星を掴む

✣❍*月ヶ瀬紫飽

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蒼空目線 輝き

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急にあんな事口走ったりして…何考えてんだ俺?

蒼空「はぁ…焦り過ぎだろ」

放心状態の彼女を置いて俺は図書室を足早に去った。

いつだったか…俺が彼女を最初に見たのは人の居ない空き教室だった。大会終わりだったんだろう、弓道部に所属している彼女は袴姿のまま教室で泣いていた。

不謹慎かもしれないけど夕日に照らされながら涙を流す姿が凄く綺麗だった。それからは気がつけば目で追うようになってる

涼介「な~にしょげてんの蒼空」

蒼空「…涼介?お前いつから居たんだよ…てか汗臭い…気持ちワリィな」

涼介「こちとら部活終わりだわ!wんで?なんでこんな校舎の隅で丸まってんだよ」

涼介はサッカー部の部長をしてる。元々人と絡む事がそんなに好きじゃなく孤立していた俺にうざ絡みして来て今でも関係が続いてる…なんだかんだ言って仲は良い方だとは思う…

涼介「人の顔ジッとみんなよ…んで…何かあったの?また愛舞ちゃん?」

蒼空「お前殺す」

涼介「ちょーいちょいちょいちょい!俺なんで急に殺されなきゃならんのじゃ!」

蒼空「愛舞さんの事下の名前で呼ぶな下衆が」

涼介「怖いよ!?まさかお前まだ愛舞ちゃんの前で【木村さん】呼びなの?」

蒼空「悪いかよ!」

涼介「相変わらず感情表すのど下手くそだなぁ…」

本気で絞め殺してやろうかな…それか足折るか…?

涼介「て言うかさぁ…大会の関係で部活続いてる俺とは違ってお前文化部だったからもう引退したじゃんwなーんで未だに校舎残ってんの?」

蒼空「…勉強」

涼介「図書室の外で?」

蒼空「うるせぇよ!」

涼介「認めなって~親友の淡い恋心応援したいんだからさ☆」

うわぁ…絶対楽しんでるだけじゃんウッザ…

蒼空「別に…俺はこの関係がどうなるかなんてわかんねぇよ…」

涼介「…なんで?」

蒼空「…お前こんな言葉知ってるか?【男の恋は保存式…女の恋は上書き式】」

涼介「何それ?」

蒼空「相手が忘れて新しい恋を見つけても忘れられずに残る気持ちがあるんだ…いつかは離れるかもしれねぇ…その時に辛くなるのは俺だ」

どっちから離れるかなんて分かんねぇし…俺から離れる可能性だって…

涼介「そんなん関係ねぇだろ?好きなら好きでいいじゃん」

蒼空「…お前のそ~ゆうとこ嫌い」

涼介「えぇ!?」

こいつ位素直になれたら…少しは変わったのかな

涼介「てか蒼空は冬休み何すんの?」

蒼空「受験勉強」

涼介「またまた~休みまで勉強してたら過労死するってw愛舞ちゃんとはなんか話してないの?」

蒼空「スカウト勢と違うから勉強しないと何だよ。愛舞さんとは…」

そうだ…俺デート誘ったんだった…日程決めないとな…

涼介「急に黙るなよ…てか何ニヤついてんの?」

蒼空「ニヤついてねぇよ!俺もう帰るからな?」

涼介「え?ちょ…蒼空~!?」

そっか…さっき愛舞さんとライン交換出来たんだ…やべぇ…めっちゃ嬉しいw

蒼空「…でも…あんま連絡入れると迷惑かな…」

冬休み…それが終われば俺は卒業する…どうせ気持ちを伝えるなら…

蒼空「クリスマス…とか?そんなキャラじゃねぇけど…w」

とにかくライン送ろ…空いてるといいけど…

返信はすぐに帰ってきた

蒼空「空いてる…良かった…wクリスマスデートかぁ…何しようかな」

映画…買い物?散歩とかでもいいなぁ…何食べようかな…今から楽しみ過ぎてヤバイw
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