君は明日死ぬのだろう

捨て犬

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神は自らに似たものとして人間をお創りになられた。
そしてその者たちを地上へ遣わし安寧と見守ることを約束した。



神官アルベルトと巫女シズクは神殿で最も厳かで立派なつくりをした主神。女神像の前まで歩いてきた。
そして一日のはじめとなる巫女の祈りをシズクに課す。
シズクはアルベルトの教えた通り、祭壇の前まで来ると女神ラフィアを仰ぎその前に膝をつく。
そして静かに目を閉じると祈りを始めた。

「祈りの言葉ですか?はじめはなんでもよろしいのです。大切なのは女神神への偽らない心こそが大切です。あなたなりの言葉でご挨拶とこの国の平和でも祈ってください」

最初からこの世界の知識もない人間に難しい祝詞などを覚えさせようなどとはアルベルトは考えなかった。
無理矢理にこちらの世界に引き寄せてこちら都合の勝手なお願いで巫女になっていただいている自覚がアルベルトにもあった。そのため、できうる限りの配慮を。そのくらいの心配りはアルベルトにもあった。

アルベルトの言葉に、何を考えているのか一拍遅れて理解したのかシズクがうなずいたのを覚えている。

彼女は召喚された時、泣いていた。
アルベルトも召喚者としてその場にいた。そのシズクの姿を実際に目にしたものとして
思うところがないわけではない。異世界に対してただ素直に優れた場所から来た。とも思えなかった。

「私が言うことで無理だと思うことは素直に申告してください。貴方は私たちに恩恵をもたらしてくれる存在。代わりのいない尊い人です。私もできうる限り貴方に寄り添いたいと思います。」

アルベルトなりに真摯に巫女となる少女に語り掛けた。
元居た世界が不幸だったのならこちらの世界でアルベルトたちが導けばいい。
神官らしく過去にも傷ついてきた者たちを見てきたアルベルトは少女に自分の着ていたローブをかけた。


「神官さま、祈りが終わりました。」

瞑想していたシズクが胸の前で握っていた手を放し眼を開いてアルベルトを見上げた。
アルベルトはうなずいてその頭を撫でた。

「そうですか。きっと良い祈りができたのでしょう、ありがとうございます。では次にまいりましょう。」

アルベルトの撫でる手に少しうれしそうに顔をほころばせた少女に
この世界に呼んだものとしてアルベルトは責任を持っている。彼女の庇護者として
全力でサポートしていくことを決意している。
まずは知の庇護者たる神殿で自分のできうる限りのこの国常識、生きるために必要なことを
アルベルト自身が彼女に教えるつもりでいる。

「ここは広い分、冷えますので次は暖かい部屋で歴史と聖女の力についての座学にしましょう。」

シズクについてくれている侍女にはあらかじめ紅茶とお茶請けとなるお菓子の準備も頼んでいる。
アルベルトはシズクの歩調に合わせて少しゆっくりとした足取りで歩を進めた。







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