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三木風雅ルート

修学旅行2~肝試し~

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 夕食の時間。
メニューはTHE旅館で出される料理、って感じ。


 男子は楓の風呂上がりの上気した頬や色気のある
プロモーションに目を奪われたのだが、
本人は知るよしもない。
目の前にある食事を夢中で食べている。




「肉、美味しい~。」


「ね!ジュワ~って肉汁が溢れてくる。」




 ご飯・サラダ・水はおかわり可能。
ドレッシングも色々と種類があるので全て試してみる。
サラダだからカロリーはそんなに無いし、
沢山食べても全然大丈夫、だろう。




「そういや風呂はどうだった?
女子と男子の浴場が同じとは限らないけど。」


「普通の温泉・露天風呂・ジャグジー・お湯滝。
特にジャグジーは最高だった!ね!」


「疲れた身体が癒されたよ。
私はお湯滝もいいかなって思った。
ちょうどいい強さで肩にお湯が当たるの。」


「楓、目を瞑って何分もそこにいたものね。」




 量は多すぎず少なすぎず。会話をしながら食べたので1時間くらいで食べ終わった。


 修学旅行の定番といえば枕投げや肝試し。
夜に部屋に集まって恋ばなをするのも定番だろう。
普段は優秀な人達でもはっちゃけたい時もある。
ということで肝試しをすることになった。


先生は生徒が危険な目に合わないように各場所に立って見張りを。
生徒から有志を募って15人ほどがおばけになった。


自分も志願しておばけに!意外と多くてなれないかもと
思ったけど男子と仲を深めるチャンスだと女子は思い、
女子と仲を深めるチャンスだと男子は思ったようで。
ギリギリ志願人数に入れた。




「きゃああああ!!」


「ぎゃあああ!!」


「助けて~!!!!」


「ひい~っ!」


「うわあっ!!」




 おばねじゃない生徒は待機しているわけだが、
遠くから響いてくる叫び声にびくついていた。
「俺は大丈夫だ!」と意気込んでいた生徒も早速叫んで
いて、どれだけ怖いのかと及び腰になる。




「ね、ねえ、嫌な予感がするんだけど。」


「わ、私も。」


「女子ならまだしも男子が叫ぶだなんて余程怖いのね。
…………行きたくなくなってきた。」


「頑張って!」




 肝試しは叫ばない人の方が少なく、盛況に終わった。
叫ばない人もびくついていたり、「ひっ」と小さく声を漏らしていたしね。




「ねえ、床を這っていたおばけって誰?」


「あれ、凄く怖かったんだけど。」


「皆もそれにビビってたの?」


「凄くリアルなてけてけよね。」




 皆「てけてけ」に恐怖を感じていたようだ。
高速で床を這ってくる人がいたらそりゃ怖い。




「私だよ。」




 思いの外のリアルさに怖かったという感想をもらい、
楓は嬉しく思った。




「楓だったの!?」


「も~、生徒だって分かってても怖いもんは怖いよ。」


「あははは。」




 残るは恋ばな。先生が見廻りに来て一斉に寝るって所までがセット。楽しみだ。
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