手記。 ゾンビに土下座~ある日の夢~

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手記。ゾンビに土下座~ある日の夢~

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俺は普通に道を四駆で走っていただけだった。
ちょっとカスタマイズして独特な性能には成っているが・・・。
線路沿いの平行する道は勝手知ったる何回もとっている道だ。
いや、だった。
気がついたら見慣れて居た風景が変わり何か広大な施設の中を走っていた。
演習場が近いか?
いやいや何で?

舗装されていた道が不意に途切れて林道みたいになっているが何かの走行した跡が有った、しかも履帯っぽいぞ。。。

仕方なくUターン。
すると今度は列車が連なっていて巨大・・・長大な施設が見えて来た。
施設と言うべきは走らない状態だから。
しかも、生活臭が凄い。洗濯物や何かの作物の植えられている場所等々。

何処?ここ。

確か普通に知っている道を走っていただけのハズ。

人も多い、年齢も様々で思い切って話してみた。

ここで生活をずっとしていて他の場所については自分たちではよく分からないという。
え?
日本でしょ?
違うのか?

詳しくは兵隊さんに聞くと良いと言われた。
兵隊って自衛隊じゃ無くて?もしかして戦争で占領下?

列車の中に案内されて見て回る。
自分を不審者扱いしないのも不明だ。

それにしても中は建物化しているとしか表現言えない変わりようで、寝台列車みたいなベッドどころか凄く普通のベッドに豪華仕様とか、ウォーターベッドみたいな物に和風仕様もある。

特筆すべきは走らないからか車体の扉に直角に交わる様に列車が線路付きでくっ付いていて、しかも外見は並べただけに見えるけど内部はかなりしっかりとした設えになっている。

車の整備が必要なので兵隊さんに話をしに行くと。
どう見ても西洋人。
占領下が再び頭をよぎる・・・。
が。
どうも日本語を話して文字も日本語。
会話に不都合はなかったけど。

取り敢えず整備をするの工具で足りない物とウェスや綺麗で新しいグリスやオイルを借りたりもらい受けて作業開始。

駆動系と懸架装置のかなり特殊な仕様なのだが・・・。
何故、修理手順が判る?

そこまで機械のエキスパートじゃ無いハズ。

ともあれ、一回分解して清掃し綺麗なグリスやら塗布して組み立てていく。
だから何故に手順が判る?

組み上げて、ディスプレィの表示がチェック中から正常になる。そんな車両だったっけ?
この間兵隊さんと話をしながら。
感心されたけど自分でも判らないんだよ・・・。

兵隊さんからは護衛任務としか聞けなかった。
装備は確かに防弾防刃にライフルやナイフを持っている。
必ず複数で巡回。
それにしては洗車や携行ミサイルが見当たらない。
別の場所に有るのかも。

時間も遅く行く場所も見失っているので一拍するしかなかったが、驚くほど快諾された。

そして翌日。
取り敢えず自分は異世界から来たのだろうと説明して周囲を探索しつつ帰還する努力をするとつたえていたので出発。
かなり心配された。そして、異世界から来たのにそこまで落ち着いているのは凄いと称賛されて実に居づらい。

前日の走行ルートを辿るも、あの施設周辺以外は全く別物に変わっていた。
走ったはずの場所が無くなってもいた。

山の中に入って両氏と思われる人たちと出会う。
人種は色々。
犬をお供にしている。

けど少し様子がおかしい・・・。

半日ほど同行すると犬の異常に気が付く。

怪我が多い。

臭いがキツイ。

そして互いに嗅ぎ合っているけど、唸っても居る。
その個体は余り怪我をしていない。

狩りを実際にするのを見る。
鹿っぽいのと熊っぽいの。
けれども。
明らかに異常。
行動が緩慢、しかも発見時からかなりのケガをしている。
いやね、消化器官らしいのを引きずっているとか骨らしいのが外に出ているとか。
狩りそのものは終わった。

犬たちも反撃を受けてかなりの大けがをしているが、皆平然としている。

ちょっとヤバさをかんじるのでそそくさと別れて車で移動を再開。

走りながら思い返す。
懐いた犬もいたけど。
色々と外見が変だった。
関節が外れてんじゃね?ってのや、皮膚がめくれてるよねってのや、酷い匂いの液体を垂れ流しているのも。

人は服を着ていたので中がどうなっているのか。
緩慢な行動の人もいたし。

共通するのは急な速さの発揮と馬鹿力の発現。
最初は不審に思えなかったが。

取り敢えず舗装路を走っていると山の景観が凄く異常。
何だあの紅葉の大和新緑の山が連なってんのは、しかも形は桜っぽいが青い花ってのは・・・。
そして人工的に植えられた山を見付ける。しかも舗装路が縦断しているらしい。
綺麗に等間隔で並んだ木々。しかも間隔が広い。

途中でハマっている軽トラが居たので救助。
老夫婦が乗っていた。
更に助けて欲しいと依頼されて案内されると。
いや・・・何でそこに入れられたって言う状況を見た。

狭くて段差のある場所に2トンロングの四駆トラックが無理に突っ込んで注射した居る。
この車、仕事で使った事が有るのでパワーが無いし車高が高いし長すぎて小回りが利かないので不便なヤツだ。
誘導してもらいながらどうにか道に出す。
しかし使うクルマの後ろで道を作るために水引や工事準備するのだろう?
壊れてもいいってんで強引に出す。

何とか出せたが、やはり壊した。
で、老夫婦がもう一度水引をするが、まるで漫才な会話が色々と。
だから駄目だよ!ギリギリだけどはみ出ているの!
いや、眼が都市でよく見えないし、膝も痛むんだよ・・・

微妙にかみ合わないよな、この会話。
まあ、感謝されて再び出発。

その車内。
さすがにもう認めるしかないなあと。
攻撃的な行動が無いけど、よくあるゲームや映画の題材だよな・・・。
リアルで見るのは初めてだが。
設定で有るのは感染型の微小生物やウィルスにファンタジー物の定番のリビングデッド。

・・・・・。

山頂で見下ろすと街が見える。
行って見よう・・・。
あの列車の事も有るし。

街に着いた。
実に普通に人達がいる。歩いてはいる。
犬の散歩の子供や老人、アベック。サラリーマンにしか見えない人達。
一見何の変哲も無く見えるが、クルマの通行が無い。
信号機も点いていないが店が開いていて、客の出入りが有るし、中は明るい。

しかし。ここもか。片っ端等から声を掛ける。協会は何処ですか?高校はどっちに行けばいいですか?病院は?等々。
堪えはあいまいで同じ質問に全く違う答えが返っても来る。
しかし対向車が一向に来ない。

車の通行と言えば、俺、給油に出たはず。
記憶が曖昧?あれ・・・もしかしてヤバいのか?

そう言えば通院していたっけ。

何の病気だ。
そこまで思考して全く不意に悲しくなって来た。
何で。
痛い。心が・・・。

気が付くと号泣していた。
涙が止まらない。

この街には生きようとしている人たちが大勢居る、途中の出会った人達も。

頑張っている。
それが判った。
心に滲みて来た。

不意に思い出すのは母だ。
仕事の帰りに虫の知らせで急いで帰ったら倒れていた。
何を言っているか分からない。
救急車を呼び病院へ。

脳梗塞だ。
医者がどんな状況か分かるか聞いてきた。
解る訳ない。
怒られた。脳の一部が水の様に崩れて再生できないとか。
この医者の態度には内心起こったが、それよりも驚きが勝っていて、多分顔色が酷くなっていたと思う、医者の態度が軟化したからよっぽどだったのだろう。

それから。俺の20代後半から30代の10年間が介護と施設に預けないと仕事も出来ないのでその入所費に給料の半分が消えていく。
一戸建てのアパートの家賃に長距離通勤の足代、仕事で出張が半分工場が半分。高速や燃料代を此方が支払って生産する。
節約するには食費を一万に抑えるしかない。施設には10万出しておつりが数枚の硬貨、2月は百円玉1枚と一円玉数枚。

痩せた。一気に。
70キロ後半が50キロ前半に。恐らく最後は50キロ以下だった蝋、フラフラだった。
もう少し掛かって居たらこっちが先にダメになっていたと思う。
幸い新しく特養ホームが出来て優先して入れた。

けど、良くはならない。
時間と共に悪化していく。
面接に来いと催促が来るがこっちは仕事をしないと生活も有る。
仕事も現場に出ていると緊急連絡が来ても解らないので製造の派遣に変えた。
遅く出来た俺は一人っ子で父親が中学卒業後すぐにの時に二輪車の事故で他界した。

中学の時に登校拒否してたら首を絞められたっけ。

・・・。
あれ?俺今何歳だ。鏡に映る顔はまだ若いけど、一人きりになって20年近かったんじゃなかったっけ。
え?50才とかだよな・・・。

もう運転できずに路肩に寄せて止めた。
涙がもう止まらない。

外へ出る。

号泣している俺に気が付いた人達が集まって来る。
慰めの言葉がかけられる。
丸く幾重にも囲まれて心配してくれる人達。
散歩中のイヌまで花をスピスピ言ってくるし、猫も寄って来てゴロゴロと喉を鳴らす。

それがさらに涙を流させる。

声が聞こえる。けど俺の声だと判ったのはしばらくかかった。
俺は泣きながら謝っていた。

ごめんなさいと。

言葉になっていない声でひたすら謝罪を口にしていた。泣きながら。

そうだ、俺は鬱病になっていたんだった。
そして医者から休職して治療に専念するように診断書をかいてくれたので、工場内にある所属している派遣会社に提出したら退職届を書かされた。

体力的にも精神的にも限界で言われるまま書いた。

辛い療養生活が始まった。

傷病手当金が支給されるが、食欲は無く2~3日に一回食べるかどうか。
希死念慮が酷いし、急に依然痩せた時に足の親指の付け根が疼いていたのが何年も経って激痛に襲われ、痛風と診断されたのが鬱病の所為で再発。しかし、居た見方が点々として数分で位置が変わる。心因性疼痛と言われたので調べると鬱になると痛みが出る事が有るそうで向精神薬の要因で出る事も体質であるとか。

なんだかんだで、酷く焦燥していて、給油を口実にして帰らぬ外出を考えて出発したんだった。

だから謝罪にこの言葉が繋がった。

ごめんなさい、死のうとしてごめんなさい。


いつからか俺の意識はブラックアウトしていた。
目が明けた時には看護師さんが何か言っていたが理解できなかった。
慌てて出て行ってしばくして医者が駆け込んできた。
何か言っているが判らないし、体はまるで感覚が無かったように動かない。けど上半身を起こされて何やらやっている。

横にされて後で検査だと言われた辺りから意識がはっきりして来た。

で、定番のセリフを言って見たくなったので言って見る。
しらないてんじょうだ

その後は検査されて異常は無し、親戚や友人、一緒に仕事した人たちが見舞に来てくれた。

暫くして、俺が発見された時の説明がされた。警察から。

・・・。

そして不可思議な事も出て来た。

先ず、燃料の切れた車の中で突っ伏しているのが発見されて汲々と警察が対応。
俺即入院。

場所はいつも行く隣町の激安なセルフじゃないガススタの少し先。
発見通報は底の店員で、いつもの車が来たと出迎えようとしたら様子がおかしい。
運転が覚束ない以上に車体がガクガクしている。燃料切れで惰性で走っているがエンジンが止まりかけているせいだ。

つまり予定の場所に行っていたことになる。道中は全く知らない場所を走っていたけど。
しかも、記憶というか体験がなあ・・・。

不思議なのは走行距離。
いつもは大体同じ燃料計の針位置だけど今回は酒屋カーブで警告灯が点く状態だった。
燃費記録を付けているので、給油中か出発前に予め書いてしまうのだが。

書いてあった予定の距離が大幅に長かった。
150kmは違っていた。
確かにあの間に給油とかしていない。

それに。
車が違う・・・。
所有していたのはハイブリッドでもクリーン車でも無い。若い頃に買った排ガス規制対象の車両だ。
同じなのは四駆位。
あの間の車は最先端だったし、整備技術を何故か持っていた。
今は出来ないし、そもそも車が異なる。

けど。けれども、借りて返すのを忘れた工具が載っていた。
確信を持っていたその工具で治せるの記憶は有るが、メーカー名も形状も現代ではありえない品物だった。

もう一つ。
上着はその当時に来ていた物だけど、下着はあの時にもらった品だった。

更に日付け。
あの間の時間が此方でも同じに経過していた。
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