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21話
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王城主催の大舞踏会、準備される“即興の歌”
季節は初夏。
王城の中でも特に大きなホールにて、貴族や要人が一堂に会する舞踏会が催されることになった。
そこには当然、王家の面々も参加し、新たな婚約者を紹介する場としても利用される。
私はアレクシオス殿下の“公式の婚約者候補”という立場で、当然出席を求められた。
「そうだ、あの舞踏会の席で、お前の賛美の歌を大々的に披露してやろう。
皆の前で、私の偉大さを称えろ。いいな?」
殿下は得意げにそう言った。
これはまさに絶好のチャンスだ。
私が狙っていた“公衆の面前でのパフォーマンス”を、向こうから望んできたのだから。
(よし……ここで、思いきり殿下のナルシズムを“盛り上げつつ突き落とす”内容の歌を披露してやる。
あくまで表向きは殿下を称えているようで、実は皮肉と嘲笑をこっそり混ぜる。
どこまで通じるか分からないけれど、この大胆なやり方で、殿下を怒り狂わせるのが狙い!)
とはいえ、私は決して下手な真似をするわけにはいかない。
もし単なる侮辱になってしまえば、王子だけでなく周囲の貴族たちも敵に回す。
そうではなく、**“高等な皮肉”**が必要なのだ。
周りの人々は「あれ? なんだか変なこと言ってない?」とクスリと笑い、
王子自身は「もしかしてバカにされてる?」と気づいて逆上する――そんなギリギリのラインを狙う。
「……集中しなくては。これは私の“最終兵器”になるかもしれない」
舞踏会前夜、私は机に向かい、紙とペンを握り締める。
かつて“奇妙なポエム”を披露して噂になった私だが、今回はむしろ「確信犯的」に変わった詩を紡ぐ必要がある。
あえて一晩かけて書き上げ、頭の中でメロディもざっくり考える。
翌朝、侍女のサラが部屋に入ってきた時、私はまるで徹夜明けの芸術家のように書き殴った紙を握りしめていた。
「お嬢様、その紙……まさか、王子殿下のための――」
「ええ、そうよ。
これが……きっと、彼を破談に追い込むための最終手段になるはず。
ちょっと挑発的すぎるかしら、と思う部分もあるけれど……覚悟はできてるわ」
サラは心配そうに私の手元を覗き込む。
そこには、所々に“ナルシスト”“鏡” “陶酔” “白鳥” “愚行” “大笑い”といった言葉が散りばめられている。
「お、お嬢様……このまま読み上げたら、さすがに殿下は激怒されるのでは……?」
「大丈夫よ。肝心の箇所はオブラートに包むように表現してあるから。
でも、殿下が少しでも詩の真意に気づけば、ここでは口にできないような怒りの言葉が飛び出してくるでしょうね」
私は自虐気味に微笑む。
無論、このやり方は危険だ。
だが、私はもう後戻りできない。
――この勝負、受けて立つしかないのだ。
季節は初夏。
王城の中でも特に大きなホールにて、貴族や要人が一堂に会する舞踏会が催されることになった。
そこには当然、王家の面々も参加し、新たな婚約者を紹介する場としても利用される。
私はアレクシオス殿下の“公式の婚約者候補”という立場で、当然出席を求められた。
「そうだ、あの舞踏会の席で、お前の賛美の歌を大々的に披露してやろう。
皆の前で、私の偉大さを称えろ。いいな?」
殿下は得意げにそう言った。
これはまさに絶好のチャンスだ。
私が狙っていた“公衆の面前でのパフォーマンス”を、向こうから望んできたのだから。
(よし……ここで、思いきり殿下のナルシズムを“盛り上げつつ突き落とす”内容の歌を披露してやる。
あくまで表向きは殿下を称えているようで、実は皮肉と嘲笑をこっそり混ぜる。
どこまで通じるか分からないけれど、この大胆なやり方で、殿下を怒り狂わせるのが狙い!)
とはいえ、私は決して下手な真似をするわけにはいかない。
もし単なる侮辱になってしまえば、王子だけでなく周囲の貴族たちも敵に回す。
そうではなく、**“高等な皮肉”**が必要なのだ。
周りの人々は「あれ? なんだか変なこと言ってない?」とクスリと笑い、
王子自身は「もしかしてバカにされてる?」と気づいて逆上する――そんなギリギリのラインを狙う。
「……集中しなくては。これは私の“最終兵器”になるかもしれない」
舞踏会前夜、私は机に向かい、紙とペンを握り締める。
かつて“奇妙なポエム”を披露して噂になった私だが、今回はむしろ「確信犯的」に変わった詩を紡ぐ必要がある。
あえて一晩かけて書き上げ、頭の中でメロディもざっくり考える。
翌朝、侍女のサラが部屋に入ってきた時、私はまるで徹夜明けの芸術家のように書き殴った紙を握りしめていた。
「お嬢様、その紙……まさか、王子殿下のための――」
「ええ、そうよ。
これが……きっと、彼を破談に追い込むための最終手段になるはず。
ちょっと挑発的すぎるかしら、と思う部分もあるけれど……覚悟はできてるわ」
サラは心配そうに私の手元を覗き込む。
そこには、所々に“ナルシスト”“鏡” “陶酔” “白鳥” “愚行” “大笑い”といった言葉が散りばめられている。
「お、お嬢様……このまま読み上げたら、さすがに殿下は激怒されるのでは……?」
「大丈夫よ。肝心の箇所はオブラートに包むように表現してあるから。
でも、殿下が少しでも詩の真意に気づけば、ここでは口にできないような怒りの言葉が飛び出してくるでしょうね」
私は自虐気味に微笑む。
無論、このやり方は危険だ。
だが、私はもう後戻りできない。
――この勝負、受けて立つしかないのだ。
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