推しにも彼にも私にも

othtk

文字の大きさ
13 / 15

12

しおりを挟む
「あの、タ……店長さんの、おすすめのお酒はどれですか?」
「種類は何がいいですか? 好みの味は?」

 あの騒動以来、倉間酒店にはやはり多くの人々がやって来た。しかし、あの日この場所へ詰めかけたファンたちにタキくんの真意が伝わったからなのか、明らかにタキくんのファンであろう子たちも、大騒ぎすることなくきちんとお酒を買いに来ている。
 どうやらあの後に、タキくんの言葉を聞いた子たちがSNSで「今の彼の迷惑にならないように」という呼びかけをしていたみたいだ。
 それでもたまに、「一緒に写真を」なんて言い出す子たちもいる。そんなときにはタキくんは、にこりと笑いながら「そういうのなし」と線を引くということを徹底していた。

 今日も午前中から、若い女性のお客さんの姿が目立つ。よほどタキくんに会いたかったのだろう。明らかに未成年と思える女の子たちが来たときには、タキくんは「成人したらまたどうぞ」と店内へ入れることをしなかった。

「娘。さっきからそうじの手が止まってるわよ」
「ヒィィッ!」

 突然耳元で低音ボイスのささやきが揺れ、わたしはびくりと肩を揺らす。店の前の掃き掃除をしたいたのだが、店内の様子が気になってそちらに意識が行ってしまっていたらしい。
 ジョーさんは「ふん」と鼻を鳴らしながら顔を離すと、わたしの視線を追ってにやにやと笑う。

「娘あれでしょ、恋したんでしょ」
「コッ…………!!」

 足を組みながら腰に手を当てるジョーさんは、立ち姿だけは立派なモデルみたいに見える。ちなみに本日のスパッツは、レオパード柄だ。

「こないだのファイヤーパフォーマンス、よかったわあ。熱く燃え上がる恋心!ってカンジで!」

 茶化すように両手を広げたジョーさんにジョーさんに、わたしの顔は一気に熱を持つ。

「そ! そんなんじゃないですってば!」
「まあ、あんたの想いなんてダダ洩れだけど」

 そう言われてしまい、なにも言い返せなかった。自分でも気づいたばかりの気持ちを、ジョーさんに見抜かれていただなんて。

「推しとして、じゃないんでしょ」

 少し柔らかさを含んだジョーさんの声に、わたしはゆっくりと頷く。
 きっと多分、ジョーさんに隠し事をするのは無理だ。ジョーさんはタキくんのことを本当によく気にかけていて、そしてよく見ている。それだけタキくんの近くにいる彼が、お店に出入りしているわたしの気持ちに気付かないわけがないのだ。

「今のタキくんのことを、好き……になったんです」

 好き。その二文字は、自分で口にするとひどく照れくさく恥ずかしい響きをもって鼓膜を揺らす。
 彼がアイドルをしていた頃には、散々大きな声で「だいすき~っ!」なんて叫んでいたというのに、その種類が違うだけでこれほどに響きが異なるとは。

 最初は純粋に、自分の推しであるタキくんの力になりたいと思った。変わり果ててしまったタキくんに、本来のきらきらした姿を取り戻してほしいと願った。
 だけど一緒に時間を重ねていく中で、今の姿こそが、本当のタキくんなのだと知っていったのだ。

 アイドルなんかしてなくていい。キラキラとステージの上で輝いていなくていい。いつでも笑顔で優しい、完璧な彼じゃなくていい。

 楽しいときに笑って
 悲しいときに泣いて
 腹が立ったら怒って
 嬉しいときにはくしゃくしゃに笑う

 ──そんな、タキくんがいい。

「ありがとうございましたー」

 お客さんを送り出したタキくんは、表にいるわたしたちに笑いかける。

「おなかすかない? アイスでも食おうよ」







 恋愛には、ステップというものがある。まずは出会い、恋が芽生え、お付き合いがスタートし、絆を深める。というものだと思うのだけど、この〝お付き合いがスタート〟というところが非常に難しい。

「推しに恋かぁ~。字面だけ見ると、なかなかきついね」
「だから~! 元推し! いまはお手伝い先の店長さん! 一般人だもん!」

 今日は、第一志望から内定をもらった芽衣のお祝い会だ。とは言っても、ふたりでわたしのバイト先に来ているだけなんだけど。
 ゴーヤーチャンプルーのゴーヤを齧りながら、芽衣はニヤニヤと楽しそうにしている。

「推しに人生をかけてる間は、一生彼氏なんてできないと思ってたけど……いやぁーついにかぁー感慨深い!」
「ついにって! 別に付き合ってるわけじゃないし!」

 ちょっと声が大きいよ!とたしなめれば、案の定耳ざとく聞きつけた璃々ちゃんが飛んできた。注文で呼んだわけでもないし、ドリンクを頼んだわけでもないにも関わらず。

「えっ! 一花さんついにゲットしたんですか⁉」
「いやいやまだそうじゃなくって……っていうか、ついにって何⁉」
「一花さんが倉間さんのこと好きだなんて、みんなとっくに気付いてますよ」

 ねー?と顔を見合わせてにっこりと笑う、芽衣と璃々ちゃん。

「え……、え……⁉ なんで⁉ いつから⁉」
「なんでって、恋する女の顔してましたもん」
「いつ⁉」
「う~んと、いつも?」
「まさか……みんな気付いてるの? その……タ、タキくん……も?」

 璃々ちゃんは人差し指をピンク色の唇の前にぴょんと立て、「んー」と瞳を左右へきょろきょろさせる。これは璃々ちゃんがみんなから「かわいい」と言われるとっておきのポーズなのだが、彼女がこの行動を取るのは男女問わずというのが、璃々ちゃんが誰からも愛される理由のひとつだった。

「倉間さんは、鈍そうなんで気付いてないんじゃないですかねぇ」

 鈍そう⁉ あのスーパーイケメンのタキくんが⁉

「璃々ちゃん……。知ってると思うけどタキくんは、とてつもない大人気アイドルだったんだよ? 女の子という女の子たちから愛されてきた経験を持つ男性なんだよ?」

 そんなタキくんが〝鈍い〟なんて、ありえないじゃないか。

「もう、一花さんは色眼鏡で倉間さんのこと見過ぎですよ。あの人、ぬぼーっとしてて天然そうじゃないですか。多分、恋愛とかもほとんどしたことないと思いますよ」

 大学一年生の璃々ちゃんにそこまで言われてしまうタキくんを不憫に思う一方で、まだ自分の気持ちを彼に知られていないという事実に、わたしは小さく胸を撫でおろした。

 それにしても、みんなはどうやって恋愛をやっているのだろう。わたしなんて、こうして自分の恋心を自覚したものの、ここから先どうすればいいのか見当もつかない。
 第一、相手はあのタキくんだ。同級生なわけでもないし、バイト仲間なわけでもない。友達なわけでもなければ、もちろんそれ以上な関係でもない。
 そんな相手に恋心を抱いたわたしは、どうしたらいいのだろう。

「それにしても、第一志望から内定なんてすごいじゃん。さすが芽衣だね」

 璃々ちゃんはドリンクの注文に呼ばれ、奥の席へと向かっていった。しばし静寂を取り戻した席で、わたしは話題をするりと変えた。
 芽衣は去年からその会社に、インターンシップをしに行っていた。大きな広告代理店で、インターンに行ったからといって採用に有利になるわけではない。だからこそ、彼女が内定を掴んだのは本当にすごいことだ。

「まあ、ほっとはしてるけどね。これで春からも、やらなきゃいけないことがあるーって」
 
 そんな芽衣の言葉に、わたしは首を傾げた。内定がもらえてほっとするというのは分かる。だけど、後半の意味がよくつかめなかった。
 そんな感情を読み取ったのか、芽衣は困ったように笑う。それから白状するように、首をすくめてから言葉を続けた。

「わたしね、自分で決めてなにかをするのがすっごく苦手なの。学校に通っているうちは、やらなきゃいけないことが明確になってるじゃない? だけど、もし大学を卒業するまでに次に行く場所が決まってなかったら、わたしは途方に暮れるだけだったと思うのよ」

 それは今まで一緒にいて初めて聞く、芽衣の心の奥の部分。

「就職さえすれば、そこで仕事っていう自分の役割が与えられるじゃない。その中でなら、一生懸命考えて、取捨選択して動くことができる。だからあえて、忙しいって言われている広告業界を目指したんだ」

 どんなことにも前向きで、すぐに行動できる芽衣を、わたしはすごいと思ってきた。彼女はそういう性格だからできるのだと、思い込んできた。だけど芽衣には芽衣なりの苦悩や不安があって、それと向き合うためにいつも行動に移してきたのだ。

「芽衣、すごい……。自分のこと、ちゃんと理解してるんだね」

 そんな親友のことを、さらに好きになる。もっともっと、素敵だなと思う。しかし芽衣は、「すごいのは一花だよ」と笑った。

「自分が本当にやりたいことを見つけられるって、すごいことだよ。確かに一花の作るお菓子、本当においしいもん。きっとさ、そういうのって作った人の心がそのまま表れるんだよ。一花のお菓子は、たくさんの人を笑顔にするんじゃないかなぁ」

 親友の心からの言葉に、目頭が熱くなる。
 今までもバレンタインや誕生日に、芽衣にお菓子をあげたことがある。あのときは、芽衣のことだけを考えて作った。よく、料理の最大の隠し味は愛情だと聞くけれど、お菓子作りにも同じことが言えるだろう。

「いつか……自分のお店持ちたいなぁ……」

 お菓子職人になりたいという夢を見つけたわたしの、もうひとつの大きな夢。まだ学んでもいないくせに大きなことを、と怒られちゃうかもしれないけれど、夢はでっかく、だ。

「小さくていいから、あたたかいお店にしたい。おいしいお菓子を食べて、みんなが笑顔になって。お客さん同士も楽しく会話ができたり、そうやってどんどん人の輪が広がっていくような──」

 自分で口にしていて、ふと瞼の裏に倉間酒店が浮かぶ。真っ暗でさびれた路地に、ひとつだけぽつんとあった、おんぼろ酒店。そこから輪が広がり縁が生まれ、今あの路地には朗らかな笑い声がいつも溢れている。

「わたしもいつか、あの路地にお店を出せるかな」

 タキくんがいて、ジョーさんがいて、店長や料理長がいて、黒沢たちのいるあの場所に──わたしも自分の居場所を、いつかこの手で作ることができるだろうか。



 ゴンゴンッと、閉じられたガラス戸をノックする。時刻は深夜零時。閉店まで沖縄料理屋で飲んだくれたわたしたちは、酔った勢いのまま倉間酒店の扉を叩いたのだ。

「いらっしゃ──って、一花ちゃん」
「と、一花の親友の芽衣でーっす!」

 ヒック、とお酒でしゃくりあげた芽衣を見て、わたしが横でケタケタと笑う。芽衣はまだ一度も、このお店に来たことがなかった。いつもわたしの話を聞くばかりで、「タキくんに会わせろ~!」と大騒ぎしたのでこうして連れてきたのである。

「タキくん、すみましぇん。ちょっと親友と、遊びにきちゃいましたぁ~」

 えへへっと頭を掻くと、タキくんはぷっと吹き出して笑う。

「ふたりとも、出来あがってるね。さ、上がって」

 そこから不思議な組み合わせの飲み会がスタートした。バイト上がりの黒沢もなぜか合流し、それならばとジョーさんまでもが加わった。
 意外というかなんというか、ジョーさんと芽衣は初対面で意気投合。そしてジョーさんは、黒沢のことをとてつもなく気に入っていた。


「あーあ、みんな風邪ひかないといいけど」

 一番最初に、相当に酔っぱらっていた芽衣が落ちた。床に寝転がって、くうくうと小さな寝息を立て始めたのだ。次に船を漕ぎ始めたのは、バイト上がりで酒を飲んだ黒沢だ。「あたしには娘を見張る義務が」と言いながら必死に眠気と戦っていたジョーさんもつい先ほど、黒沢の上になだれかかるようにして意識を手放していたところだ。
 タキくんは自分の布団やタオルを、それぞれの背中へとかけていく。そんな光景をぼんやりと見つめながら、タキくんは本当に優しいなぁなどと顔が緩んでしまった。

「一花ちゃんも、今日はずいぶん飲んだね」

 小さなちゃぶ台を挟みわたしの正面へと腰を下ろしたタキくんは、グラスに残っていたジンジャーエールを喉に流し込む。タキくんが飲んでいるというだけで、そのジンジャーエールも特別なものに思えてくるから不思議だ。

 ふわふわと心地よい感覚が体を包む。タキくんがにこにこしているのが嬉しくて、わたしまでにこにことしてしまう。
 いつもなら恥ずかしくてじっと見られないタキくんの顔も、今日はいくらでも見ていられる。

「……あの、そんなに見られると照れるんだけど」
「ふへへっ、タキくんの顔ならずうーっと見てられますよぉ」 

 タキくんは照れると、耳が赤くなるんだ。今まで気付かなかった。新たなタキくんを発見した気分だ。
 目の色もグレーがかっていて、とっても綺麗。アイドルをしていたときは、たくさんの照明でキラキラ輝いてはいたけれど、本当の瞳の色までは見えなかったからなぁ。
 あ、首元にほくろがある。なんかかわいい。

「い、一花ちゃん、ちょっとマジで……」

 タキくんが横を向き口元を抑え、もう片方の手でわたしの視線を遮る。だからわたしは、目の前に出されたその手を両手でぎゅっと握ってずらした。
 ぽわりと感じる、彼のぬくもり。

「タキくん……」

 ああ、なんだかわたしも、眠たくなってきちゃった。
 もっともっと、タキくんのことを見ていたいのに。
 もっともっと、タキくんのことを独り占めしたいのに。

「だ い す き」

 ぼわぁんと大きな風船が、わたしを空へと連れていく。青く広がる空の上には、この路地で暮らすみんながそれぞれの風船に揺られながらにこにこ笑う。そんな中で、やっと見つけたタキくんは、なんでか顔まで真っ赤にしてる。

 愛おしくて、だいすきで。わたしは彼に両手を伸ばす。

 ──ねえタキくん、だいすきだよ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

処理中です...