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しおりを挟む「ロベリア!!」
デジャヴとはこのことだろう
私は急いで王城から屋敷に帰り着いてすぐに別邸に向かった
そして、力強く扉を開いた
中にはこの前と同じように驚いた顔をしたロベリアと相変わらず無表情のエルムがソファに座っていた
ズンズンとロベリアの目の前に行き、ぴたりとロベリアの前に立ちはだかる
「ロベリア。この前はごめんなさい。貴方の気持ちを汲み取れなくて。お詫びじゃないけど、成婚式で私のブライズメイド をしてちょうだい」
「ブライズメイド ……!!い、いいのですか?!」
「ええ、あなたは私の大事な妹ですもの。当然でしょう?」
「リリスお義姉様!いえ、お姉様!ありがとうございます!」
私の言葉を聞きロベリアが蔓延の笑みを浮かべる
その笑顔を見て私もにこりと笑いロベリアの頭をそっと撫でた
「私もこの前は怒鳴ってごめんなさい。」
「いいのよ。私が悪いんだもの」
「そんな!私が…」
「それじゃあ明後日一緒に公園にいきましょう?私あそこで寝転がってみたいの」
遊び方、教えてくれる?と私がいえばロベリアはさらに笑みを浮かべてはい!と大きな返事をしてくれた
「仲直りしたの?」
私とロベリアを見てエルムが口を挟む
やれやれと気だるそうにエルムが私に視線を向けた
「きっかけが何かはわからないけど仲直りおめでとう。これで僕のお役目は御免かな?」
「お役目がなんだかわからないけど、私の感情を動かすのは流石だったわね」
ニヤリと笑うエルムは相変わらず憎たらしい顔だ
「感謝してほしいな」
「ええ、ロベリアの淑女教育や私の不器用さを改善させた点は感謝すべきところだけれど……
合意とはいえ、大事な私の妹に手を出したことは許さないわよ?」
にこりと冷たい笑みを浮かべながら私はエルムに言い放つ
ヒュッと喉を鳴らしながらも表情を崩さないエルムはさすがと言ったところだ
「ロベリアが自ら変わりたいと、あなたを頼ったことに関しては文句はないわ。でもそこに漬け込んで、体を重ねるなんて言語道断よ。綺麗事並べてやることはやるなんて獣と変わらないわ。あなた達の結婚式までロベリアは本邸で預かります。」
「いや、ちょっとまって」
「またないわ。私の妹を勝手に躾けるなんて…厳重に抗議させていただくわ」
行くわよ、ロベリア。とロベリアの手を取りソファから立ちあがらせる
オロオロと私とエルムを見比べているロベリアの手をぎゅっと握り王妃教育で培った有無を言わさない笑顔を浮かべる
「お、お姉さまに従いますわ…」
「ロベリアはお利口さんね。行きましょうか」
エルムにふっと勝ち誇った顔を向けてロベリアを連れて本邸に向かった
ーー
そして私は約束通りロベリアと公園に行き初めて裸足で土と草を踏みしめて、周りを気にせず大きな声で笑い、大好きなサンドウィッチをたくさん頬張った
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