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その4
しおりを挟む「それであの2人を連れて帰ってきたのか」
「ええ。ウスタリ国王は最後の最後に王子だけでも返してくれってごねたの『ではウスタリ王国は当代をもって終わりですわね。』って伝えたら黙り込んでしまって……本当に笑いを堪えるので必死でしたわ」
「ほんっといい性格してるよお前は…」
はぁとため息をつくのはルミリアの兄であるクラウスだ
本来であれば第一子であるクラウスが皇太子となるはずだったが日に日に成長していく妹の有り余る才能と統治者としての威厳に心が折れ継承権を破棄し今はハイドル大公としてルミリアの補佐を行なっている
「お兄様には感謝してますわ。私が一年留学できたのもお兄様あってこそですもの」
「全く都合がいい時だけ利用しやがって」
「ふふ。それでも答えてくれるのがお兄様でしょ?」
エトワージュ帝国の皇帝は皇后を溺愛しており側室を娶っていない
そのため兄妹はクラウスとルミリアのみ
仲良くなるのは当たり前のことだ
「2人の処遇はどうするんだ?」
「もう決めてあるわ。
まず、
ソフィア・バルボッサは頭は悪いけれ
ど男を誑し込む力は天才よ。
外務大臣のルアリー侯爵に預けて教育
して頂く予定よ。教育が成功すれば北の王国イルグランドに潜入させる予定よ
マルク・ウスタリは……この男本当になにもできないのよ。びっくりしたわ。肉体労働もダメ、単純作業もダメ。でも簡単に殺すのは惜しいし…と思ってガルディア修道院の雑用係にしたわ」
どうかしら?と微笑む妹をクラウスは引きつった顔で見返した
外務大臣のルアリー侯爵の手腕と影響力は計り知れない
彼は様々な国の弱点を握りその情報を帝国に差し出し地位を作り上げてきた
他国に送る女スパイを教育しているのはルアリー侯爵と皇族との秘密だ
その教育の辛さから逃げ出そうとした女たちは問答無用で消される
帝国一戒律が厳しいと言われているガルディア修道院
ここの修道院の特徴は女性に対して危害を加えたりした男性犯罪者が連れて行かれる修道院である
女性に危害を加えるような男たちが住まうそこに見目美しい元王子が放り込まれてしまったら…その未来は想像に難くないだろう
「2人とも…持って半年かしら?」
「1年は持ってもらわないと困るな」
「まあ。では賭けましょうお兄様」
「嫌だね。」
「………マリアを私の侍女として召抱えようかしら」
「おまっ!!マリアは関係ないだろ?!はー!わかったよ100ユーロな」
「1000ユーロよ」
顔を紅潮させる兄をルミリアは微笑ましい気持ちで見ていた
実はあの後、マルクの婚約者であったマリアはマルクが平民落ちした為婚約は白紙になった
そしてあろうことかエトワージュ帝国の留学中になんと兄のクラウスと想い合う仲になっていたのだ
それを聞かされた時にはさすがのルミリアも柄になく驚いたのは記憶に新しい
一応王子であったマルクを引き渡したことでウスタリ王国の面目は丸潰れになるところであったが、これからも友好関係を続けていきたいのに変わりはない為、マリアをクラウスに嫁がせることでこの件は終息した
お気に入りのアールグレイの紅茶をこくりと一口
「良い暇つぶしになりましたわ」
ルミリアは美しく微笑んだ
完
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