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三木風雅ルート

入学式1~出会い~

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 今日は麗龍学院高校の入学式。高校としては珍しくリンクを有していたのが志望した理由だ。
勉学・部活動の両方に力を入れており、勉学では帝国大学合格者を数多く排出し、部活動ではオリンピック代表がいたりする。まさに文武両道を体現していると言えるだろう。


 12歳のデビュー戦以降着実に結果を積み、
四大陸選手権・世界選手権・世界国別対抗戦・
ジャパンオープン・ロシア杯・全日本選手権で連覇している。




「ねえ、造花を着けてもいいかな?」


「あ、はい。」




 新入生に造花を着けるのは3年生の役目らしい。




「君、フィギュアスケーターの椎名さんだよね?」


「はい。」


「俺はフィギュアスケート部の部長の三木風雅。
顧問から話は聞いてるよ。」


「はい、高校生の間はここを拠点とするつもりです。
お世話になります。」


「こちらこそ。本来ならば新入生は仮入部を終えてからの正式入部になるんだけど、仮だとリンク使用時間とかに制限があるから特例で直ぐに正式入部できるようになっている。

担任から紙を渡されると思うから、記入したら俺のところに持ってきてくれる?」


「どこに持っていけばいいですか?」


「3ーAに来てくれる?生徒会室で色々と話をしたいんだけど近いとはいえ校舎外にある上、警備の観点から生徒会に属していない人は1人では入れないから。」


「分かりました。」


「ん、これでOK!

入学おめでとう。一緒に活動するのが楽しみだよ。」




 スタスタと振り返ることもせず、案内にしたがって
教室へと向かう彼女。
自分で言うのもなんだけど顔が整っているから女の子は
キャーキャー言ってくる。今も。




「ふーん。」




 自分は3年で彼女は1年。一緒の学校に通うのは1年だけ。




「楽しみだ。」




 三木風雅は3年生。3年は1年に造花を着ける訳だが、
着けたのは椎名楓だけだった。他の人には着けないとばかりに踵を返し、生徒会室へと向かった。


 一方楓は1ーAの教室に来ていた。黒板に張ってあった座席表を見る。廊下から2列目の前から2番目のそこはよくも悪くもなく。窓際の1番後ろで寝たかったと呟く。




「そうだよな!俺も窓際の1番後ろがよかったぜ。」


「?」


「あ、俺は火村蓮。樹と蒼真は中学の同級生で仲がいいんだ!」


「椎名楓です。よろしくお願いします。」


「時雨樹。」


「八重崎蒼真です。よろしく。」


「蓮、私のことも紹介してよ。」




 後ろの方から声がした。彼女は自分の左隣の席のようだ。




「おお、そうだった。こいつは幼馴染みの久保田栞だ。」


「よろしく、椎名さん。」


「楓でいいよ、久保田さん。」


「じゃあ私のこと栞って呼び捨てでいいよ。

楓。」


「ふふふ、栞。」


「講堂に行くぞ。1番の人から廊下に並べ。」


「あ。」


「じゃあ行こっか。」




 中学では色々と忙しくて友達はあまりいなかったけど
高校では入学式当日に仲がいい子ができた。
友達100人とは言わないけど、それだけ沢山の友達ができたらいいなと思う。
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