手順を踏んだ愛ならばよろしいと存じます

Ruhuna

文字の大きさ
2 / 6

2

しおりを挟む




ロレンシオの我儘は一部の貴族には知れ渡る事となってしまった
フェリシアナの元には心配という名の様子伺いの手紙が日に何通と届くようになった


「フェリシアナ。王太子殿下からお話がきた」


レデスマ侯爵家の晩餐の時間に当主である父から放たれた言葉にカトラリーを持つ手が止まる
心配そうに見つめる母に笑顔を返して父へと向き直る


「元老院には伝えてないようだが、両陛下と私には婚約解消の希望を伝えてきた。もちろんあちらの有責でだ。」

「当たり前です。フェリシアナに否は全くないのですから」


淡々と話す父に少しばかり感情的になっている母

「公妾の道は選択しないということですね」


フェリシアナも淡々と返す
どうやら父も公妾ではダメなのか。とロレンシオに提案はしていたようだ
だがそれを拒否したロレンシオに少なからず父も呆れている様子だった


「両陛下はなんと仰っておりましたか?」

「両陛下も頭を抱えていた。なんせこれまで品行方正だった殿下の我儘だからな」


王宮の中は騒然としているよ。と話す父に「なるほど。それで手紙が増えたのか」とフェリシアナは納得した


皆、気になっているのだ
我が国始まっての大スキャンダルが起こるのではないかと


「幸い、王子はロレンシオ殿下1人ではない。もし殿下が少しでも不誠実な行動を行えばすぐに廃嫡にすると両陛下より達があった」

父の言葉にフェリシアナは首を傾げる
不誠実な行動?それはすでに行っているではありませんか。と言いたい言葉をなんとか飲み込んだ
フェリシアナのそんな気持ちに気づいたのだろう
レデスマ侯爵は幼子に話しかけるように優しく説明を始めた


ーー



「つまり、現時点では殿下はサントス嬢と友人の範囲内で交流をされており、男女の仲ではない。ということですか」


「そうだ。フェリシアナに話したあの時に初めてその思いを告げられただけだ」


想いだけでは証拠にならない
行動を起こして初めて証拠として提出できるのだ、と父に言われフェリシアナは言葉をなくした


「あなた。ロレンシオ殿下が仮に廃嫡となった場合、フェリシアナはどうなりますの?」


それまで沈黙を貫いていた母の言葉にハッとする

「まだそこまでの話は出ていないが…おそらくアルマンド・カサレス大公殿下と新たに婚約を結ぶかもしれないな」


「カサレス大公殿下ですか…」


アルマンド・カサレス大公は現国王の年の離れた従兄弟であり年齢は今年30を迎えると聞いている

フェリシアナは王太子妃教育を終えた身
おいそれと貴族家に嫁がせることができなくなってしまっていたのだ



「まあそう心配することはない。王太子妃になるのはフェリシアナだ」


父のその言葉に一抹の不安を感じた





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そういう時代でございますから

Ruhuna
恋愛
私の婚約者が言ったのです 「これは真実の愛だ」ーーと。 そうでございますか。と返答した私は周りの皆さんに相談したのです。 その結果が、こうなってしまったのは、そうですね。 そういう時代でございますからーー *誤字脱字すみません *ゆるふわ設定です *辻褄合わない部分があるかもしれませんが暇つぶし程度で見ていただけると嬉しいです

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。
恋愛
 公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。 「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」  しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。 「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」  嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。    ※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。  またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。

妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。
恋愛
「すまないが僕は真実の愛に目覚めたんだ。ああげに愛しきは君の妹ただ一人だけなのさ」  公爵令嬢の主人公とその婚約者であるこの国の第一王子は、なんでも欲しがる妹によって関係を引き裂かれてしまう。  それだけでは飽き足らず、妹は王家主催の晩餐会で婚約破棄された姉を大勢の前で笑いものにさせようと計画するが、彼女は自分がそれまで周囲の人間から甘やかされていた本当の意味を知らなかった。  そして実はそれまで虐げられていた主人公こそがみんなから溺愛されており、晩餐会の現場で真実を知らされて立場が逆転した主人公は性格も見た目も醜い妹に決別を告げる――。  ※本作は過去に公開したことのある短編に修正を加えたものです。

私は人形ではありません

藍田ひびき
恋愛
伯爵令嬢アリシアには誰にも逆らわず、自分の意志を示さない。そのあまりにも大人しい様子から”人形姫”と揶揄され、頭の弱い令嬢と思われていた。 そんな彼女はダンスパーティの場でクライヴ・アシュリー侯爵令息から婚約破棄を告げられる。人形姫のことだ、大人しく従うだろう――そんな予想を裏切るように、彼女は告げる。「その婚約破棄、お受けすることはできません」 ※なろうにも投稿しています。 ※ 3/7 誤字修正しました。

学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った

mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。 学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい? 良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。 9話で完結

婚約破棄された令嬢のささやかな幸福

香木陽灯
恋愛
 田舎の伯爵令嬢アリシア・ローデンには婚約者がいた。  しかし婚約者とアリシアの妹が不貞を働き、子を身ごもったのだという。 「結婚は家同士の繋がり。二人が結ばれるなら私は身を引きましょう。どうぞお幸せに」  婚約破棄されたアリシアは潔く身を引くことにした。  婚約破棄という烙印が押された以上、もう結婚は出来ない。  ならば一人で生きていくだけ。  アリシアは王都の外れにある小さな家を買い、そこで暮らし始める。 「あぁ、最高……ここなら一人で自由に暮らせるわ!」  初めての一人暮らしを満喫するアリシア。  趣味だった刺繍で生計が立てられるようになった頃……。 「アリシア、頼むから戻って来てくれ! 俺と結婚してくれ……!」  何故か元婚約者がやってきて頭を下げたのだ。  しかし丁重にお断りした翌日、 「お姉様、お願いだから戻ってきてください! あいつの相手はお姉様じゃなきゃ無理です……!」  妹までもがやってくる始末。  しかしアリシアは微笑んで首を横に振るばかり。 「私はもう結婚する気も家に戻る気もありませんの。どうぞお幸せに」  家族や婚約者は知らないことだったが、実はアリシアは幸せな生活を送っていたのだった。

お飾りの妃なんて可哀想だと思ったら

mios
恋愛
妃を亡くした国王には愛妾が一人いる。 新しく迎えた若い王妃は、そんな愛妾に見向きもしない。

王太子の愚行

よーこ
恋愛
学園に入学してきたばかりの男爵令嬢がいる。 彼女は何人もの高位貴族子息たちを誑かし、手玉にとっているという。 婚約者を男爵令嬢に奪われた伯爵令嬢から相談を受けた公爵令嬢アリアンヌは、このまま放ってはおけないと自分の婚約者である王太子に男爵令嬢のことを相談することにした。 さて、男爵令嬢をどうするか。 王太子の判断は?

処理中です...