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その3
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大陸随一の力を持つエトワージュ帝国の皇太女であるルミリアはそんじゃそこらの国王より立場は上である
ウスタリ王国の国王はその立場を理解しているために平身低頭でルミリアに接していた
国王はルミリアを心優しい女性だと思い込んでいた
物怖じ柔らかく知識、礼儀ともに完璧な彼女を今年五十を迎える国王は心の底でどこか舐めていたのだ
謝罪を重ねればマルクのことを許してくれるだろうーーと
国王も人間だ。どれだけ馬鹿な息子でも可愛いのだから命を捨てさせるのは惜しいと思っていた
ルミリアに謝罪し、マルクは一時離宮で謹慎させ、ほとぼりが覚めた頃にまた王宮に呼び出せば良い
国王は頭の中でそう考えていた
そんな国王の浅はかな知恵はルミリアの言葉で打ち砕かれた
「ウスタリ国王。エトワージュ帝国、皇太女として命じます。マルク・ウスタリの処分に関してはこの私が決めます」
「で、殿下がですか?!」
「ええ。いくら身分を知らなかったとはいえ一国の王子が女性に対して暴言を吐いたのです。謝罪して済むことではありませんわ。それに……どうやら皇太女と知ってもあなたの息子は私のことを侮辱しているようですわ」
国王は視線を息子に向ける
そこにはルミリアを睨みつけた息子の姿があった
その姿を見て国王はヒュッと喉が鳴った
「これは立派な不敬罪ですわ。彼はこの私が責任を持って対応させていただきます」
ニコリ、と笑うルミリアを国王は化け物を見るような怯えた瞳で見つめ返した
自分よりはるか年下である女性に対して国王は恐怖していたのだ
そして国王は自身の先ほどまでの考えをすぐに改めた
心優しいなど、どこにそんなところがあるだろうか
目の前にいるのは美しい皮を被った悪魔ではないのかと国王は震えた
怯えて小刻みに震える国王を一蹴してルミリアは拘束されているマルクとソフィアに近寄る
「まあまあ。なんて滑稽な姿でしょう。先ほどまで威勢よく吠えていたのが嘘のようですわ」
「き、貴様!!!なにが皇太女だ!私はこの国の王子だぞ!!未来の国王だ!」
「あら?貴方は第二王子ではなくて?それに貴方より立派な第一王子がいるのにわざわざ貴方を立太子させるメリットはどこにあるのかしら?」
不思議ですわ、とコテンと首を傾げたことでルミリアの美しい艶やかな黒髪がさらりと揺れた
「ね、ねえ!!ルミリア様!私は、私はなにも悪くないの!!貴女に対する行いもこの馬鹿王子に脅されてしたことなの!!」
キャンキャン吠えるマルクの横からソフィアが必死に弁明を始めた
いわく、私はマルクに脅されてあんなことをしていた。決して貴女を侮辱するためにしたことではない、と
「『ソフィアに対する悪行を謝罪してもらうぞ』」
「ッッ!」
「おかしいですわね。私、あなた方のいう悪行なんて身に覚えはないですわ
それにあなた方は必死でしたが私、羽虫が飛んでいるのには興味ないんですもの」
「は、羽虫……」
ルミリアのその一言にソフィアががくりと項垂れる
どうやら彼女はマルクほど馬鹿ではないようだ
ルミリアの嫌味ともとれる言葉の意味を理解できたのだろう
「それでは2人とも。私とともに帝国に帰りましょう」
有無をいわさないその言葉に誰も異議を申し立てることはできなかった
ウスタリ王国の国王はその立場を理解しているために平身低頭でルミリアに接していた
国王はルミリアを心優しい女性だと思い込んでいた
物怖じ柔らかく知識、礼儀ともに完璧な彼女を今年五十を迎える国王は心の底でどこか舐めていたのだ
謝罪を重ねればマルクのことを許してくれるだろうーーと
国王も人間だ。どれだけ馬鹿な息子でも可愛いのだから命を捨てさせるのは惜しいと思っていた
ルミリアに謝罪し、マルクは一時離宮で謹慎させ、ほとぼりが覚めた頃にまた王宮に呼び出せば良い
国王は頭の中でそう考えていた
そんな国王の浅はかな知恵はルミリアの言葉で打ち砕かれた
「ウスタリ国王。エトワージュ帝国、皇太女として命じます。マルク・ウスタリの処分に関してはこの私が決めます」
「で、殿下がですか?!」
「ええ。いくら身分を知らなかったとはいえ一国の王子が女性に対して暴言を吐いたのです。謝罪して済むことではありませんわ。それに……どうやら皇太女と知ってもあなたの息子は私のことを侮辱しているようですわ」
国王は視線を息子に向ける
そこにはルミリアを睨みつけた息子の姿があった
その姿を見て国王はヒュッと喉が鳴った
「これは立派な不敬罪ですわ。彼はこの私が責任を持って対応させていただきます」
ニコリ、と笑うルミリアを国王は化け物を見るような怯えた瞳で見つめ返した
自分よりはるか年下である女性に対して国王は恐怖していたのだ
そして国王は自身の先ほどまでの考えをすぐに改めた
心優しいなど、どこにそんなところがあるだろうか
目の前にいるのは美しい皮を被った悪魔ではないのかと国王は震えた
怯えて小刻みに震える国王を一蹴してルミリアは拘束されているマルクとソフィアに近寄る
「まあまあ。なんて滑稽な姿でしょう。先ほどまで威勢よく吠えていたのが嘘のようですわ」
「き、貴様!!!なにが皇太女だ!私はこの国の王子だぞ!!未来の国王だ!」
「あら?貴方は第二王子ではなくて?それに貴方より立派な第一王子がいるのにわざわざ貴方を立太子させるメリットはどこにあるのかしら?」
不思議ですわ、とコテンと首を傾げたことでルミリアの美しい艶やかな黒髪がさらりと揺れた
「ね、ねえ!!ルミリア様!私は、私はなにも悪くないの!!貴女に対する行いもこの馬鹿王子に脅されてしたことなの!!」
キャンキャン吠えるマルクの横からソフィアが必死に弁明を始めた
いわく、私はマルクに脅されてあんなことをしていた。決して貴女を侮辱するためにしたことではない、と
「『ソフィアに対する悪行を謝罪してもらうぞ』」
「ッッ!」
「おかしいですわね。私、あなた方のいう悪行なんて身に覚えはないですわ
それにあなた方は必死でしたが私、羽虫が飛んでいるのには興味ないんですもの」
「は、羽虫……」
ルミリアのその一言にソフィアががくりと項垂れる
どうやら彼女はマルクほど馬鹿ではないようだ
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