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三木風雅ルート

入学式2~自己紹介~

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『皆さん、入学おめでとう。
麗龍学院は文武両道を体現している高校だ。
入学したからといって油断せず……………』




 校長の挨拶が長いのはどこの学校でも共通することなのか、段々とうとうととしてきた。


A組は最前列だから寝たら目立つ。
手の甲をつねってるんだけど、力が抜けてきた。


 隣の人がトントンと叩いて起こそうとしてくれているみたいだけど、それすらも眠りを誘う。




『次は生徒会長の挨拶です。』




 ざわついた。


 ざわついたことへの興味よりも眠気が勝り、
椅子に座りながら目を瞑り、寝た。


 その様子を生徒会長がじっと横目で見ていたことを
本人は知らない。




「楓。」


「ん?ふわぁっ。」


「入学式が終わるわよ。」


「もうそんなに経ったんだ。」


「確かに眠くなるのは分かるけど。」




 談笑しながら教室へと向かった。




「栞。」


「あ、友紀。」


「森崎友紀です。栞とは中学校が一緒だったの。」


「椎名楓です。気軽に楓って呼んでね。よろしく。」


「私のことも呼び捨てで。

委員会はどこに入るか決めた?
ちなみに私は編集委員。」


「ん~、図書委員かな。本は好きだし。」


「女子2人を募集している委員会が無いのは残念。
友紀か楓と一緒の委員会に入りたかった。」




ガラッ




「おーい、席に座れ。」


「じゃ、またね。」


「うん。」




 教室へ入ってきた教師は自己紹介を始めた。
イケメンの登場に女子は色めき立つ。




「担任の秋篠宮雅人だ。これから1年間よろしくな!

じゃ、早速だが自己紹介タイムだ。
出席番号1番から。」




 1から9はモブなので割愛しよう。




「久保田栞です。バスケ部に入ります。
よろしくお願いします。」




 次は自分の番だ。前世や中学で経験しているとはいえ、何回しても緊張するものだ。




「椎名楓です。趣味はお菓子作り。
部活はフィギュアスケート部に入ります。
これから3年間、よろしくお願いします。」




 ふい~。




「時雨樹。」




 おい、随分と簡潔な自己紹介だな。
素っ気ないなとか思ったが女子のざわめき曰く、
クールでカッコいいとのこと。




「白井香です!趣味はお菓子作り。
これからよろしくお願いします!」




 14から23は割愛する。




「火村蓮だ。サッカー部に入る。これからよろしく。」




 にしてもイケメン率が高いよなあ。


 25から27は割愛する。




「森崎友紀です。編集委員に入ります。
これからよろしくお願いします。」


「八重崎蒼真です。高校3年間過ごす上での目標は
成績の向上。
これからよろしくお願いします。」




 ちなみに八重崎蒼真は入試を2位で通過している。
成績の向上と言うがそれ以上とは首席を狙っているということ。2位という順位に慢心しないところは素晴らしい。


成績順位は1から50までの人のが張り出されるらしい。
最下位の人のを張り出さないのは配慮ゆえにだろう。


 30の人の紹介も割愛しよう。
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