魔伝士ネイラーラ・ゾフィープ

随想アルファ

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亜空間「箱庭」異譚

箱庭行脚 第参話

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「先ず、君自身なんだが。人では無い」

そりゃ気が付きもするけど。直で言われると割とやだな・・・。

「リ・インカーネート・システムに組み込まれたワース・システムで再生した人間体だ」
「?」

「ワース・システムは聖なる呪具又は呪われた聖具をコアユニットとして特殊能力を有し、武器等として活用される。同時に付喪神の様に思考や感情と言った部分を付帯されて受肉し人間の姿を取れる」
「・・・」
「今の君は母親から赤ん坊として生まれている。これまで生きたすべての記憶と共に君自身の人生だ。そこは安心してくれ」

「いや。悪いが余り嬉しくない気分なんだが」

記憶(?)さん、もといネイラーラ・ゾフィープは手を挙げて此方を制した。
「現在使用できるのは前に伝えた魔法のみ。
 それとは別に本質の部分が使用できる。
 つまり、武器としてのワース・システムの使用で、剣・盾・鎧・兜だ。
 それぞれを君がコアユニットを変形させて使うか、召喚して使う
 因みに君自身のコアユニットは鉾となる」

鎧と兜って別?何故に・・・。
ヨクワカラン。

「君は極めてワース・システムとして破格の能力を持っている。
 呪われている物が必須の条件だが、君はその呪いの部分を任意に自在に強弱を操れる。
 つまり、微細過ぎて存在しないレベルの呪いを極大で最強の呪いに替えられる。
 逆に、最大級の災厄の呪いをほぼゼロか全く感じられない値に落とせる」

サイキョウデンセツ。キター!って感じですか。嬉しくないぞ・・・とっても・・・。
「じゃ、お祓いとか要らないし、除霊屋さん出来るんじゃ」
「可能だ。ああ、以前にやっていたぞ」
「そうですか」

もういいです。もどしてほしい。ねていたい。

「君は単独では無い。実は非常に大きな規模で眷属達による研究が行われている。
・・・ただ、そっちでトラブルと言うか、巻き込まれるんだが・・・」
眷属・・・?研究って、それに。
「巻き込まれ?・・・なぜに」

「騒がせたな。眠りたいのだろう?戻そう」
「いや待て。明らかに話題を漏らしたので切り上げようとしてるだろ」
「身内の話なのでね。少し喋り過ぎた。」
「それも態とだろ。はっきり言ってくれ、何を一番伝えたい」

「それは」
「それは?」

ふっつり意識が途切れた。
で。朝だ。なんか隠しているな。
よく眠れなかったぞ。


実は眠った後、実体化したミッチーが真技に抱き着いていた。
ちなみにミッチーは裸、真技はTシャツにパンツだった。ミッチーは嬉しそうに。真技はかなり魘されていたが。

遠い時代、遥かな場所で。二人は幼馴染として育ち、やがてお互いに意識するようになった。
しかし、それは果たされぬまま死を迎えた。
彼の身近な者達。ワース・システムの人格部分はそんな経緯を持っている。
時に姪、妹、妻、娘。
悲しみがワース・システムの中核だ。

そして、伝えずにお茶を濁した理由は。
転移能力の所持である。
発動条件に制限が有るが、ほぼ移動先に如何なる障害の存在が有っても突破可能な、桁外れの能力である。
同時に、過去に対する強硬な干渉の実行を行う為である。

今回の転生の目的だが、気持ちの整理を付ける事を自力で意識する事なのだ。


起き出して軽く体をほぐしていて気が付いた。
ジャージを着てる・・・これで寝ていた?・・・いや、他誌か冒険者風の服のままだったはず・・・だよな。

「ミッチー。気を利かせてくれたのかい?なら有難う」
危ない独り言になるけど仕方が無い。
するとまたあの光が。
「ううん、久し振りだから甘えて一緒に寝ていたの。でね、私は昔、貴方の姪だったの。歳が離れていなかったから兄の様に接してくれてたんだ」
「そう・・・じゃ、兄の感じでいた方がイイのかな?」
「伯父さんって感じじゃ無かっただけなのでお兄さんだったけど」
「けど?」
「あのままだったら一緒になっていたと思うの」
「分かった。素のままでやるよ」
もう一人いるからな・・・変に意識すると悪くなる気がしなくも無い。
「うん。ありがとね・・・マー兄ちゃん?」

「あっと・・・消えたか」

まあ、取り敢えずコミュニケーションが出来るって事だな。
「服を変えたい。頼めるか?」
ジャージが光って昨日の冒険者風になった。
「言ってみるもんだな?」

時間も限りが有る。そろそろ待ち合わせの場所・・・ギルドの建物の隣の馬車ターミナルと言うべき広場に向かうとしよう。
ただ、この世界だからこんなもので済んでいるのだろうと思う。
普通(?)に異世界に訪れたらかなり大変だろう。

なんか・・・鎧・・・って。
まさかこの娘の事・・・じゃないよね。
服として鎧も含まれていて。逆か?・・・自在に変更できる・・・と。
・・・いや・・・もしかして重装鎧と軽装鎧が自在なのが能力で・・・服の状態にも対応できる・・・のか?
ある意味無敵だな。


実際にはそれに魔法が加わり、強化服かつ高機動が可能なのだが。


「おっと。時間時間。急ぐか」
此処の時間は24時間で一日、一週間とか一か月とか同じ。一年も同じらしい。
違うのは、24時間のアナログ時計が魔道具で街の一番でかい塔に設置していて、連動する時刻表示板が至る所に在る。
この表示板、動力が魔力なのだがパタパタパタ~と回転して文字が変わる、昭和の雰囲気の物で。
しかも、05:00から17:00までしか無い。
これは24時間表記の大時計の鐘が鳴るのに合わせているからで、デジタルが無いけど結構便利だと思う。

いやこれも転生者かな?
俺は腕時計と相性が悪くて・・・もっても一年。早ければ一日でダメになる。
今は安くてアナログで、自動巻きと電池と光発電のハイブリッドを使っている。
基本腕に付けないで、ポケットに入れるかベルトに付けている。
直接、肌と接触していると寿命が異常に縮む事が判ったので。

「もしかして。この辺りって・・・体質(?)と関係しているのかもなぁ」

そういえば、子供の頃から腕に輪っの輪っような線が入っている。
最近気が付いたら両腕に入っていた。
どちらが先だったか、もう覚えていない。

自分自身が最も謎なんだろう。

集合時間には割と余裕で付いたが、集まっている人も多かった。
少し、内心焦ったが・・・。

「朝早かったので食事しなかったのは失敗だったかもな」

依頼を受けた時に渡された木板の割符を持って、受付役のギルド職員に向かう。
「すみません、お願いします」
「おはようございます。早朝からご苦労様です。ご案内しますのでお待ち下さい、あとこれが朝食ですので待っている間にどうぞ」
「おお。有難うございます。頂きます」
気が利いている、笑顔で案内状から離れて待合場に向かう。
迷いようがない雰囲気だ。なにしろ似通った人たちが集まっているんだから。

持たされたのはサンドイッチみたいだ。ただ、コッペパンをぶつ切りにして色々と具を挟んだので、少し食べにくい。
こぼれる・・・。
けど、空腹には嬉しいし、割と旨いんだ。

ああ、ミッチーも食べさせたら良かったかな?
〈大丈夫です。今は魔力でお腹がいっぱいに成ります。その分余計にお腹が減っていると思うのですみません〉
そうなのか。
そのうち、食べ歩くのもいいだろうな。
〈うれしいです〉
「まあ、これは警護に対するおまけのご褒美かな」

喜色を感じていると、感じている近づいて来る人が。
「やあ、君も警護任務の参加者かい」

冒険者然としている結構ゴツイ・・・齢がよく解らないな・・・当たり障りの無い対応で良いだろう。
「おはようございます。実は初心者なのでよろしくお願いします」
「ああ。そうなんだね、じゃ、ウチノチームと一緒に動くかい?」
もう一人来た。今度は背が高いのが特徴だな。
「教えるのがうまいのがいるからいいんじゃないかな?」
渡りに船って事で頼もう。
「すみません。お言葉に甘えさせて頂きます」

「おお。俺はサブリーダーしているベルダン・ベルガーだ。ベルベルって呼んでいいぞ」
「へえ、気に行ったんだね。僕は魔導士をしているモカ・ダマー・ファロア。よろしく」
「よろしくお願いします。俺は強灰真技です」

「聞きなれない名前だね。魔力の気配も少し違うし・・・もしかして転移者かな?」
「そうだな。格好も冒険者の服に着せられている様な気配が有る。初心者にしては実戦を経験していないらしいが妙に圧を感じる」
「転移者なら分かるね。気を悪くしないでね、命を預け合うから必要なんだ」

「いえ。大丈夫ですので・・・足を引っ張らないようにします」
「ふふ。見どころが有るだろ」
「そうだね。変に背伸びをしないから好感がもてるよ。魔法が使えるなら教えてあげるからね」
「有難うございます。一応、属性は全部なので生活魔法を伸ばしたいです」
「うん、まかせてね」

「おい。そろそろ時間だ」
「じゃ、行こうか」
「はい。お願いします」

良い人たちに出会えた。
旅程は快調だった。商人のグループが居るので距離的には3泊3日を一週間かけて行われた。

道中、盗賊と魔獣と魔物に遭遇したけど。
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