23 / 48
22 フィルナンド
しおりを挟む「………結婚してほしい」
一世一代の俺のプロポーズは酷く弱々しい声で伝えるのが精一杯だった
断られたらどうしよう、逃げられたらどうしよう、
そんな不安が一気に押し寄せて、自信がなくなった俺は絞り出すようにな声で結婚してほしい、となんとか告げた
「えっ…」
突然のプロポーズに固まるシャリーはみるみるうちに顔が真っ赤に染まった
兄上が茹でタコと形容していたのがしっくりするぐらい真っ赤になっていた
「嫌か?」
「いやじゃ、ない。ですけど…なぜ、私なのですか」
恐る恐る顔を上げて上目遣いになるシャリーを可愛い、と思いながらシャリーの質問に答えた
「5年前に出会って半年ぐらいで好きになった」
「ご、5年前…?!!」
「誰も俺に見向きもしなかったのに、シャリーだけがそばにいてくれた」
根気よく、俺に授業を受けさせようしてる姿が可愛かった。といえば、さらに顔を真っ赤にして口をハクハクとさせていた
「17歳の時に父たちにシャリーと結婚したいって伝えた。…条件は朝話した裁判の内容を再調査する事だった」
「ここ1年間、夜間にお出かけされていた理由はそれだったのですか…?」
「そう。公爵が関わっている事だから慎重に、兄上と一緒に調査していたんだ」
そのあとは朝話した通りだ、と伝えたらなるほど…とシャリーが納得した
「それで、返事は?」
「あっ…その、私は殿下より年上「気にしてない」あ、はい。」
「他には?」
「ブルジョワ階級で「伯爵令嬢に戻るから問題なし」あ、そうですね」
「他には?」
「………わかりません」
自信がなさそに視線をキョロキョロと彷徨わせるシャリーの頬に手を添えてグイッと俺の方を向かせる
「殿下!」
「フィルって呼んで」
「え、いや、」
「フィル」
「……フィル様離してください」
フィル様…まあ今はそれで許してあげよう
殿下呼びから愛称で呼んでくれるだけでも天にも昇る気持ちだった
そして俺はシャリーに肝心なことを投げかけた
「世間的な問題はない。あとはシャリーの気持ちだ。俺のことは嫌い?」
「嫌いではありません!!」
「じゃあ好き?」
これ前にも聞いた事があったな
モジモジとしながらシャリーがぽつりと呟いた
「フィル様をそういう対象として見てきたわけではなかったので、その、突然言われて驚いてます…」
すみません、と謝る彼女に罪悪感が芽生えた
ここまで悩ませるつもりはなかったからだ
「でも、最近自分がわからないんです、フィル様の、大きな手で触れられたら心がざわつくし、他の女性といるところを見ると胸が痛くなったり」
「シャリーそれは…」
ドクリと自分の心臓が大きく跳ねたのがわかった
目元を潤ませてシャリーがバッと顔を上げた
「これが、好きって感情なのでしょうか…?」
11
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
2/26 番外編を投稿しました。
読んでいただけると嬉しいです。
思っていたよりずっとたくさん読んでいただいていてとても嬉しいです。
とてもとてもありがとうございます!!
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。
伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい
瑞原唯子
恋愛
だから、きっと、恋を知らないままでよかった。
伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
---
本編完結しました。番外編も書きたかったエピソードはひとまず書き終わりましたが、気が向いたらまた何か書くかもしれません。リクエストなどありましたらお聞かせください。参考にさせていただきます。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる