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三木風雅ルート

体育祭はイベントの宝庫

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「1年S組、優勝するぞ!」


「「「「「おおーっ!!」」」」」




 うちのクラスの団結力はばっちし。学力ではトップだけど運動ではダメダメだなんて言わせない。


観覧席は屋根があるけど生徒用の席は無い。
だから暑さ対策グッズを持ってきた。
水で濡らすだけで凄く冷たくなるタオル・氷嚢・
キンキンに冷えた飲み物。


保健ブースで保冷剤を貰うことは可能だけど
限りがあるしね。




「うう~、緊張する。」


「楓は試合で沢山の観客に見られてるじゃない。」


「それとこれは別だって。」




 開会式や綱引きは特筆すべきところはないので
とばそう。




『次はクラス対抗リレーです。
選手の皆さんは所定の位置に集合してください。』




 順番は栞・美琴・千春・自分。
最初に1年、次に2年、最後に3年。
で女子が終わったら男子のクラス対抗リレーだ。




『位置について。』




 うう~、この時間が緊張感あるよね。フライング覚悟で飛び出さないと皆より一歩リードできない。




『よーい、パンッ!!(銃の音)』


「栞、頑張れ~!」


「行け~!」


「頑張れ~!!」




 栞が何mかリードしている。
そのまま美琴にバトンが渡り、少し差は縮まったものの
問題ない。このまま順調に行けば………


千春にバトンが渡り、セーフティーゾーンに入り、
後少しでというところで千春が転んだ。




「千春!」




 セーフティーゾーンの中だったし、手にバトンを
持っていたので直接取りに行った。




「私のことは気にしないで!」




 ドラマのワンシーンみたい。


 千春が転んだことを気に負わないためにも1位で
ゴールテープを切ってみせよう。
転んだことで抜かされてしまったものの、
栞や美琴でリードしていたからそんなに離れていない。




「楓~、頑張れ~!!」


「椎名~!!」


「行け~!」




 アンカーは他の人より1周多く走らなければならない。そんなに離れていなかったので難なく抜き去り、
見事1位で女子のクラス対抗リレーを終えた。


 クラスの人曰く千春はまだ保健ブースとのこと。
男子のリレーはそこからでも見れるので様子を見に
行くことにした。




「千春。」


「楓、ごめんね。ごめんね。」


「1位でゴールしたんだからそれでいいじゃない。
終わりよければ全てよしって言うでしょ?」


「でも~。」


「楓ちゃん、速かったね。」


「あ、風雅先輩。」


「あっという間に抜き去って行って。
あんなに速かったんだね。」


「まあ……。」


「ええーと、千春ちゃんだっけ?」


「はい。」


「結果的に1位を取れたんだし、気に病まなくてもいいんじゃない?」


「………そうですね。楓、私午後の種目で挽回する!」


「その意気だよ。」




 風雅先輩にお礼を言う。




「ありがとうございます。」


「ははは、お礼を言われるほどのことでもないよ。
それより、自分もクラス対抗リレーに出るんだ。
応援してくれる?」


「勿論ですよ!風雅先輩は同じ色ですし。」


「……ソウイウコトジャナインダケドナ。」


「え?」


「何でもない。頑張るから!」


「はい!」




 一見怪我をしてそうに見えなかったけど、
何で保健ブースにいたんだろ。
生徒会役員だから見回りでもしてたのかな。
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