23 / 24
24話:正式なプロポーズと涙の承諾
しおりを挟む
24話:正式なプロポーズと涙の承諾
秘書課に配属されてから過ぎた月日は、気づけば指で数えるには足りなくなっていた。
毎日が駆け足で過ぎていくほど忙しく、責任も重くなった。
それでも結衣にとって、その一日一日は宝物だった。
理由はただ一つ。
――蓮を支える仕事が何よりも誇らしく、幸せだったから。
そしてもう一つ。
胸の奥に静かに積み重なっていく、彼への特別な想い。
蓮の視線、言葉、ふとした優しさ。
その一つ一つが、結衣の心に深く染み込み、気づけば消えないものになっていた。
---
◆夕方。社長室の呼び出し
「相沢、仕事のあと……少し時間を取れるか?」
いつもの落ち着いた声なのに、どこか違う。
静かな緊張をはらんだ響きがあった。
「はい、もちろんです。」
返事をした途端、胸が高鳴った。
仕事の相談なのか、それとも――
胸の奥で淡い予感が膨らんでいく。
---
◆高層レストランの夜景
仕事を終え、蓮に案内された先は都内でも有名な高層ビルのレストラン。
入口から漂う香りも、静かに流れる音楽も、いつもとは違う“特別な夜”を告げていた。
全面ガラス張りの窓の向こうには、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。
「今日は……少し贅沢にいこうと思ってな。」
蓮がそう言って微笑むだけで、胸が苦しいほど跳ねた。
スタッフが二人のグラスにシャンパンを注ぐ。
ライトに照らされて泡が上るたび、結衣の緊張も上っていくようだった。
「ありがとうございます、社長。」
いつも通り言ったつもりなのに、声が少し震えていた。
---
◆蓮の落ち着かない様子
料理が次々と運ばれ、会話も自然と弾んでいく。
仕事の話、些細な出来事、二人にしか通じない笑いもあった。
けれど――
蓮はどこか落ち着かず、時折言葉を探すように視線を宙に泳がせた。
(どうしたんだろう……)
胸の奥がざわつき、緊張と期待が交互に押し寄せる。
---
◆特別な話
デザートが運ばれてきた頃。
蓮はひとつ息を吸い、結衣を真っ直ぐに見つめた。
「相沢。今日はな……どうしても伝えたいことがある。」
その声音は、職場で聞く“社長”の声ではなかった。
もっと深く、もっと真剣で、心の奥から絞り出すような響き。
結衣の背筋が自然と伸びる。
胸が激しく脈打ち、呼吸が浅くなる。
「これまで……お前には本当に多くのことを支えてもらった。
仕事も、会社も、そして……俺自身も。」
蓮は一語一語、丁寧に噛み締めるように続けた。
「弱いところを見せてもいいと思えたのは……相沢、お前だけだ。」
---
◆“秘書ではない”と言われた瞬間
「お前は俺にとって、ただの秘書じゃない。」
その言葉が胸にそっと触れただけで、涙が溢れかける。
蓮はポケットに手を入れ、黒いベルベットの箱を取り出してテーブルに置いた。
(……え?)
心臓が跳ね、言葉を失う。
世界がふっと静まり返る。
「相沢……いや、結衣。」
初めて呼び捨てで呼ばれた瞬間、温かい涙が頬を伝った。
---
◆正式なプロポーズ
蓮は箱の蓋をゆっくりと開いた。
中には、夜景の光を受けて美しく煌めくダイヤモンドの指輪。
「結衣。
これからも俺の隣で――仕事だけでなく、人生そのものを支えてほしい。」
蓮の深い瞳が、結衣の心の奥までまっすぐに射抜く。
「俺と……結婚してくれ。」
---
◆涙の承諾
涙はもう止まらなかった。
「……っ、はい。
蓮さん……。私でよければ、ずっと……ずっとそばにいさせてください。」
答えを待つ蓮の瞳が、優しく揺れた。
蓮はゆっくりと立ち上がり、結衣の指に指輪をはめる。
その仕草は驚くほど丁寧で、愛情があふれていた。
「ありがとう、結衣。
これからは……俺が、お前を支える番だ。」
---
◆夜景の展望台で
店を出た二人は、夜風が吹き抜ける展望台に立った。
煌めく夜景が、二人を祝福するかのように足元で輝く。
風が冷たいはずなのに、蓮の腕が肩を抱き寄せるだけで温かかった。
「これから、どんな困難があっても……必ず一緒に乗り越える。」
蓮の声は静かで、強かった。
「はい。私も……蓮さんとなら、どんな未来でも怖くありません。」
結衣は涙の跡が残る頬で、幸せな笑みを浮かべた。
この夜、
二人は“社長と秘書”という関係を越え、
深い絆で結ばれた新たな未来へ――
確かな第一歩を踏み出したのだった。
秘書課に配属されてから過ぎた月日は、気づけば指で数えるには足りなくなっていた。
毎日が駆け足で過ぎていくほど忙しく、責任も重くなった。
それでも結衣にとって、その一日一日は宝物だった。
理由はただ一つ。
――蓮を支える仕事が何よりも誇らしく、幸せだったから。
そしてもう一つ。
胸の奥に静かに積み重なっていく、彼への特別な想い。
蓮の視線、言葉、ふとした優しさ。
その一つ一つが、結衣の心に深く染み込み、気づけば消えないものになっていた。
---
◆夕方。社長室の呼び出し
「相沢、仕事のあと……少し時間を取れるか?」
いつもの落ち着いた声なのに、どこか違う。
静かな緊張をはらんだ響きがあった。
「はい、もちろんです。」
返事をした途端、胸が高鳴った。
仕事の相談なのか、それとも――
胸の奥で淡い予感が膨らんでいく。
---
◆高層レストランの夜景
仕事を終え、蓮に案内された先は都内でも有名な高層ビルのレストラン。
入口から漂う香りも、静かに流れる音楽も、いつもとは違う“特別な夜”を告げていた。
全面ガラス張りの窓の向こうには、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。
「今日は……少し贅沢にいこうと思ってな。」
蓮がそう言って微笑むだけで、胸が苦しいほど跳ねた。
スタッフが二人のグラスにシャンパンを注ぐ。
ライトに照らされて泡が上るたび、結衣の緊張も上っていくようだった。
「ありがとうございます、社長。」
いつも通り言ったつもりなのに、声が少し震えていた。
---
◆蓮の落ち着かない様子
料理が次々と運ばれ、会話も自然と弾んでいく。
仕事の話、些細な出来事、二人にしか通じない笑いもあった。
けれど――
蓮はどこか落ち着かず、時折言葉を探すように視線を宙に泳がせた。
(どうしたんだろう……)
胸の奥がざわつき、緊張と期待が交互に押し寄せる。
---
◆特別な話
デザートが運ばれてきた頃。
蓮はひとつ息を吸い、結衣を真っ直ぐに見つめた。
「相沢。今日はな……どうしても伝えたいことがある。」
その声音は、職場で聞く“社長”の声ではなかった。
もっと深く、もっと真剣で、心の奥から絞り出すような響き。
結衣の背筋が自然と伸びる。
胸が激しく脈打ち、呼吸が浅くなる。
「これまで……お前には本当に多くのことを支えてもらった。
仕事も、会社も、そして……俺自身も。」
蓮は一語一語、丁寧に噛み締めるように続けた。
「弱いところを見せてもいいと思えたのは……相沢、お前だけだ。」
---
◆“秘書ではない”と言われた瞬間
「お前は俺にとって、ただの秘書じゃない。」
その言葉が胸にそっと触れただけで、涙が溢れかける。
蓮はポケットに手を入れ、黒いベルベットの箱を取り出してテーブルに置いた。
(……え?)
心臓が跳ね、言葉を失う。
世界がふっと静まり返る。
「相沢……いや、結衣。」
初めて呼び捨てで呼ばれた瞬間、温かい涙が頬を伝った。
---
◆正式なプロポーズ
蓮は箱の蓋をゆっくりと開いた。
中には、夜景の光を受けて美しく煌めくダイヤモンドの指輪。
「結衣。
これからも俺の隣で――仕事だけでなく、人生そのものを支えてほしい。」
蓮の深い瞳が、結衣の心の奥までまっすぐに射抜く。
「俺と……結婚してくれ。」
---
◆涙の承諾
涙はもう止まらなかった。
「……っ、はい。
蓮さん……。私でよければ、ずっと……ずっとそばにいさせてください。」
答えを待つ蓮の瞳が、優しく揺れた。
蓮はゆっくりと立ち上がり、結衣の指に指輪をはめる。
その仕草は驚くほど丁寧で、愛情があふれていた。
「ありがとう、結衣。
これからは……俺が、お前を支える番だ。」
---
◆夜景の展望台で
店を出た二人は、夜風が吹き抜ける展望台に立った。
煌めく夜景が、二人を祝福するかのように足元で輝く。
風が冷たいはずなのに、蓮の腕が肩を抱き寄せるだけで温かかった。
「これから、どんな困難があっても……必ず一緒に乗り越える。」
蓮の声は静かで、強かった。
「はい。私も……蓮さんとなら、どんな未来でも怖くありません。」
結衣は涙の跡が残る頬で、幸せな笑みを浮かべた。
この夜、
二人は“社長と秘書”という関係を越え、
深い絆で結ばれた新たな未来へ――
確かな第一歩を踏み出したのだった。
6
あなたにおすすめの小説
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして
七転び八起き
恋愛
社畜として働く女、川崎七海(なみ)は居酒屋でイケメン大学生店員、林勇凛(ゆうり)と出会う。
彼は私と恋がしたいと言った。
恋なんてしてる余裕はない七海。
──なのに
その翌日、私たちは夫婦になっていた。
交際0日婚から始まるラブストーリー。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
君色ロマンス~副社長の甘い恋の罠~
松本ユミ
恋愛
デザイン事務所で働く伊藤香澄は、ひょんなことから副社長の身の回りの世話をするように頼まれて……。
「君に好意を寄せているから付き合いたいってこと」
副社長の低く甘い声が私の鼓膜を震わせ、封じ込めたはずのあなたへの想いがあふれ出す。
真面目OLの恋の行方は?
定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました
藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。
そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。
ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。
その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。
仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。
会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。
これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる