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しおりを挟む「君は本当に可愛らしいなあ、シャーロット嬢」
「ホホホ、閣下は冗談がお上手ですね。では、失礼します」
「まあまあ待ちたまえ。どこぞの狂犬王子のせいで君に中々会えなくて寂しい思いをしているんだよ、私は」
少しは話してくれても良いのでは?と顎を指で触りながら話すのは黒い噂の絶えないブルック公爵閣下だ
私はこの男が苦手だった
フィルナンド殿下教育係となって初めて公の場にでた私に対して、
『20歳で結婚していないのか?ふむ、この私が召抱えてあげてもよいぞ?』
と、セクハラをかましてきた目の前にいる40歳後半に差し掛かる頭が薄くなってきているこの男が気持ち悪くて仕方がない
「君は今年25だろう?そろそろ観念して私の元に来てもよいのでは?」
「申し訳ございませんが、私はまだまだ若輩者でとても閣下の様なお方の隣には立てませんわ」
言外に「失せろ」と含めて言葉を選ぶも、自分に都合の良いように解釈をするブルック公爵は私が照れているだけだ、と誤変換し私にじわりじわりと近づき始めた
(「ひっ!な、なんなの!」)
ブルック公爵が一歩踏み出すと同時に私も一歩下がる
何回も繰り広げていると、トンっと背中に壁にぶつかった
「(しまったわ!)…閣下!私、フィルナンド殿下からのお使いの途中ですので!」
「んん?君のお使いは書類を王太子殿下に渡すことだろう?書類は…うん、もう渡したあとじゃないか」
嘘をつくなんて悪い子だ、と下卑た笑いをしながらブルック公爵は後ろの壁にドンっと手をついた
(「蹴り上げる?!いや、でも相手は公爵だし…!!」)
壁ドンをされた私は冷や汗をダラダラと流し、焦っていた
私焦っていることに気づいているブルック公爵はニヤリと口元を歪めて私の顎をくいっと持ち上げた
「(ひぃぃぃぃ!!気持ち悪い!!)か、閣下!お戯れを…!離してください!」
「なぁに、君がブルジョワ階級の人間でも私の愛人として囲う分には問題はないんだ。さあ、私に身を預けたまえ」
グッと顔を近づけてくるブルック公爵に対して・怯えながらも必死に声を上げて他人に助けを求めた
「いや、嫌よ!!た、助けて…!!フィルナンド殿下!!」
必死にフィルナンドを呼び続けた
フィルナンド殿下の名前を必死に叫び目元に涙を浮かべる私をみてブルック公爵はますます愉快そうに顔を歪めた
「人払いをしているから誰も助けに来ないよ。さあ、諦めたまえ」
「いやぁぁぁぁぁ!!フィル、フィルナンドでんかっ」
「今すぐシャリーから手を離せこの腐れ外道が!!!!」
「ぐふぉっっっっ」
ブルック公爵の顔が目前へと迫ってきたその瞬間に目を閉じた私は迫り来る衝撃を覚悟した
しかし、その衝撃は一切来ずに、代わりに聞こえたのは聞き慣れた声とブルック公爵の叫び声だった
「シャリー!!」
「フィルナンド、でんか…」
ぎゅっと包み込まれ、嗅ぎ慣れたコロンの匂いがふわりと私を包み込んだ
恐る恐る目を開き顔を上げると心配そうに私を見つめるフィルナンド殿下と目があった
「でんかっ、でんかっ」
「こんなに震えて…大丈夫だシャリー、私が来たから安心してくれ」
ぶるぶると震えが治らない私をフィルナンド殿下はさらに力強く抱きしめた
胸元に顔を沈め、静かに涙を流しながらフィルナンド殿下が来てくれたことに安心した
「ブルック公爵!!嫌がる女性に対して暴行を働くなどどう言うことだ!!」
「ぼ、暴行など人聞きの悪いことを…!!」
フィルナンド殿下に殴られた口の端から血を流すブルック公爵はヨタヨタと立ち上がりフィルナンド殿下を睨みつけていた
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