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18話
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王宮の舞踏会のあとで
王宮で催された大規模な舞踏会から二日が経った。
あの夜、わたし、エマール・グランツは、正式に「公爵夫人」として王宮デビューを果たした。国賓の来訪や周囲の貴族との挨拶も滞りなくこなし、見た目上は何の問題もなく舞踏会を終えた――はずだった。
けれど、あの場で再会したカトリーヌ・ヴェルナールが、わたしの胸にまたしても黒い影を落とした。
彼女はレオンの“かつての婚約候補”と噂される伯爵令嬢。これまで何度か社交の場で顔を合わせているが、そのたびに**「冷徹な公爵に愛されない可哀想な公爵夫人」**という扱いを受け、いらぬ憶測をふりまかれている。
今や周囲でも“わたしはレオンに冷遇されている”という噂が流れており、しかもカトリーヌ本人がその噂に拍車をかけているフシがある。
それを意識してか、レオンは最近、ますますわたしに気を遣うようになったように見えた。――けれど、それが逆にわたしの心をざわつかせる。
もともと“干渉しない”はずの白い結婚なのに、彼はどうしてここまでわたしを意識するのだろう。もしかして、噂を打ち消すための“演技”なのか。それとも――。
これまでは気にしないつもりでいた“周囲の視線”が、いつの間にかわたしの心を蝕みつつある。
あの日から、わたしたちの関係には小さな亀裂のようなものが入り始めていた。
王宮で催された大規模な舞踏会から二日が経った。
あの夜、わたし、エマール・グランツは、正式に「公爵夫人」として王宮デビューを果たした。国賓の来訪や周囲の貴族との挨拶も滞りなくこなし、見た目上は何の問題もなく舞踏会を終えた――はずだった。
けれど、あの場で再会したカトリーヌ・ヴェルナールが、わたしの胸にまたしても黒い影を落とした。
彼女はレオンの“かつての婚約候補”と噂される伯爵令嬢。これまで何度か社交の場で顔を合わせているが、そのたびに**「冷徹な公爵に愛されない可哀想な公爵夫人」**という扱いを受け、いらぬ憶測をふりまかれている。
今や周囲でも“わたしはレオンに冷遇されている”という噂が流れており、しかもカトリーヌ本人がその噂に拍車をかけているフシがある。
それを意識してか、レオンは最近、ますますわたしに気を遣うようになったように見えた。――けれど、それが逆にわたしの心をざわつかせる。
もともと“干渉しない”はずの白い結婚なのに、彼はどうしてここまでわたしを意識するのだろう。もしかして、噂を打ち消すための“演技”なのか。それとも――。
これまでは気にしないつもりでいた“周囲の視線”が、いつの間にかわたしの心を蝕みつつある。
あの日から、わたしたちの関係には小さな亀裂のようなものが入り始めていた。
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