男女比崩壊世界で逆ハーレムを

カッシーナ=デルベスside

ガッシャアアァンッ！！！




「落ち着いてください！お怪我をしてしまいます！！」


「うるさいわね！！」


「尊い御身に傷がついてしまいます！」


「うるさい！！部屋から出て行きなさい！」


「…………では控え部屋におりますので何かありましたらお呼びください」




　カッシーナはパーティーから帰り部屋についた途端、物を壊し始めた。




「何で？何で何で何で！！
私こそがファウスト様に最も相応しいのに！」




　当日エスコートは無かったけど、わたくしとファウスト様の婚約が決まったと陛下が言われ、壇上に上がるよう言われるのだと思っていた。


わたくし以上にファウスト様に相応しい人はいないと周囲の人達も言っていた。なのに！！




「わたくしがファウスト様と結婚するんじゃなかったの！！？」




　ファウスト様も「実は縁談が進んでおりまして。
近々婚約式が行われる予定です。是非楽しんでいってください」って………………


そこでカッシーナは気づいた。


ファウスト様は一言も自分との縁談が進んでいると言っていないことを。




「楽しんでいってくださいって何よ！」




　結婚すると思っていた相手が他の人と結婚して、
その婚約式を楽しめるはずがないじゃない！！


楽しんでいってくださいって言っていたから豪華な式なんだろうなとか、羨望の眼差しを向けられる様子を思い浮かべていた。
なのにパーティーに来ていた他の女や男から向けられたのは驚愕の眼差しと哀れみのこもった目。




「…………わたくしはカッシーナ=デルベス。
由緒正しき侯爵家の娘よ。

ファウスト様の妻の座を奪われてたまるものですか」




　成人もしていないあの女にとられてたまるものですか。




「ふふふ、何をしようかしら」




　第1夫より第2夫以降が爵位が上であってはならない。王族は第1夫という暗黙の了解。
それを知らないバカはどういった手段に出るのか。


全ての食事に鑑定をし、毒味する。
王子の妻だから騎士・暗部の護衛有り。


厳重な警戒体制を敷かれているがどうやって突破するのか。唯一警備が薄くなるのはパーティーといったものだが気づけるのだろうか。