泣いて許しを乞いなさいよ〜復讐代行〜

Ruhuna

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「セバス。ヴィオラはしばらく外出禁止よ。部屋からも必要最低限出さないように」

「はい。かしこまりました」

「それと、明日王宮に行くから色々と用意してくれるかしら」


「…王太子殿下に会いに行かれるのですか?」


セバスのその言葉に肯定の意味を表して笑顔を向ける
セバスはここ1週間の私の仕事ぶりをみて早々に信頼を寄せてくれるようになった


「現状確認をしてくるわ」

「現状確認ですか、」


「ええ。話もしてくるわ」


ディアナが幼い頃に習得したアルカイクスマイルを浮かべた




ーー





「王宮ってこんな感じなのね~」

『懐かしいわ。お母様がいた頃にはよく来ていたから』


太陽が真上に登っているよく晴れた次の日
私はディアナのお母さんのドレスをリメイクした艶やかなグリーン色のドレスを着て王宮の中へとやってきた


ディアナの話ではディアナのお母さんがまだ生きていた頃は、現王太后に可愛がられていたお母さんとともに王宮によく来ていたそうだ


「さあて、行きましょうかね」


『ねぇ、ヒナ。セバスたちは大丈夫かしら?」

「大丈夫よ。いくらヴィオラが口達者でもでは彼女の味方なんていないんだから」


不安そうな表情を浮かべるディアナに答えながらクスリと笑う

思い出すのは王宮につく30分前の出来事だった




ーー





「出して頂戴」

「ディアナお嬢様からの許可がおりておりません」

「…そしたらお姉様のところにいかせて」

「それは出来かねます」


王宮に向かうための馬車に乗るため自室となった薔薇の間から廊下を歩いていた時
妹さんの部屋から聞こえてきたのはそんな声だった


(「騎士はしっかりと仕事をしているみたいね」)


外に出たいと主張するヴィオラに屈することなく対応している騎士に感心する
そっと廊下の隅に隠れて2人からバレない位置で盗み聞きをする


「なぜ、私が外出を制限されなくてはいけないのかしら」

「ディアナお嬢様からの指示ですから」

「何も悪いことはしていないのにおかしいと思わない?」

「……無断で外出外泊することが悪いことではないとおっしゃるのですか?」


「なっ!」

「これ以上お話しすることはありません」


「ちょ、ちょっと!」


妹さんを無理矢理部屋の中へと誘導して扉をガチャンと閉めた騎士の顔は疲れ切っていた
おそらく何回もこのやりとりをしているのかもしれない
何か後で差し入れでも入れてあげるか、と決めて私は足取り軽く馬車へと向かった





ーーー



『ヴィオラのあんな顔初めてみたわ』

(「今までがおかしかったのよ」)


王宮の長い回廊を王太子の侍従に連れられて歩く
相変わらず心の中ではディアナとおしゃべりが止まらない


(「妹さんに加担していた使用人たちは綺麗さっぱりいなくなったし、好き勝手出来なくなったから溜まってるんじゃない?」)


『本当にヒナはすごいわ!』

尊敬しちゃうわ!とくるくる楽しそうにまわりながら浮いている彼女にちらりと視線を向ける


そんなディアナを見ながらもコツコツとあるいていると侍従が大きな扉の前に止まった


どうやらここが王太子の執務室らしい


背筋をピンと伸ばしてバレない程度に深呼吸をした私は静かに開かれた扉に足を踏み入れた



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