スラムの悪ガキが異世界転生ソロ冒険者の物を盗んだら一緒に旅をすることに!?

和吉

文字の大きさ
130 / 192

納品完了!

しおりを挟む
「二つとも浄化の魔法が掛かっているので、汚れなどは気にしなくても大丈夫です。それと、俺の魔力が入ってるので一緒に寝ると眠りのお守りぐらいにはなると思います」
「素敵な贈り物をありがとうございます」
「ルウ、ララ大事にするんだぞ」
「「は~い」」

 念のために二つのぬいぐるみに掛かっている魔法をシュナイザー様とリリー夫人に説明しておく。二人のお守りになるように考えながら作ったから、もしかしたら予想外の動きをするかもしれないけどシュナイザー家の人達を傷つけることは絶対にしないから大丈夫だと思う!俺の説明を聞いてリリー夫人は丁寧にお礼を言い、シュナイザー様は近くに居たサピロさんに目配せをしたがサピロさんが首を振ったので少し笑っている。

 俺が作った物は基本的に鑑定出来ないからな~でも、鑑定出来ないからって物凄い効果を持っている訳じゃ無いんだぜ。

「お兄様~」
「見てみて良いでしょう~」
「あぁ、とても精巧なぬいぐるみだな。ふむ、見た目より凄く柔らかいのだな」
「そうなの~」
「モフモフ!可愛いよね~」

 双子はテセウに自慢するかのように見せ、それに笑いながらぬいぐるみを触ると見た目より柔らかい質感に驚いてくれたみたいだ。

「そうなのですね。ララ、ルウ、母様にも触らせて頂戴」
「はーい」
「どうぞ!」
「うふふ、ありがとう。あら本当だわ。まるで羊毛の様に柔らかいのですね」

 呼ばれた二人は嬉しそうにリリー夫人の元に行き、ぬいぐるみを触らせてあげると柔らかな質感に驚いた顔をした。

「錬金魔法のおかげか」
「はい。羊毛の柔らかな性質をウルフの毛皮に合わせたので、見た目は本物様ですけど、質感は柔らかにすることが可能なんです」
「ふむ・・・・こうやって次々と錬金魔法で作られたものを見てしまうと、俺の町にも一人は錬金魔法を使える人材が欲しくなるな」
「そうですね・・・・付与魔法を使える方は高齢で引退されてしまったし、魔道具を揃えるためにも付与魔法か錬金魔法を使える方が一人でも居て下さると良いですね」
「サピロ、今回の移住者希望者に有望な奴は居たか?」
「残念ながら・・・・錬金魔法は高度かつ必要となる素養と才能が多いですから、熟練した方は中々見つけられません」

 町の中に居て欲しい人材としては、居るか居ないかだけで生存率に関わる薬師に食料の確保のための農民そして道具を作る鍛冶職人に魔物達と戦う衛兵か冒険者、もしくは狩人。それに、魔道具などを作れる付与師か錬金術師だな。これらの人々が集まっている町は安定すると言っても過言じゃ無いだろう。

 だが現実的な話をすると狩人や薬師、鍛冶職人までなら集まるだろが魔法を使える人材はそうそう居るものじゃない。俺達が今まで出会ってきた冒険者やシュナイザー様達を見ていると魔法はありふれている物に見えるが、本来は学院や師匠に習わなければ魔法は使えないし、そもそも魔力を持っていなければ使えないのだ。しかも魔力を持った人間は少なく、魔力を持っていたとしても魔法を使えない人間は山程いる。魔法と言っても種類が沢山あるし、付与魔法と錬金魔法は長年修行しないといけない魔法だから、数が少なくどの町でも囲い込んでいるから中々見つからないんだよな。

「そんな目で見ても、俺は留まりませんしこの館にあるような魔道具は今の俺には作れませんからね」
「そうなのか?クロガネの様子を見ていると十分作れそうなんだが」
「空間を維持したり、結界を展開したりする魔道具は構造が複雑かつ魔法も複雑なんで今の俺じゃ無理だな」

 無理だと言う俺にテセウは不思議そうに言うが、今まで作ってきたものは構造と効果が単純な物ばかりなんだ。俺の魔力の所為で効果が強力になっているけれど、錬金魔法で作った構造物と言う点でみるなら、初歩の初歩だな。

「そうなのか」
「錬金術師は欲しいが、こういうのは巡り合いだからな。・・・・ついに明日で別れか寂しくなるな」
「クロ~」
「いなくなるの寂しい!」
「俺も寂しいですけど、そのぬいぐるみを俺の代わりだと思って可愛がってくださいね」

 シュナイザー様の言葉を聞いてぬいぐるみを貰って上機嫌だった双子が涙を浮かべ寂しそうにするので俺は二人の頭を撫で慰める。最後の思い出を作るために、二人に色々な話を聞き、俺も自分の今までの冒険の話を沢山してあげる事にした。寂しそうにしていた二人は冒険の話に目を輝かせ、恐ろしい魔物の話には私達が倒すと威勢が良くなったりと楽しい時間を過ごしていると・・・・

「んむ・・・・」
「まだ起きてる・・・・」
「明日の朝お別れは言いに行きますから、その為にも今日は寝た方が良いですよ」
「んぅ・・・・」
「・・・・」

 話している内にパーティーで元気よく走り周っていた二人は眠くなってしまったようで、目を擦りながら襲い掛かる睡魔と戦っていたので俺は優しく頭を撫でているとやがて睡魔に負けて眠ってしまった。

「あらあら寝てしまいましたね。貴方、私は二人を寝室に移して来ますわ」
「あぁ、それなら俺が運ぼう」
「お願いします」
「それじゃあ、俺は残りの魔道具を作ってきます」
「俺も一緒に行こう」
「俺も良いか?」
「ご自由にどうぞ~」

 双子が眠ったことによって俺はテセウとブレストと残りの作業を終わらせるために倉庫へと向かい、リリー夫人とシュナイザー様が双子を寝室へと運ぶために食後のティータイムは終了となった。二人を長い間待たせるのもあれだし、夜になって少し肌寒くなってきたのでさっさと済ませよう。俺達は急ぎ足で倉庫へと向かい、中に入るとさっきと同じよう自分がやり易い場所に移動させ地面へと座った。

「さて、やりますか」
「魔力はもう大丈夫なのか?」
「おう、飯食べたから回復したぜ。それに、後はこれだけだからそんなに沢山の魔力は要らないんだ」

 錬成を始めようと一つ鉄のインゴットを手に取ると、それを見たブレストが思い出したかのように聞いて来た。

「そう言えば、一つ一つ錬成しているが一度に全部錬成することは無理なのか?」
「無理じゃ無いけど一度に全部の錬成をするとなると、それだけ大量の魔力と一つ一つを区別するための繊細な魔力操作が必要になるから、今の俺じゃ無理だね」

 熟練した錬金術師であれば一度に大量の錬成を行ううことが出来るけど、俺はまだ細かな操作が甘いから分解は出来るけど、一つ一つ細かく錬成するのが無理だろうな。

「んじゃ、さっさと終わらせるから少し待っててな」

 俺は二人の注目を浴びながらも気にせず、集注して次々と錬成をしていく。流石にこの数をこなすと、この錬成に慣れてきてスピードも上がったしコツを掴んだから魔力の消費も少しだけだけど削減出来るようになってきた。今はこの簡単な魔道具で満足だけど、もっと改良して行く行くは火力も上げたいな~

「相変わらずの速さと集中力だな」
「クロガネはこういった作業が得意のようだな」
「コツコツ毎日同じことをするのが得意ですから、一つの事に集中するのも得意なんですよ」
「クロガネは本当に多彩なのだな」
「本人はその自覚が無いみたいですけどね」

 まさかこんな大量に作ることになるとは思ってもいなかったけれど、結果として錬成の速度が上がって戦闘中にも問題無くこれを作れるようになって、しかも金も大量に手に入るとかウハウハだぜ。金はある程度溜めて、なんか珍しい物とか宝石とかがあったら使うようにしよっと。

 外部の情報を遮断し自分の世界に入って作業している俺は二人の会話を一切聞こえる事無く作業しあっという間に注文された数を作り終えた。

「よし、終わり~」
「先程より早くなっていないか?」
「慣れましたからね」

 あっという間に終わった作業にテセウは驚いているが、俺は気にすることなく錬成した投げナイフを纏まった場所に集め分かりやすく置いておく。

「それじゃあ、シュナイザー様に報告して今日は終わりだな!」
「あぁご苦労さん」
「お疲れ様」

 俺達は倉庫に鍵を掛け、問題が無いことを確認した後館へと報告に戻るのだった。
 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...