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その6
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「みなのものきけ!!私の婚約者であるマーガレット・ウィンザーはここにいるミア・フィリプスに数々の嫌がらせを行なってきた!その行いは未来の王妃としてあるまじき行動だ!よって、ナラード・アルティマのもとに貴様との婚約を破棄する!!」
いつ仕掛けてくるだろうか、と思っていたがまさかこんなにすぐ仕掛けてくるとは思っていなかったマーガレットは一瞬思考が停止した
しかも予想していなかった展開でますます混乱した
こんなにも貴族たちが集まっている中で行うとはナラードは生粋の目立ちたがり屋なのだろう
「ふん!だが貴様がどうしてもいうのなら、側室ぐら「承りましたわ」なんだと?!」
視界の端に近寄ってくる両親とソフィーを捉えたマーガレットはナラードの話をわざと遮って返事を行った
断られるとは思っていなかったのだろう、ナラードは目を開きその口元はパクパクしている
その間抜けな面にマーガレットはふっと笑った
「わ、私をバカにしたな?!許さん!!許さんぞ!!兵士!このものを捉えよ!不敬罪で死刑にしてやる!」
「まあ。怖い。ですが殿下にそのような権限がありまして?」
「ぐぬぬぬぬ!腹立たしいやつだ!おい、さっさと捕まえろ!何をぐずぐずしているんだ」
自分の命令で動かな兵士たちにナラードはどんどん苛立ちを隠せなくなってきた
「ナラード様。落ち着いてぇ。ナラード様は王子よ?国王様に頼めばいいのよ」
「そうか!そうだな!父上!今すぐこの女の首を跳ねて下さい!」
隣にいるミアからそう言われナラードは期待の眼差しで父、国王の方を見た
その国王は自分の息子がしでかした現場に唖然としていた
「マーガレットよ…なぜ婚約破棄を承諾できたのだ…?」
「まあ。気付いておりませんでしたの?もうとっくに『誓約』は解かれておりましてよ?」
「な、なぜだ?!『誓約』はそう簡単に解けれないはずだ!」
突然騒ぎ出す国王に会場にいる一部の貴族たちが慌て出す
なぜ国王が焦っているのか、なぜ公爵令嬢と王子の婚約破棄がなされたのか、なぜ、なぜ、なぜと疑問の波は会場を飲み込んだ
「国王陛下、いや、サガラードよ。500年続いた『誓約』はお前の愚息によって解かれた。これでウィンザーを拘束するものは無くなった」
父であるエルリックが国王もといサガラードに伝える
エルリックの言葉を聞きサガラードは玉座にしがみつきながら訴えた
「まて!待ってくれ!!そんなの嘘だ!!私が、私が国王だ!!」
「そんなの知りませんわ。「誓約』が解かれた今、あなた方は王族ではありません。」
サガラード、ナラード2人に視線をやりながらマーガレットは微笑む
ナラードはマーガレットの顔をまじまじと見つめたのはこれが初めてだった
「そんな顔をしていたのか」
「ええ。貴方から見せて欲しいと言われたことはありませんでしたから。わざわざ見せる必要もないでしょう?」
「その目」
「ふふ。素敵な目でしょ?アルティマでは紅は不吉とされておりますものね。なぜだかわかるかしら?」
「そんなの知るわけないだろう」
もっとよく顔を見せてくれ…そう言いながらルミリアに近づこうとするナラードをミアが叩いた
「ナラード様!!目を覚まして!その女に操られてるのよ!」
「…はっ!!俺は一体何を…?」
「あら。おしい。もう少しでしたのに」
紅い目が恐れられる理由
それは全てを操る力があると言われておりそれは遥か昔存在していた竜族のもつ特徴的な色彩だった
そのことを知るものはごく僅かであり近年ではその意味があやふやとなり紅は不吉な色としか伝わってこなかったのだ
「ナラード様を操るなんて不敬罪よ!!」
「残念ですがその人はもう王子ではありませんよ」
「はあ?なにいってんの?意味わかんない」
「まあ。この目のことをご存知でしたからてっきり知っているものかと」
「待てマーガレット、俺が王子ではないとはどういうことだ?」
「そのままの意味ですわ。お父様に確認してみては?」
マーガレットのその言葉にナラードは急いで父親のもとへ向かう
怯え切った父親の姿を見て驚くもののマーガレットの言葉の意味を知るのは父だと思いナラードは父であるサガラードに縋り付いた
「父上どういうことですか?!」
「あぁ…もう終わりだ…私の代で…終わってしまう!!あぁぁぁぁぁあ!!」
「父上!!父上!!」
「ナラード、貴様の、貴様のせいだ!!どうしてくれる!!貴様のせいでアルティマは終わってしまうのだぞ!!」
国が滅ぶ、その言葉を聞いたナラードはますます混乱した
たかが婚約破棄をしただけだ、なのになぜ国が滅んでしまうのかナラードにはわからなかった
元国王親子のもとにマーガレットは優雅に近づく
「ではナラード様。昔話をして差し上げますわ」
静まりかえった会場に響き渡る声に誰しもが耳を傾けた
ーーーー
始まりは500年前
人と人ならざるものが共存していた時代
大陸を納めていたのは竜や白虎などの人ならざるものたち
人はその庇護のもとに生活していた
国という概念がない時代に竜族が納めていた土地があった
それが後のアルティマ王国の土地である
人々は竜を崇拝し竜は人を守る
その関係性は崩れることなく穏やかに時は流れていた
しかしその時間は長くはなかった
竜族は寿命が長く2~300年以上生きるのは当たり前
反対に人は100年も生き長らえない
そんな個体差があった為か繁殖能力に大きな差が出た
竜族の女は生涯ただ一つの命しか宿せないのに対し人の女は2.3人と子をなせる
竜族より人の数が多くなるのは時間の問題だったそして数を得た人々は愚かにも竜族よりも人の方が優ってると認識し出した
人より優る竜族でも数には勝てなかった
あっという間に竜族は人に殺されその数を減らしていった
そこからが暗黒期と呼ばれる時代の始まりだった
竜族の加護がなくなり今まで守られてきた土地は一気に地獄と化した
一日中黒いもやに覆われた空、作物は育たず、あちこちで活発化する魔物たち
そこまで堕ちてやっと人は竜族の価値が分かったのだ
だがまた竜族の言いなりになるのは嫌だと思った当時の人は生き残っていた竜族とある『誓約』を交わした
この土地に加護を与える代わりに竜族の一族に危害を与えず、その血が後世にまで残るようにすることーー
そうして生き残った竜族は本来の姿を人に合わせその土地で生きながら加護を与えた
そして人々の長になったものはその土地をアルティマ王国としその竜族に確固たる地位を与えた
王族に次ぐ地位である公爵
そうしてウィンザー公爵家が成り立った
いつ仕掛けてくるだろうか、と思っていたがまさかこんなにすぐ仕掛けてくるとは思っていなかったマーガレットは一瞬思考が停止した
しかも予想していなかった展開でますます混乱した
こんなにも貴族たちが集まっている中で行うとはナラードは生粋の目立ちたがり屋なのだろう
「ふん!だが貴様がどうしてもいうのなら、側室ぐら「承りましたわ」なんだと?!」
視界の端に近寄ってくる両親とソフィーを捉えたマーガレットはナラードの話をわざと遮って返事を行った
断られるとは思っていなかったのだろう、ナラードは目を開きその口元はパクパクしている
その間抜けな面にマーガレットはふっと笑った
「わ、私をバカにしたな?!許さん!!許さんぞ!!兵士!このものを捉えよ!不敬罪で死刑にしてやる!」
「まあ。怖い。ですが殿下にそのような権限がありまして?」
「ぐぬぬぬぬ!腹立たしいやつだ!おい、さっさと捕まえろ!何をぐずぐずしているんだ」
自分の命令で動かな兵士たちにナラードはどんどん苛立ちを隠せなくなってきた
「ナラード様。落ち着いてぇ。ナラード様は王子よ?国王様に頼めばいいのよ」
「そうか!そうだな!父上!今すぐこの女の首を跳ねて下さい!」
隣にいるミアからそう言われナラードは期待の眼差しで父、国王の方を見た
その国王は自分の息子がしでかした現場に唖然としていた
「マーガレットよ…なぜ婚約破棄を承諾できたのだ…?」
「まあ。気付いておりませんでしたの?もうとっくに『誓約』は解かれておりましてよ?」
「な、なぜだ?!『誓約』はそう簡単に解けれないはずだ!」
突然騒ぎ出す国王に会場にいる一部の貴族たちが慌て出す
なぜ国王が焦っているのか、なぜ公爵令嬢と王子の婚約破棄がなされたのか、なぜ、なぜ、なぜと疑問の波は会場を飲み込んだ
「国王陛下、いや、サガラードよ。500年続いた『誓約』はお前の愚息によって解かれた。これでウィンザーを拘束するものは無くなった」
父であるエルリックが国王もといサガラードに伝える
エルリックの言葉を聞きサガラードは玉座にしがみつきながら訴えた
「まて!待ってくれ!!そんなの嘘だ!!私が、私が国王だ!!」
「そんなの知りませんわ。「誓約』が解かれた今、あなた方は王族ではありません。」
サガラード、ナラード2人に視線をやりながらマーガレットは微笑む
ナラードはマーガレットの顔をまじまじと見つめたのはこれが初めてだった
「そんな顔をしていたのか」
「ええ。貴方から見せて欲しいと言われたことはありませんでしたから。わざわざ見せる必要もないでしょう?」
「その目」
「ふふ。素敵な目でしょ?アルティマでは紅は不吉とされておりますものね。なぜだかわかるかしら?」
「そんなの知るわけないだろう」
もっとよく顔を見せてくれ…そう言いながらルミリアに近づこうとするナラードをミアが叩いた
「ナラード様!!目を覚まして!その女に操られてるのよ!」
「…はっ!!俺は一体何を…?」
「あら。おしい。もう少しでしたのに」
紅い目が恐れられる理由
それは全てを操る力があると言われておりそれは遥か昔存在していた竜族のもつ特徴的な色彩だった
そのことを知るものはごく僅かであり近年ではその意味があやふやとなり紅は不吉な色としか伝わってこなかったのだ
「ナラード様を操るなんて不敬罪よ!!」
「残念ですがその人はもう王子ではありませんよ」
「はあ?なにいってんの?意味わかんない」
「まあ。この目のことをご存知でしたからてっきり知っているものかと」
「待てマーガレット、俺が王子ではないとはどういうことだ?」
「そのままの意味ですわ。お父様に確認してみては?」
マーガレットのその言葉にナラードは急いで父親のもとへ向かう
怯え切った父親の姿を見て驚くもののマーガレットの言葉の意味を知るのは父だと思いナラードは父であるサガラードに縋り付いた
「父上どういうことですか?!」
「あぁ…もう終わりだ…私の代で…終わってしまう!!あぁぁぁぁぁあ!!」
「父上!!父上!!」
「ナラード、貴様の、貴様のせいだ!!どうしてくれる!!貴様のせいでアルティマは終わってしまうのだぞ!!」
国が滅ぶ、その言葉を聞いたナラードはますます混乱した
たかが婚約破棄をしただけだ、なのになぜ国が滅んでしまうのかナラードにはわからなかった
元国王親子のもとにマーガレットは優雅に近づく
「ではナラード様。昔話をして差し上げますわ」
静まりかえった会場に響き渡る声に誰しもが耳を傾けた
ーーーー
始まりは500年前
人と人ならざるものが共存していた時代
大陸を納めていたのは竜や白虎などの人ならざるものたち
人はその庇護のもとに生活していた
国という概念がない時代に竜族が納めていた土地があった
それが後のアルティマ王国の土地である
人々は竜を崇拝し竜は人を守る
その関係性は崩れることなく穏やかに時は流れていた
しかしその時間は長くはなかった
竜族は寿命が長く2~300年以上生きるのは当たり前
反対に人は100年も生き長らえない
そんな個体差があった為か繁殖能力に大きな差が出た
竜族の女は生涯ただ一つの命しか宿せないのに対し人の女は2.3人と子をなせる
竜族より人の数が多くなるのは時間の問題だったそして数を得た人々は愚かにも竜族よりも人の方が優ってると認識し出した
人より優る竜族でも数には勝てなかった
あっという間に竜族は人に殺されその数を減らしていった
そこからが暗黒期と呼ばれる時代の始まりだった
竜族の加護がなくなり今まで守られてきた土地は一気に地獄と化した
一日中黒いもやに覆われた空、作物は育たず、あちこちで活発化する魔物たち
そこまで堕ちてやっと人は竜族の価値が分かったのだ
だがまた竜族の言いなりになるのは嫌だと思った当時の人は生き残っていた竜族とある『誓約』を交わした
この土地に加護を与える代わりに竜族の一族に危害を与えず、その血が後世にまで残るようにすることーー
そうして生き残った竜族は本来の姿を人に合わせその土地で生きながら加護を与えた
そして人々の長になったものはその土地をアルティマ王国としその竜族に確固たる地位を与えた
王族に次ぐ地位である公爵
そうしてウィンザー公爵家が成り立った
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