泣いて許しを乞いなさいよ〜復讐代行〜

Ruhuna

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「ねえ、ディアナ。王太子ってどんな人なの?」


『よくわからないの。まともに話したのはいつだったかしら…』


薔薇の間に移って早3日目

ディアナになった私はベルトラ公爵家の屋敷の管理を行っていた


「相手の情報も大事だけど…うーん、不貞の証拠をどう集めるか悩むわ」

復讐のことを考えながらも手元はペンを持ち文字を連ねていく。
屋敷内で必要な物品や食材管理、それから使用人達への給金などやる事は意外と多い
だが私にとって、このぐらいの仕事量は検察官だったあの時に比べたら大したことはない


「それにしたって貴方の妹さんも中々やんちゃなのね。もう3日も帰ってきてないわよ?」

『ヴィオラは出かけたら4~5日は帰ってこないわよ。今頃王太子のところだと思うわ』


「貴族令嬢がそんなことしてもいいの?」

『…はしたない。と言われるわ』


はぁ、と大きなため息をつくディアナと同じく私もふぅと息を吐く

ここ3日で集めた情報に頭を悩ませていたのは事実だったからだ


そもそも、ディアナはベルトラ公爵家の長女にして王太子の婚約者だ
本来であれば王妃教育を行いつつ、婚約者である王太子との仲を深めていく筈だった


「それを物見ごとに妹さんが奪っていった感じなのね~」

王妃教育を受けているのはなぜか妹さん
王太子との仲を深めているのも妹さん

「いや、なんで誰も突っ込まないの?!おかしいでしょ!本人じゃなくて妹が王妃教育を受けてるのよ?」

『それは、私も思ってたけど…多分そこもヴィオラが上手く言ったんじゃないかしら?』

荒ぶる私の後ろをオロオロとディアナが彷徨う
はぁ~と長いため息をついた私の背中にそっと手を触れてきた


『ごめんなさい…私のせいよね』

「……引き受けたのは私の意思よ。気にしないで」

『ヒナ…』

私の言葉を聞いてディアナの大きな瞳には涙が溜まっていた

「こういうのは短期決戦よね。よし!頑張ろ!」

パシンと顔を両手で叩き、自分自身に喝をいれる
心配そうな表情のディアナにニコリと笑いかけ、ちりりんとベルを鳴らした




ーーー




「雨がすごいわね」


外は土砂降りの雨
綺麗に磨かれた窓ガラスから外を眺める


「お嬢様。ヴィオラお嬢様がお帰りになられました」

「ええ。ここから見えてたわ」

「お呼びいたしますか?」

「大丈夫よ。…どうせ幾分もしないうちにここに来るはずだから」



ーーー


「お姉さま。失礼致しますわ」


私の読み通り、10分もしないうちにディアナの妹さんヴィオラがやってきた


「あら、長らく帰ってこないからもう帰ってこないかと思ったわ」

「……は?あ、ええーと、お姉さまですよね?」


「ええ。ディアナ・ベルトラ。一応貴方の姉よ?」


やだ、どうしたのヴィオラったら。と言い、紅茶をコクリと一口飲む
私の態度に驚いているのか腹が立っているのかわからないが妹さんの口元がピクピクしている


「…メイド長はどこにいるのかしら?用があるんだけど」

「元メイド長ならもういないわ。…そうね、もう処刑された頃じゃないかしら?」

「処刑?!!」

私の言葉に驚きの表情を見せる妹さんをみて私の口角が持ち上がった


「どうして処刑なのですか?!」

「どうしてって、貴方が一番わかってるでしょう?元メイド長は牡丹の間を私物化していた上に私の品位維持費を横領してたのよ。処刑も致し方ないわよ」

かちゃりとソーサーにカップを置く
今まで見せたことのない態度に驚きが止まらない妹さんの手はドレスをぎゅっと握りしめていた



「あのメイド長が横領していたのですか…?それは残念ですね。」


巻き込まれたくないのかそうそうにメイド長を切り捨てた妹さんに心の中で苦笑する


それでは、失礼しますわ。と作り笑いを浮かべた妹さんはそそくさと部屋を後にした

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