魔伝士ネイラーラ・ゾフィープ

随想アルファ

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亜空間「箱庭」異譚

箱庭行脚 第壱話

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あの城の近くに転移するって言ってたな・・・。
大丈夫か?
喰われたんだろ?

しかも今回は単独行・・・。サポートをバックグラウンドでするって言ったってな、どうすんだよ!
死んだら。死ぬんだよな・・・俺?

ふと視線を感じる。あまり良くない視線。
「やべっ声に出てたんか」
そそくさとその場を離れる。
いや、それよりもいつ実体化した?

「まったく・・・」

頭の中にマップの表示を念じる。
お決まりだが・・・おっと目の前にウィンドゥ表示か。スマホよりもいいかな。

ナビ機能を頼りに、取り敢えず冒険者登録を目指すので冒険者ギルドへ。
在るんだね・・・ギルド・・・と・・・冒険者・・・。
テンプレだが、これは間違いなく絡まれる・・・んで、強制介入で最悪は大惨事の展開か?ミナゴロシ・・・TOMINO現象でも引き起こすのか?
いや。恐らく出来るゾ、きっと・・・。

画像表示は普通にマップで地名は全く覚えの無いカタカナの羅列。少し日本語的なモノも有るが。
目的地にはピンが刺さっている。

まあ、分かり易くてさ、良いんだけどさ・・・。

周囲の建築物は何故か日本家屋。それも昭和の頃を彷彿とする、木造建築。
割と隙間を維持しているから火災対策かな?と思っていると角を曲がって冒険者ギルドに到着。

すれ違う人々の格好や風貌は実に様々だが、特に異世界感の出そうなエルフやドワーフや獣人は見て取れない。
和服っぽい人や浴衣ドレスや、ズボンやスカートにスーツ姿のサラリーマン然とした人までいるし・・・。

混沌だ・・・ひたすら混沌だ。

アタッシュケースやビジネスバッグ、近い物は有るけど。
まんまバックパックを背負っているのは冒険者か旅行者かな。
携帯電話はさすがに見ない。
それに、クルマが無い。
人力車風の荷押し台車とか、カートとか見える。ん?カート?宅配業者か・・・居るのか?

ここでもカオスを感じなければならないのか・・・。

荷車を牛や馬らしい動物で曳いてはいるが。
糞の処理はどうしているんだろう?そういえばトイレも・・・。
臭いは悪いのは感じられない。
無臭でも無いけど。

携帯電話も無いな~。公衆電話も無いけど。
ただ、魔道具で話しかけているのは結構見かけた。
アクセサリーサイズなので、寧ろこっちのが凄いと思う。

東南アジアと田舎の中国とか日本の昔の風景が一番近いか。
ネオンサインとか巨大なテレビスクリーン的なモノも無いし。
そんな中、ギルドの前に立つと。
違和感が半端無い!

「なんで鉄筋モルタル風のしかも三階建てビルなんだよ」

これまでの建物も妙に縦方向に高いな~とか思っていたけど、何か在るな・・・こりゃあ。
混沌とカオスが一緒に具現化している。
何言ってるか自分でも判らなくなりつつある。ハハハ。ハア。

とにかく表示されている総合ギルドの冒険者館に入る。
すでに町中に実体化しているので検問所とか分からないけど有るんだろうな。
つまり身分証明が無い。
テンプレならどうにかなるんだろうけど、俺はそんな主人公じゃないぞ。むしろ悪役じゃ無いかな・・・街一つ消してたし。

受付に行こうとする。
ここって天井が高いが気の枠組みが態と見えてて、床はコンクリっぽく、こんな駅舎も観た気がするし、何より市役所感がスゴイ。

それを大きく上回るインパクトが受付嬢。

ケモミミです。獣人です。
「いたんだ」
思わず普通の音量で呟いていました。

そこからは絡まれず。実に事務的に登録を終え、言葉や文字の問題も無く・・・日本語を話していて日本語の文字だったから。
逆に違和感マックスです。
消し忘れていたマップには自動翻訳機能ONってのを見つけた。
納得。

ギルドカードはペンダントタグで首から下げるチェーン付き。魔道具の一種だそうだ。
ランクとかレベルとかは独自の物らしく、グレードと言っていた。
シングルグレードとマルチグレードの別、剣士職や剣闘士職、魔術師や魔法士のみがシングルで複数の技能を持つ者がマルチ。
申請するのと試験管が認定するのがタグに刻まれる。
グレードはAから始まりZまで、それぞれにシングルとマルチの区分が入るそうでシングルならCAからスタート。マルチだとSAから。
さらに細かい表示が有って1から始まる数字・アルファベット・ハイフォンが入って二桁の数字。
エンジンオイルかよってツッコんだ。

俺のは、CAの1W-00。シングルで魔術師の成り立て成り、の意味だそうだ。
魔力と髪の毛か血液か唾液で調べてくれた。
科学捜査かいっとツッコめたが出来なかった。指紋とか無かったからな。

無かった魔術師と魔法士は異なるそうで、戦闘力を持つと認定されれば魔法戦士としての魔法士に。
魔法の才能を持つか或いは実際に使えるかで魔術師に。つまり、魔力の良と質で認定される。
ここから選択肢が出て、技能に特化していくと魔術師の称号として階級が上がり、魔道具の開発などに関わる。
戦闘に関連してくると、魔法戦士になるか、魔術戦士・魔術士となるか。

言葉だと一緒だが。ここでの発音ではまるで英語的になる。
アーマード・ソーサリアンとかアーマード・ガーディアンとか。

ちなみに俺が使えると言う例の○○化ってのはサモンズ・ゲート・マギニカルと言う召喚魔法だそうだ。
意外。
ああ、これはもう一人の俺、魔伝士の教えた事。その時に名前も聞いた。
ネイラーラ・ゾフィープ。
幾つかある名の内の一つだそうだ。

しかも、アナグラムを兼ねた、読み替えだそう。
魔術師とかの定番だと笑っていた。
ああ、そうですか。偽名ね。
本名を名乗れないし、実はたくさんあるそうだ。
自身が転生を繰り返していたからなんだそうで、・・・つまりは俺そのものの事だよな。

このほかにテイム系の魔法「順守」が使える。
しかしこれ、相当エグイぞ・・・その能力。まあ、そのうち使うのだろうが。

この世界の通貨は貨幣が主。自治領ごとに多少のデザインの違いやレートの違いが有るけど共通で金貨・銀貨・銅貨・半銅貨(日本流になら五円とか五百円とか)、最低額貨幣として円貨。どうも日本人転生者の影響らしい。
貨幣の価値はとても強く絶対的とも言えるが、驚くことに紙幣も存在する。
貨幣は各自治領の管轄で保障されているが、貨幣はこの世界での銀行に当たる紙幣ギルドによって発行管理されていて、丁度国が管理する貨幣と銀行が管轄する紙幣の関係に近い。

恐らく転生者の記憶だろう。
魂傷付けて、此処に来て・・・もし、生前の職業そのままだったら遣る瀬無い・・・。

この紙幣、どちらかと言えば商人向け。
額の決まっている小切手に近い。保証金とか必要だが消損しても保証補填してくれる。
理由は簡単。かさばって重い貨幣を持ち運ばない様にしている。

ところで。
ギルドの発行したこのタグ、実は優秀で、表面には名前とグレードが刻印されているだけだけど、対の魔道具に差し込むと詳細な応報が掲示される。医療的な物や出身地や連絡先等、マイカードの未来版かも知れない。
セントラル。と言う処で管理しているそうだが、銀行業務も兼ねていて、外為や両替も自動でしてくれるそうだ。

外見的には中世だけど、魔道具によって、或いは転生の記憶によって、近代的な構築を魔道具が成し遂げていると思う。

魂を癒す場所。

成る程と思う。
けど、きっと。
これは違う。目指しているのはもっと、穏やかなはず。

金に捉われず。
密やかに。
悲しむ事無く。

でも。・・・今は。
これで、いいんだと思う。

明日から目指す場所。
勇者ネイッザが討伐したとされる守護龍の居る聖地ブラッディ・レインボー。

ツッコミが多い。勇者が守護を討伐!に虹の血・・・七色の血液・・・。全く。
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