13 / 17
12
しおりを挟む「ディアナ。いよいよきたわ」
王太后に拝謁したあの日からちょうど1週間後
公爵家に届いた1通の手紙
王家の紋章が刻まれたその手紙をセバスから受け取りさっと目を通す
内容に満足した私はニヤリと笑った
ーーー
「ヴィオラ。王宮に行くわよ」
「お姉様?!」
「まあまあ。部屋がぐちゃぐちゃじゃない」
永らく訪れていなかった妹さんの部屋へとやってきた
ノックをしたが返事がなかったので扉を開けると物がぐちゃぐちゃに散乱した部屋の中に妹さんは呆然と座っていた
「早くここから出しなさいよ!!なんなの?!この私に楯突くなんてありえないわ!お仕置きしないと!鞭を、誰か鞭を持ってきなさい!!さあ!!今まで通り泣いて許しを乞いなさい!」
私の姿を見ると掴みかかる勢いで迫ってきた妹さんを騎士たちが取り押さえた
気が狂ったかのように言葉を発する妹さんにはぁ、と頭を抱える
『軽い軟禁状態だったからおかしくなっちゃったのかしら?!』
(「多分ね。」)
妹さんの代わりようにおろおろしているディアナの質問に簡単に答える
猫が威嚇するかのようにシャーシャーと喚く妹さんの視線に合わせて腰をかがめた
「今まで随分と好き勝手やってくれたみたいね。」
「!!!」
「私は直接手を出さないわ。貴方たちが勝手に自滅していくだけだもの」
「なにを…!!」
私の言うことに目を見開いて固まる妹さんにニコリと笑い、後ろに控えていたメイド達に声をかける
「王宮に行くから、この子を整えて頂戴」
ーーー
「ディアナ公女。ヴィオラ公女。お待ちしておりました」
馬車2台を使って私と妹さんは王宮へとやってきた
馬車を降りてすぐに出迎えてくれたのは王太后の侍女長だ
「すぐに謁見の間へ参りましょう」
「かしこまりました」
ディアナのお母さんが一番気に入っていた肌に馴染むベージュ色のシルクサテンで作られたAラインのドレスを身につけて来た
私の後ろから騎士に挟まれて歩いてくる妹さんは無難なピンク色のプリンセスラインのドレスだ
ドレスを捌きながらゆっくりと足を進める
貴族達が王族に拝謁するために作られた謁見の間にはいく分もしないうちに着いてしまった
「皆様が中でお待ちです」
侍従長の言葉に静かに頷いた
扉が厳かに開かれる
一歩一歩と足を前へと進める
「来たか」
「ベルトラ家長女、ディアナが国王陛下、王太后陛下、並びに王太子殿下へご挨拶申し上げます」
重厚な低い声が謁見の間に響く
最上級のカーテシーをし挨拶を行う
ゆっくりと頭を上げると真正面の玉座に国王陛下、そしてその横に王太后陛下、そして1段下がった場所にレスターがいた
チラリと横を見るとディアナの記憶にある顔よりも少し老けた顔をしたディアナのお父さんが驚いた顔でこちらを見ていた
「……その後ろにいる女は誰だ」
「あっ、ベルトラ、ベルトラ家次女、ヴィオラがご挨拶、申し上げます…」
髭を蓄えた大柄な国王にギロリと睨まれた妹さんは恐縮しながらも何とか挨拶を行った
チラリとレスターの顔を見るとその顔は血の気が引いた真っ青な顔だった
「余は回りくどいことは嫌いだ。単刀直入に要件を伝えよ」
髭をさすりながら私へと視線をむける国王陛下に頭を下げる
きっと王太后から話は聞いているだろうが、形式的なことは必要なのかもしれない
「はい。私、ディアナ・ベルトラは王太子、レスター・ルーニー様との婚約を解消して頂きたく存じます。」
「理由は?」
「はい。恐れ多くも、私の妹であるヴィオラ・ベルトラと王太子殿下は不貞を働いておりました」
国王の目を見て真っ直ぐ答える
誰かの息を呑む声が聞こえる
「お待ちください!一体どう言うことなのですか?!」
私の宣言に待ったをかけたのは隣にいたディアナのお父さんだった
14
あなたにおすすめの小説
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします
柊
ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。
マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。
それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。
※複数のサイトに投稿しております。
婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる