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第24話 婚約破棄違約金
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第24話 婚約破棄違約金
王宮の会議室。
長い机の中央に、三人が座っていた。
国王オズヴァルト三世。
王太子ユリウス。
そして――
アルヴェーン公爵。
公爵は落ち着いた表情で座っている。
まるで雑談でもしに来たかのようだった。
だが。
会議室の空気は重い。
最初に口を開いたのは国王だった。
「アルヴェーン公爵」
公爵は軽く頭を下げる。
「陛下」
国王は続ける。
「今日は何用だ」
公爵は穏やかに答えた。
「簡単な用件です」
そして一枚の書類を机に置く。
静かな音。
「婚約破棄に関する件です」
ユリウスは眉をひそめた。
「何だそれは」
公爵はゆっくり言う。
「殿下が」
「舞踏会にて」
「私の娘との婚約を破棄されました」
ユリウスは言った。
「だから何だ」
公爵は答える。
「契約です」
沈黙。
公爵は書類を指で押さえる。
「王家と公爵家の婚約は」
「国家契約」
「外交契約」
「家門契約」
三重契約です」
ユリウスは苛立つ。
「そんなもの知らん」
公爵は微笑んだ。
「殿下は署名しておられます」
ユリウスは黙った。
公爵は続ける。
「契約破棄には」
「違約金が発生します」
沈黙。
国王が低く聞いた。
「……いくらだ」
公爵は答えた。
「三つあります」
指を一本立てる。
「第一」
「王家から公爵家への違約金」
指を二本。
「第二」
「王宮儀礼費の補填」
指を三本。
「第三」
「宰相解任による契約違反」
沈黙。
ユリウスは言った。
「宰相?」
公爵は静かに言う。
「殿下は」
「宰相も解任されました」
「契約には」
「宰相職の保証が含まれております」
国王は目を閉じた。
理解していた。
完全な契約だった。
ユリウスは苛立つ。
「だから何だ」
公爵は言った。
「合計金額です」
そして書類を滑らせた。
ユリウスはそれを見る。
沈黙。
次の瞬間。
ユリウスは叫んだ。
「ふざけるな!」
「こんな金額!」
公爵は穏やかに言う。
「正確な金額です」
国王が静かに聞く。
「支払えぬ場合は」
公爵は答える。
「契約違反です」
沈黙。
ユリウスは怒鳴った。
「払う必要などない!」
公爵は微笑んだ。
「もちろん」
「殿下の自由です」
そして静かに言う。
「ですが」
「王家の信用は失われます」
沈黙。
公爵はさらに続けた。
「外交」
「商人」
「貴族」
「教会」
「すべて契約で動いています」
そして一言。
「王家が契約を守らないなら」
「誰も王家を信用しません」
会議室は静まり返った。
ユリウスは怒っていた。
だが。
国王には分かっていた。
これは。
ただの請求ではない。
王家の信用を突く攻撃だった。
そして。
アルヴェーン公爵はまだ。
本題を出していない。
王宮の会議室。
長い机の中央に、三人が座っていた。
国王オズヴァルト三世。
王太子ユリウス。
そして――
アルヴェーン公爵。
公爵は落ち着いた表情で座っている。
まるで雑談でもしに来たかのようだった。
だが。
会議室の空気は重い。
最初に口を開いたのは国王だった。
「アルヴェーン公爵」
公爵は軽く頭を下げる。
「陛下」
国王は続ける。
「今日は何用だ」
公爵は穏やかに答えた。
「簡単な用件です」
そして一枚の書類を机に置く。
静かな音。
「婚約破棄に関する件です」
ユリウスは眉をひそめた。
「何だそれは」
公爵はゆっくり言う。
「殿下が」
「舞踏会にて」
「私の娘との婚約を破棄されました」
ユリウスは言った。
「だから何だ」
公爵は答える。
「契約です」
沈黙。
公爵は書類を指で押さえる。
「王家と公爵家の婚約は」
「国家契約」
「外交契約」
「家門契約」
三重契約です」
ユリウスは苛立つ。
「そんなもの知らん」
公爵は微笑んだ。
「殿下は署名しておられます」
ユリウスは黙った。
公爵は続ける。
「契約破棄には」
「違約金が発生します」
沈黙。
国王が低く聞いた。
「……いくらだ」
公爵は答えた。
「三つあります」
指を一本立てる。
「第一」
「王家から公爵家への違約金」
指を二本。
「第二」
「王宮儀礼費の補填」
指を三本。
「第三」
「宰相解任による契約違反」
沈黙。
ユリウスは言った。
「宰相?」
公爵は静かに言う。
「殿下は」
「宰相も解任されました」
「契約には」
「宰相職の保証が含まれております」
国王は目を閉じた。
理解していた。
完全な契約だった。
ユリウスは苛立つ。
「だから何だ」
公爵は言った。
「合計金額です」
そして書類を滑らせた。
ユリウスはそれを見る。
沈黙。
次の瞬間。
ユリウスは叫んだ。
「ふざけるな!」
「こんな金額!」
公爵は穏やかに言う。
「正確な金額です」
国王が静かに聞く。
「支払えぬ場合は」
公爵は答える。
「契約違反です」
沈黙。
ユリウスは怒鳴った。
「払う必要などない!」
公爵は微笑んだ。
「もちろん」
「殿下の自由です」
そして静かに言う。
「ですが」
「王家の信用は失われます」
沈黙。
公爵はさらに続けた。
「外交」
「商人」
「貴族」
「教会」
「すべて契約で動いています」
そして一言。
「王家が契約を守らないなら」
「誰も王家を信用しません」
会議室は静まり返った。
ユリウスは怒っていた。
だが。
国王には分かっていた。
これは。
ただの請求ではない。
王家の信用を突く攻撃だった。
そして。
アルヴェーン公爵はまだ。
本題を出していない。
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