上 下
18 / 29
三木風雅ルート

アイドルの如く

しおりを挟む
『次は3年生による、クラス対抗リレーとなります。
選手の皆さん、入場してください。』



きゃあああああ!!!


五来様~!!


風雅様~!!


東郷様~!!


バタンッ




 まるで国民的大スターが登場してきたかのようだ。


 五来透は麗龍学院の生徒会長で御曹司。
ハイスペックな彼はモテるモテる。
女嫌いで名前を呼ばれることを嫌うため、名字呼びでの歓声だ。


三木風雅はTHE王子様の風貌だ。
普通に女子と話すし、物腰が柔らかい。
下の名前で呼んでも特に咎められない。


東郷竜也は例えるなら騎士。
顔は整っているががたいいいからだ。
勤勉実直で男女両方に慕われる兄貴タイプ。


 …………倒れた人がいた。熱中症の可能性があるから
保健ブースに行こうね?




『位置について。』




 Sクラスはこの3人+誰か分からない人が1人。
?→風雅先輩→東郷竜也→五来透の順番。




『よーい、パンッ!!(銃の音)』




きゃあああ!!


速いわ!!




「相変わらず凄い歓声だね。」


「いつもはファンクラブが目を光らせてて
近づくことも話しかけることもできないけど、
今日は体育祭だからね。
応援するなって訳にもいかないでしょ。」


「ファンクラブ?芸能人みたいだねえ。」


「そこの3人にもあるみたい。」


「え!?」


「お、呼んだか~?」


「何でもない。

にしてもSクラスは断トツね。
流石生徒会の方々と風紀委員長だわ。」




 勿論1位でゴール。他のクラスも選抜された人だから
速いんだろうけど、半周差くらいついていた。




「楓ちゃん!」


「………風雅先輩。」




 嫉妬の視線が………あれ?微笑ましい光景を見ている
ような目をされてるんだけど。
まあ嫉妬の目線を飛ばされなくてよかった。




「俺の活躍、見ててくれた?」


「凄かったです。」


「因みに午後の種目は何に出るの?」


「借り物競争と色別対抗リレーです。
先輩とは同じチームですし、足を引っ張らないように
頑張りますね!」


「そっか~。
借り物競争は毎年変わったお題が入っているからね。
去年は【校長の鬘】【イケメン】【好きな人】とか
だった、かな。」


「ふふふ、じゃあ【イケメン】だったら風雅先輩を
連れてゴールしますね?
分かりやすい所にいてください。」


「近くで応援してるよ。」




 午前の種目は終わり、お昼の時間となった。
生徒は教室へ戻り、弁当を食べる。今日は学食は無い。




「「「いただきまーす!」」」




 パカッと開いた弁当箱。友紀は自分で作ったらしい。
彩りが良く、女子力の高さが伺える。
自分も朝早く起きて作ったけど、唐揚げ・プチトマト
サラダ・ご飯・フルーツと一般的なメニューだ。
アスリートだから油系をガッツリ食べれないのが残念。
引退したらスイーツ食べ放題に行きたい。




「おいしっ!唐揚げ凄くカリカリしてるね。」


「ありがと。余分な衣を落として二度揚げしたの。」


「はい、卵焼き。」




 おかずを交換するのも運動会の醍醐味だよね。
普段もしてるんだけど。


 腹ごしらえが済み、校庭集合の時間となったので
皆と一緒に移動する。午後の最初の種目は借り物競争。
変なお題に当たらないようにと祈った。
しおりを挟む

処理中です...