婚約破棄された幼い公爵令嬢、目覚めたら絶世の美女でした

鍛高譚

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第2章:陰謀の序曲と公爵令嬢の決意

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王宮の舞踏会場で衝撃的な「婚約破棄宣言」が行われた翌朝、エルフィンベルク公爵家の当主ルドルフ・エルフィンベルクは、いつにも増して早く執務室に姿を見せていた。公爵家の館は王都の中心部からやや離れた位置にあるが、それでも貴族の中では随一の広大な敷地を誇り、建物の格式も王宮に次ぐほどに重厚だ。そこに暮らす公爵一家はもちろんのこと、多数の使用人や侍女、そして顧問の学者や武官たちが出入りしている。

 執務室は、緋色の絨毯が敷かれた厳かな空間で、壁には歴代エルフィンベルク公爵の肖像画が掛けられている。奥の窓辺からは朝の陽光が射し込み、書類や帳簿が並ぶ大きな机の上に柔らかな光と影を落としていた。ルドルフ公爵は既に机に向かい、パイルのように積まれた書類に視線を落としているが、その表情には険しさがにじむ。

 その隣には、公爵夫人であるマリア・エルフィンベルクの姿があった。彼女は金糸を織り交ぜた上質なドレスを身につけているが、いつもの落ち着いた雰囲気とは打って変わって、その瞳には明らかな怒りの光が宿っている。さらに執務室の片隅には、シルフィーネが心を許す乳母のひとりであるフロランス夫人や、公爵家の法務顧問を務める初老の紳士ラグナル・ヴァイセラー、その助手の数名が待機していた。

 ――きっかけとなったのは、昨晩シルフィーネが受け取った手紙。差出人はライオネル・グラント本人であり、そこには婚約破棄に関する一方的な「条件」が並べ立てられていた。詳細を読めば読むほど、公爵家にとっては不当どころの話ではないほどの侮辱的内容である。まるで、シルフィーネの側に全責任があるかのように書かれている上、賠償金や持参金の放棄はもちろん、ライオネルが「精神的苦痛を受けた」として公爵家に大金を支払わせようと目論む条文まで添えられていた。


ルドルフ公爵はその書状を掴み、机の上に乱暴に叩きつける。深い紺色の瞳に怒りが燃え上がっているのを、周囲の者たちははっきりと感じ取った。

「ふざけている……! こちらが婚約破棄を言い渡したわけでもないのに、まるでこっちが原因だとでも言わんばかりだ。娘を侮辱した上に、今度は賠償金を支払えとは……!」

 公爵夫人マリアも、かぶりを振る。普段の彼女であれば、どんな場面でも冷静さを失わない賢婦人だが、今回ばかりは激昂を押し隠せず、その声は震えていた。

「私たちがあの場で公に恥をかかされたというのに、なぜ向こうが被害者面をするのか……! しかも、噂によれば、ライオネルは王室の一部にも根回しをしているようです。王家の“仲介”という名目で、自分たちに有利な裁定を下させるつもりでしょう」

「確かに。やつは王族の甥という立場を悪用し、王宮の一部高官を買収でもしているのかもしれん。第一、グラント侯爵家がこれほど露骨な手を打つとは……以前はそこまで愚かな家柄でもないと思っていたが」

 ルドルフ公爵は大きく息をつき、額に手をやった。彼の頭の中には、さまざまな可能性と対策が巡っているはずだ。公爵家としての名誉を守るためには、下手に王家に喧嘩を売るような真似は避けたい。一方で、相手の言いなりになれば、公爵家の威信は地に落ちるだけではなく、シルフィーネ自身もこれから先ずっと“不名誉な婚約破棄をした女”のレッテルを貼られかねない。

 この問題は、単にライオネルとシルフィーネという「当事者同士」の衝突では済まない規模に発展していた。両家の名誉、そして国王からの信頼をも動かしかねない重大な政治問題でもある。

「……ラグナル顧問。あなたの見解はいかがでしょう。法的観点から見て、あの書状の内容は到底受け入れられるものではないと考えますが」

 ルドルフ公爵が向けた問いに、白髪混じりの髪を短く整えたラグナル・ヴァイセラーは静かに頷く。彼は長くエルフィンベルク家の法律顧問を務めており、膨大な知識と経験を持つ。

「はい、公爵様のおっしゃる通りです。第一に、今回の婚約は“正式な契約”として両家間で書面を取り交わしておりましたね。その内容には、“破棄を申し出た側”が賠償金を支払う――と明記されております。これは慣習法としても一般的であり、我が国の貴族社会でも広く認められている規定です。従って、破棄を宣言したのはライオネル様、つまりグラント侯爵家の方である以上、本来はあちらが支払う義務を負う立場にあるはず」

「そうでしょうとも。むしろ、こちらが賠償を求める権利がある」

 公爵夫人マリアが厳しい口調で言葉を継ぐ。ラグナルは続けるように、咳払いを一つした。

「ところが、今回の書状はそれを逆手に取り、“実際はシルフィーネお嬢様の方が結婚を拒んだ”と主張しているようなのです。つまり“シルフィーネが『子供だから結婚できない』と言い出した”といった形で、事実を捻じ曲げようとしているのでしょう」

「……まったく、あの場に居合わせた貴族たちが、ライオネルの発言を聞いていたというのに」

 ルドルフ公爵は顔を顰め、再び机を軽く叩く。事実は王宮の大広間で多くの貴族が見ている。ライオネルが「子供っぽい女は嫌だ」と言い放ち、一方的に婚約破棄を宣言したのは周知の事実のはずだ。しかし、その貴族たちが素直に証言をしてくれるかどうかは別問題――何しろ、ライオネルは王族の甥。彼に近い立場の者たちからは、簡単に口を封じられる可能性もある。

「ライオネル様は、王家やその取り巻きの貴族たちに“シルフィーネ令嬢が自分で婚約を嫌がった”と吹き込んでいるのでは、と推測できますね。あるいは、シルフィーネお嬢様に“何らかの問題がある”と誹謗中傷している可能性もあります」

 ラグナルの言葉を受け、公爵夫人は不快感を露わにした。

「問題がある、ですって? 具体的にはどんな噂を流しているのかしら。まさか、“身体的に何か欠陥があって結婚が難しい”などと……」

「……そこまで悪質なデマが流れ始めるかもしれません。それこそ、シルフィーネお嬢様が“幼い外見から察するに、成人女性としての能力に問題がある”などと牽強付会なこじつけをする連中もいるでしょう。実際、貴族社会はそういう噂に敏感です」

 シルフィーネの母マリアは、その懸念に顔を曇らせた。娘のことを誰よりも案じている母親にとって、それは耐えがたい話だ。シルフィーネがどれほど品性と知性を兼ね備え、家庭を築くうえでも立派に役目を果たせる女性であるかなど、少し関われば誰でも分かるはず。それを“一方的なデマ”で貶められるなど、怒りしか感じない。

「しかも、あのアメリア・フォン・ローゼリックが背後で糸を引いている可能性が高い。彼女の実家は財政難と聞くが、このままうちとのトラブルを利用して金銭を得ようとしているのかもしれない」

 ルドルフ公爵の言葉に、マリアもうなずく。ローゼリック伯爵家は借金まみれだという話だが、最近になって妙に社交界で派手なパーティを開いたり、高価なドレスを新調したりしていると耳にする。おそらく、ライオネルが資金援助をしているのだろう。だが、それだけでなく、シルフィーネを貶めることで何らかの利益を狙っている線は捨てきれない。

「わたくしとしては、シルフィーネの婚約が破棄されるのは、もう仕方ないと受け止めています。あのような人と縁続きになることを思えば、むしろ清々する部分もありますから」

 マリアが言い放つと、ルドルフ公爵はほぼ同意の表情を見せる。そもそも、ライオネルの“本性”があのような形で露呈した以上、娘の将来を託すに値する相手ではない。むしろ、今の段階で破談になった方が娘にとっては幸いかもしれない――それが二人の共通見解だ。

「問題は、あちらがこの破談を利用して、われわれから金を毟り取り、さらにシルフィーネの評判を落とそうとしている点だ。そこは絶対に許せない」

「まったくですわ……。この件は、わたくしどもだけでなく、娘にも辛い思いをさせることになりますもの。あの子がこれから先、社交界で“子供すぎて婚約を破棄された女”などと揶揄されるのも目に見えております」

 マリアは唇を噛みしめる。母としては、娘の将来を守りたい一心だ。シルフィーネはまだ若いが、いずれはもっと成長して美しく、才気あふれる淑女になるだろう。その道を邪魔するような汚名を着せられるなんて、絶対に看過できない。

「……大丈夫ですよ。私は“子供だから結婚できない”なんて、ちっとも思っていませんから」

 そこへ、ひそやかな声が響いた。執務室の扉が少し開き、顔を出したのは当のシルフィーネ本人だった。いつも通り、淡い色合いのワンピースに身を包み、背中まで届く金の髪をきちんとまとめている。目は多少の疲れを感じさせるが、それでも凛として落ち着いた様子だ。

「シルフィーネ……休んでいなさいと言ったでしょう。まだ昨日の疲れもあるでしょうに」

 マリアが娘を気遣うように促すが、シルフィーネは微笑んで首を振った。

「ありがとう、母様。でも、私も当事者ですから。これ以上ライオネル様たちの好き勝手にされるわけにはいきません。父様と母様だけにお任せするのは申し訳ないので、私も一緒に対策を考えたいのです」

「……お前は、本当に強くなったな」

 ルドルフ公爵は娘の姿に目を細める。まだ十六歳という若さで、子供っぽいと馬鹿にされる外見かもしれない。それでも、その内面には確かな意志と知性が宿っている。あの王宮の大広間で、ライオネルの無礼千万な振る舞いを冷静に受け返した姿は、多くの貴族が高く評価していたと聞く。

 シルフィーネはお辞儀をしてから、ラグナルやフロランス夫人にも視線を送り、にこやかに挨拶をした。フロランス夫人は「お嬢様……ご無理はなさらないで」と心配そうにしているが、シルフィーネは穏やかな微笑みで応じる。

「ありがとう、フロランス。大丈夫よ。とにかく今は、ライオネル様たちの仕掛けを正面から受け止めるしかないわ。まずは向こうがどう動くのかを見極めて……それに対抗する準備をする」

「そうですね。……昨日の書状の内容を考えると、間違いなく相手は王家の仲介を利用して、シルフィーネお嬢様に“不利な条件”を押し付けようとしているでしょう」

 ラグナルはそう言いながら、書状のコピーを開いてみせた。中央には「グラント侯爵家は、王家の公正なる判断を仰ぎたい」といった文言が並んでいる。しかし、“公正なる判断”と謳いながらも、事実上はライオネル側に有利になるよう仕向けられているのは明らかだ。

「ならば、私たちも王家に正式に掛け合うべきだろうな。陛下のお耳に直接入る形で、真実を報告する必要がある」

 ルドルフ公爵はそう断言し、机の上の書類を手に取る。すでに、彼は王家内で信頼できる高官数名に連絡を取り、非常手段を講じる可能性まで含めて検討を始めていた。だが、ライオネルは国王の甥という立場を持っているゆえ、下手に動くと「王族への反逆」と捉えられる危険がある。そこが難しいところだ。

「ただし、私たちだけの力では王家の判断を左右するのは難しいでしょう。グラント侯爵家には、同族として助力する王族や貴族が少なからずいると聞きます。対抗するには、こちらも彼らの“陰謀”を暴くような材料が必要かもしれません」

 ラグナルの指摘は尤もだ。エルフィンベルク公爵家とて、王家とは深い繋がりを持つが、ライオネルが“王族の血筋”を誇示するのは大きな脅威となる。なにより、国王が事なかれ主義で、もし「両家の折衷案」を取ろうとしたとき、相手の工作次第では公爵家に理不尽な負担を強いられる可能性がある。

 シルフィーネは、机の端に並べられた書類や資料に目を通しながら、何かを思い出すように口を開いた。

「……そういえば、ローゼリック伯爵家の借金については詳しく調べられないでしょうか。アメリア様の実家が相当厳しい財政状況にあるという話は聞いたことがあるんです。でも、いつの間にか社交界で贅沢をしているという噂もある。そこにライオネル様やグラント侯爵家が絡んでいるのなら、何らかの不正行為があるかもしれません」

 それは、シルフィーネが昨夜、考えながら眠りについた時に思い浮かんだ仮説だ。もしローゼリック伯爵家が借金を抱えているのに、急に資金を潤沢に使えるようになったのだとすれば、その金はどこから来たのか。単純にライオネルが自腹を切っただけではなく、別の方法で工面している可能性がある――例えば、国や貴族たちの資金を横領したり、不正な取引によって得た金だったり。

「なるほど。もし、それが違法なルートを通じて得た資金であるならば、彼らを一網打尽にする糸口になるかもしれませんね」

「ええ。アメリア様が私を強く恨んでいるように思えるのも、理由があるはず……。ただの恋愛感情のもつれというよりは、ローゼリック家が生き残るために、私を排除する必要があったのかもしれません」

 こうして話していると、シルフィーネはあの夜の出来事――すなわち、アメリアに階段から突き落とされて意識不明の重体になった“未来”を思い返す。もっとも、今はその未来へ直接結びつく展開ではないものの、彼女の悪意は確かに感じられる。冷静に見れば、アメリアには「シルフィーネが邪魔」というはっきりした動機があるのだ。

「私が昨日、アメリア様に挑発を受けた時の表情……あれは、単に私を見下しているというだけじゃなく、本当に“邪魔者を排除してやる”という意思を感じました。もし彼女が、ライオネル様と組んで更なる陰謀を巡らせているなら、こちらも警戒を怠ってはならないと思います」

 シルフィーネはそう結論づけると、公爵夫人マリアも同じ考えを示す。

「仰る通りね。あの女性は自尊心が強く、非常に嫉妬深い。ライオネルと結婚できる見込みが出た今、余計に警戒した方がいいでしょう。……とにかく、まずはライオネルから送られてきた書状への正式な回答を作りましょう。そして同時に、ローゼリック伯爵家の財政や関連の動きを洗いざらい調べる。ラグナル、手配をお願いできますか?」

「承知いたしました、公爵夫人。できる限り迅速に調査を進め、証拠になりそうなものがあれば押さえます。公爵様の威光をもってすれば、ある程度の記録や情報は入手できるはずです」

 ラグナルは恭しく一礼し、部下たちとともに執務室を後にする。これで、エルフィンベルク家は本格的に対策を打ち出すことになるだろう。まだどのような証拠が出てくるか分からないが、何もしないでいるよりは遥かにましだ。
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