白い結婚のはずが、騎士様の独占欲が強すぎます! すれ違いから始まる溺愛逆転劇

鍛高譚

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第37話 儀式前夜 リオナの不安と…ついにカイルの告白寸前

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第37話 儀式前夜 リオナの不安と…ついにカイルの告白寸前

儀式前日の夜。
王宮の訓練室はすでに閉まり、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。

リオナは自室の机に向かい、祝詞の紙をじっと見つめていた。
練習では覚えられたはずの言葉が、プレッシャーのせいか、胸の中でぐるぐると乱れている。

「……うぅ。あした、本当に大丈夫かなぁ…」

ベッドに倒れ込み、枕をぎゅっと抱えてうずくまる。

成功する自信がないわけではない。
でも、それ以上に緊張が勝ってしまう。

(本番で噛んだり、間違えたりしたら…どうしよう…)

そう思うだけで胃が痛くなる。

そのとき、そっとドアをノックする音がした。

「リオナ。起きてるか?」

聞き慣れた優しい声に、胸が跳ねる。

「カイル…どうぞ」

扉が開き、カイルが入ってきた。

鎧は脱ぎ、ラフなシャツ姿。
いつもより柔らかな印象で、リオナの心臓はまた跳ね上がる。

「顔色が良くないな。大丈夫か?」

カイルはベッドの横に腰を下ろし、リオナの額に手を伸ばす。

「熱はないようだが…緊張してるんだな」

「……うん。ちょっとだけ」

リオナは顔を伏せる。

カイルは微笑みながら、彼女の隣に座りなおした。

「緊張するのは当然だ。けれどな、リオナ」

声が、さっきよりずっと優しい。

「君は、よく頑張った」

その言葉だけで、泣きそうになった。

「でも…本番はもっと人がいるし…私、失敗しちゃうかも…」

リオナは枕を抱えたまま、縮こまるように言った。

カイルはゆっくり首を振る。

「大丈夫だ。失敗してもいい。間違ってもいい」

「え…?」

「リオナが真面目に向き合ったのを、俺も陛下も知ってる。
大事なのは完璧さじゃない。君がそこに立つことなんだ」

リオナの胸がじんと熱くなる。

カイルは続ける。

「それに、明日は俺がすぐ近くにいる。
何かあったら、支える」

「……ありがとう」

自然と涙が滲んだ。

それを見たカイルはそっとリオナの手に触れた。

手が触れた瞬間――
リオナの心臓は一瞬で跳ね上がる。

あたたかい。
でも、熱い。
心の奥がぎゅっと締めつけられる。

(これって…やっぱり…)

恋?

そう思った瞬間、顔が真っ赤になってしまった。

カイルはそんなリオナの変化に気づき、息をのむ。

「リオナ。少し話があるんだ」

「え…?」

カイルは手を離さず、真剣な表情で続ける。

「ずっと言いたかったことがある。
儀式が終わったら言おうと思っていたけれど…
今言わなければ後悔しそうだ」

胸が高鳴った。
息が止まりそう。

「リオナ。君のことを――」

その瞬間。

ドンドンッ!

勢いよくドアが叩かれた。

「リオナ嬢! 明日の準備資料を届けに来ました!」

レアナ侍女長の声が響き、
二人は同時に固まった。

「……」

「……」

バチン、と二人の心の中で何かが切れた。

カイルは頭を抱え小さくうめく。

「なぜ…今なんだ…!」

リオナは顔を真っ赤にしたまま、枕に全力で埋もれた。

「レアナさん…タイミングがぁぁ…!」

仕方なく、カイルは立ち上がる。

「リオナ。続きは必ず言う。だから…」

「……うん」

リオナは小さく頷いた。
その頬は熱を帯び、胸はまだ高鳴っている。

カイルは扉の前で振り返り、静かに言った。

「明日、俺のそばにいろ。必ず支えるから」

「……うん!」

ドアが開き、レアナが分厚い書類を抱えて入ってくる。

「資料のお届けに――あら? どうしました、お二人とも顔が赤いですが?」

「なんでもありません!」「なんでもありません!」

二人の声は見事に揃った。

レアナは首を傾げながら書類を置く。

リオナは枕を抱きしめ、心の中で叫ぶ。

(どうしよう…カイルの言葉…続きが…気になりすぎる…!)

そして、儀式前夜は
告白寸前のまま幕を閉じた。


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