政略結婚の末に愛されたヒロインは、やがて世界を変える

鍛高譚

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第4章 ざまぁの逆転劇

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 しかし、この逆転劇にはさらに深い陰謀が隠されていた。伯爵家が公爵家に支援を求める背景には、ただの財政難以上の事情があった。エルデ伯爵家の一部の者たちは、公爵家の権力を利用し、自らの利益を追求するための策略を企てていたのだ。  
 レクシアがこの事実に気づいたのは、公爵家と伯爵家の協力関係が一時的に安定したかのように見えた矢先だった。  
「オルディス、少し話があるわ」  
「はい、奥様。どうされましたか?」  
「実は、伯爵家の中で何かおかしな点がないか、調べてもらえますか? 私たちの協力関係が本当に良好なものかどうか、もっと深く確認したいの」  
 オルディスは驚いた表情を浮かべつつも、すぐに理解を示した。  
「かしこまりました。細心の注意を払いながら調査いたします」  
 そう言うと、オルディスはすぐに動き出し、レクシアはその姿を見送った。  
 数日後、レクシアは公爵家の書庫に戻り、ダリオンと再び会話をする機会を得た。  
「最近、エルデ家の動きについて少し調査を始めたの。何か気になることはないかしら」  
「……ああ、気になる点がある。エルデ家の中でも、特定の者たちが公爵家の提案を利用して、自分たちの地位を上げようとしているようだ」  
 ダリオンは冷静に語り始めた。  
「具体的には、彼らが公爵家の資源を使って私たちの領地に対して影響力を拡大しようとしている。公爵家に支援を依頼することで、彼らは公爵家に対する忠誠心を強め、自らの地位を確立しようとしているのだ」  
「それは危険な動きですね。公爵家の資源を悪用すれば、私たちの領地も危険に晒されるかもしれません」  
「そうだ。だからこそ、私たちは慎重に対処する必要がある。エルデ家内での権力争いが表面化する前に、対策を講じるべきだ」  
 レクシアはその言葉に強く頷いた。  
「具体的には、どうすれば……」  
「まずは、エルデ家の上層部に対して、私たちの支援がどのように利用されているかを明確にする必要がある。そして、必要であれば、エルデ家の内部改革を提案する。公爵家としての立場を守るためにも、彼らが公正な方法で資源を利用することを確保しなければならない」  
 ダリオンの提案は、冷静で計画的だった。レクシアは彼の策略眼に感銘を受けつつも、同時に自分の役割を自覚した。  
「私も、エルデ家の人々と話をしてみます。信頼を得ることが先決ですわね」  
「そうだ。君が実家と公爵家の架け橋となることで、信頼関係を築くことができる」  
 その言葉に、レクシアは勇気をもらった。自分の力で状況を打開するための第一歩を踏み出す時が来たのだ。  
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