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三木風雅ルート

新学期~修学旅行についての話し合い~

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 まだまだ暑い9月の新学期。
日本は春夏秋冬と四季がハッキリとした国だったが、
4月~10月前半が夏で10月後半~2月が秋並みの気温と
二季みたいになっている。


数回のおでかけを除けばスケートリンクがある建物に
いた自分は非常に恵まれた空間で過ごしていたと言えるだろう。


 9月は修学旅行(国内)、10月はジャパンオープンや
文化祭がある。大会と文化祭の日程が重なっていなくて
よかった。


私立なのに国内での修学旅行?とか思う人もいるだろう。国外に行かない代わりに宿のグレードが高いのだ。
バスも旅行会社のではなく、学院の所有しているもので
改造されており、現地に到着するまで快適な時間を
過ごせるだろう。




「中学校とは比べ物にならないわあ。」


「ね。」


「持ってくるお小遣いは無制限。
その代わり自己管理徹底だって。」


「そこ?確かに中学校の修学旅行はお小遣い制限されてたけどさ。」


「高校生だからある程度分別ついてるでしょってこと
じゃない?」




 パンフレットも既に準備されており、
決めることは班・バスの座席・宿での部屋割り・
現地での自由時間行動の内容のみとなっている。




「蓮~、私達と班を組もう。」


「おお。蒼真と樹はそれでいいか?」


「構わない。」


「コクッ」




 6人グループが5つ。女子が何人で男子が何人とか
制限されていないのは女子が少ないからだ。
いつものメンバーで班をつくった。


 場所は定番の京都。奈良もセットなんじゃないの?
って思った人がいるだろう。
麗龍学院はお金持ちが多い高校なのだ。
鹿と触れあいたいという人も少しはいるだろうが、
過去に「臭い」や「衣服の乱れ」を気にして
外に出ず、バスで待機する人が多かったことから
団体行動で鹿と触れ合うことはなくなった。


京都からバスで移動しなければ鹿のいる公園には
行けない。班で態々そっちの方まで行くのが面倒だと
いう理由も触れあわなくなった1つの要因だろう。




「着物着付け体験なんてどう?」


「ん~、帰りにそこに戻って来ないといけないんでしょ?」


「ああ、時間のロスだねえ。」


「3泊4日もあるから、1日目は観光・食事。
2日目も観光・食事。3日目が土産でいいんじゃない?
いいのがあったら3日目じゃなくても買うかもしれないけど。」


「どこに行くとか決めないで行き当たりバッタリも
いいね!」


「絶対にここに行きたいって所ある?」




 中学生の時も京都・奈良に修学旅行で行ったことが
ある。有名な観光名所は粗方回っただろうし、
特に行きたいところは無い。


皆も同じ意見だったようで自由行動は行き当たり
バッタリで行動することになった。
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