンらしきものが置かれている。朝食なのか、軽い軽食なのか――ともかく、リゼットの目覚めを邪魔しないように気遣ってくれたのだろう。グレイシアの心配りだろうか、それともアレクシスの指示か。
リゼットは少し笑みを浮かべながらカップに紅茶を注ぎ、一口含んだ。ほんのり甘い香りが口の中に広がる。
「……おいしい」
ほんのわずかな朝の贅沢。それだけで心が休まる気がした。
やがてノックの音がし、グレイシアが部屋に姿を現す。
「リゼット様、おはようございます。眠りはよく取れましたでしょうか?」
「……ええ。少し寝すぎたみたいで、申し訳ないわ。今日からはシュヴァルツ家の当主夫人として、もっとしっかりしなきゃいけないのに……」
反省混じりにそう言うと、グレイシアは柔らかく微笑む。
「いいえ、とんでもないです。昨夜は大変お疲れだったでしょうし、旦那様からも『リゼット様にはゆっくり休んでもらい、朝は起こさないように』と仰せつかっておりました。お気遣いなく、ご自分のペースでお過ごしくださいね」
なんと優しい気配りだろう。リゼットは胸が熱くなる。政略結婚なら、新妻は早々に当主夫人としての務めをこなすよう求められたっておかしくない。けれどもアレクシスは、それよりもリゼットの体調を優先させてくれたのだ。
(こんなにも甘やかしてくれて、いいのかしら……。それに、彼はあんなに忙しい人なのに……)
グレイシアがテキパキと朝の身支度を手伝ってくれていると、再びノックの音がした。今度はアレクシスの執事の声だ。
「失礼いたします。旦那様がお部屋でお待ちです。リゼット様がお目覚めになられたら、お連れするようにとの仰せですが、よろしいでしょうか?」
リゼットは一瞬緊張するが、服装や髪の乱れはグレイシアが整えてくれたばかり。もう人前に出られる程度には整っている。
大きく息をついてから、リゼットは扉のほうを見やり、はきはきと答えた。
「ええ、すぐに参ります」
どんな用件だろう――。朝から呼び出されるなんて珍しい。もしかして、夫婦としての生活ルールや、邸宅の管理方法などを説明されるのかもしれない。そちらのほうが“当主夫人としての務め”に関わってくるだろうし、やがては避けて通れない道だ。
それを覚悟しながら廊下を進むと、執事に案内された先は、先日リゼットが夕食会で見学した広い応接室。そこで待っていたアレクシスは、すでに朝の仕事をひと段落させた様子で、書類を脇に置いて立ち上がる。
「おはようございます、リゼット様。ゆっくり休めましたか?」
「はい。昨夜は遅くまでお付き合いいただいて……あなたこそ、疲れていませんか?」
リゼットが尋ねると、アレクシスは「私は慣れていますから」と穏やかに微笑む。確かに、彼の業務は多岐にわたり、朝早くから書類に目を通したり執事や領地の管理者たちと打ち合わせをしたりと忙殺されているはずだが、疲れた顔を見せない。
リゼットが感心しながら近づくと、テーブルの上に白い花が一輪飾られているのが目に留まった。小さめの花瓶に生けられた可憐な花――リゼットの好きな花だ。
彼女がそれに気づいた様子を見て、アレクシスは少し照れたように言う。
「あなたがこの花を好きだと聞いて……あまり大げさに飾るのも落ち着かないかと思ったので、一輪だけにしてみました。気に入ってもらえたでしょうか?」
リゼットは、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じながら小さく笑う。
「……とても嬉しいです。私がここに来る前から、用意してくださっていたんですね」
するとアレクシスは、少しだけ神妙な面持ちになり、椅子を勧めるように手を動かした。
「実は、あなたに少し話があって……といっても、難しい話ではありません。これからシュヴァルツ家の当主夫人として日々を過ごすうえで、何か困ったことがあれば、遠慮なく言ってほしい。私はあなたを守りたいし、快適に過ごしてほしいと思っています。決して、格式ばった苦労を強いるつもりはないのです」
その言葉が、リゼットの耳にすっと染みこんでくる。普通なら「まずは家の慣習を把握しろ」「貴族夫人としてふさわしく振る舞え」などと説かれそうな場面なのに、アレクシスの第一声はリゼットの“暮らしやすさ”への配慮だった。
「ありがとうございます。そう言っていただけると、私もとても心強いです。今はまだ分からないことも多いですが……何かあれば、あなたに相談させてもらってもいいのかしら?」
「もちろん。あなたの相談には必ず真剣に乗ります。それと……いずれお伝えしようと思っていましたが、あなたが自分で管理したいと思う部分があれば、遠慮なく言ってください。財務でも、領地経営でも、何でも。私はあなたのことを信じたいんです」
リゼットは、その言葉に目を見張った。普通、領地の管理や財務は当主が一手に担うのが通例だし、夫人が口を出してよい領分は限られる。だがアレクシスは、リゼットが関心を持ちたいのであれば、自由に関わってもいいと言うのだ。
こんなにも厚遇されるなんて、思いもしなかった。リゼットは少しばかり動揺しながらも、それ以上にありがたいと感じる。
「……本当に、私にそこまで任せてくださるのですか?」
「ええ。私が目の届かない部分も多々ありますからね。あなたが私の補佐をしてくれたら、どれほど助かるか。もちろん、無理強いはしませんよ。あなた自身の意思が大事です。まずはゆっくり慣れていただければ」
その言葉を交わすうち、リゼットはふと昨日の夜の会話を思い出した。彼は「政略結婚であっても、あなたを不幸にする気はない」と言っていた。今の言葉も、その現れなのだろう。
リゼットは頬を綻ばせながら静かに頷いた。
「わかりました。少しずつですが、あなたのお役に立てるよう頑張りたいと思います」
そうして話を終え、リゼットが部屋を出ようとしたとき、アレクシスはどこか躊躇いがちに彼女の手を取った。
「……リゼット」
「な、なんでしょうか……?」
突然のスキンシップに、リゼットは驚きと少しの高揚感を覚える。夫婦になったとはいえ、まだ名前を呼び捨てされた経験など数えるほどしかないし、手を取られるのもほとんど初めてに近い。
アレクシスは手を握ったまま、少し上目遣いでリゼットを見つめ、言葉を続けた。
「あなたのことを、私は……本当に愛していきたいと思っています。まだ気持ちをうまく伝えられないかもしれませんが、どうか、見守っていてください」
その直球ともいえる言葉に、リゼットは思わず息を呑んだ。まさか、はっきりと“愛していきたい”だなんて――政略結婚の縛りがあるにも関わらず、ここまで素直に言えるものだろうか。
胸がドキドキして、言葉にならない。けれど、アレクシスのまっすぐな瞳を見ていると、嘘ではないと信じたくなる。リゼットはほのかな笑みを浮かべ、そっと手を握り返した。
「私も、あなたの気持ちに応えられるように頑張ります……。これから、よろしくお願いしますね」
そうして二人は、まだぎこちなくも、お互いの手の温もりを感じ合う。昨夜までは不安ばかりだったリゼットの心に、少しずつ安堵と期待が芽生えてきた――。
しかし、甘い新婚生活の予感に胸を弾ませるリゼットを待ち受けるのは、予想外の出来事だった。まだ夫婦としての距離を十分に縮めきれていない二人に、思わぬ「ざわつき」が忍び寄ろうとしている。
このときはまだ、リゼットもアレクシスも、お互いに対する想いを育むことで手いっぱいだった。
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