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一章
レッツクッキング(1)
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まだ体温が残る角兎を両手で持ち上げる。
脂が乗っているからなのか罪悪感からなのかはわからないがとても重く感じる。
近くにあった少し開けた場所に運び、俺の浅いサバイバル知識の中にある血抜きをしようと首に刃を通す。
先程のように血が飛び出ることもなくダラダラと地面に流れ始めた。
落ちている蔦を使って木に吊るすとポタポタと血が滴り落ちる。
残酷だがこれも俺が生き延びるために必要なことなのだ。
世の中は弱肉強食、これはどの世界にも共通して言えることなのだと再認識させられる。
そんなことを考えているうちに辺りが暗くなってきているのに気づいた。
動物避けのためにも灯りを取るためにも肉を焼くためにも火を起こした方がいいだろう。
幸い近くには燃えそうな枝と枯葉がそこら中に散らばっている。
焚き火なんてやったことがないがなんとか見様見真似で作ってみるとしよう。
およそ3分ほどで不恰好な焚き火が完成した。
燃えればいいのだ、見た目なんて関係ない。
さて、問題はここからである。
火を起こさなければならない。
昔テレビで見たことのある火起こしでは枝を擦り合わせて摩擦で火種を作っていたが俺にできるのだろうか...
いや、やってみるしかない。
見た目的に擦りやすそうな枝を選んで落ちている木の皮にひたすら擦ってみる。
「うぉぉぉぉお」
小さめの雄叫びを上げながらしばらく擦り続ける。
「うぉぉぉぉぉ、ハァ、ハァ」
息が切れるほど全力で続けているが火はなかなかつかず、ただ時間だけが過ぎていく。
煙が出てくるところまではできるのにそこから火に変えるのが難しい。
素人がなんの知識もなく根性だけでつけられるほど火起こしは甘くなかったのだ。
もう辺りはすっかり暗くなってきてしまっている。
そろそろ火を起こさなければ真っ暗の中不安に駆られながら一晩を過ごさなければならないし、先程手に入れた尊い生命も無駄にしてしまうかもしれない。
レベルが高いおかげなのか腕や体力はまだ余裕があるのだがいかんせん正解の方法を知らないのでつけられる気がしない。
「無理だぁぁぁ」
ため息混じりに弱音を吐きながら寝転び、空を仰ぐ。
雲ひとつなく澄み切った、都会に住んでいた時には見たこともない星空が目に入る。
最後に夜空を眺めたのはいつのことだろう。
記憶を遡ってみると、しっかり思い出せるのは高校生時代に友達と行った夏祭りで見た夜空だった。
あの時見た真っ暗な空と色鮮やかな花火は今でも鮮明に思い出せるほど感動した。
「花火かぁ、この世界でも見れるかな」
ついぽつりと口に出してしまった。
.....ん?夏祭り?花火?待てよ?
俺はある事を思い出してバッと起き上がった。
思い出したのはとあるスキルの存在。
ゲーム内での夏祭りイベントに参加して一定のイベントポイントを集めた者のみ手に入れることのできる、幻術や忍術とは別の領域にあるイベント限定スキル。
武器の先端から数秒間だけ色とりどりの火花が飛び散る【手持ち花火】の存在である。
脂が乗っているからなのか罪悪感からなのかはわからないがとても重く感じる。
近くにあった少し開けた場所に運び、俺の浅いサバイバル知識の中にある血抜きをしようと首に刃を通す。
先程のように血が飛び出ることもなくダラダラと地面に流れ始めた。
落ちている蔦を使って木に吊るすとポタポタと血が滴り落ちる。
残酷だがこれも俺が生き延びるために必要なことなのだ。
世の中は弱肉強食、これはどの世界にも共通して言えることなのだと再認識させられる。
そんなことを考えているうちに辺りが暗くなってきているのに気づいた。
動物避けのためにも灯りを取るためにも肉を焼くためにも火を起こした方がいいだろう。
幸い近くには燃えそうな枝と枯葉がそこら中に散らばっている。
焚き火なんてやったことがないがなんとか見様見真似で作ってみるとしよう。
およそ3分ほどで不恰好な焚き火が完成した。
燃えればいいのだ、見た目なんて関係ない。
さて、問題はここからである。
火を起こさなければならない。
昔テレビで見たことのある火起こしでは枝を擦り合わせて摩擦で火種を作っていたが俺にできるのだろうか...
いや、やってみるしかない。
見た目的に擦りやすそうな枝を選んで落ちている木の皮にひたすら擦ってみる。
「うぉぉぉぉお」
小さめの雄叫びを上げながらしばらく擦り続ける。
「うぉぉぉぉぉ、ハァ、ハァ」
息が切れるほど全力で続けているが火はなかなかつかず、ただ時間だけが過ぎていく。
煙が出てくるところまではできるのにそこから火に変えるのが難しい。
素人がなんの知識もなく根性だけでつけられるほど火起こしは甘くなかったのだ。
もう辺りはすっかり暗くなってきてしまっている。
そろそろ火を起こさなければ真っ暗の中不安に駆られながら一晩を過ごさなければならないし、先程手に入れた尊い生命も無駄にしてしまうかもしれない。
レベルが高いおかげなのか腕や体力はまだ余裕があるのだがいかんせん正解の方法を知らないのでつけられる気がしない。
「無理だぁぁぁ」
ため息混じりに弱音を吐きながら寝転び、空を仰ぐ。
雲ひとつなく澄み切った、都会に住んでいた時には見たこともない星空が目に入る。
最後に夜空を眺めたのはいつのことだろう。
記憶を遡ってみると、しっかり思い出せるのは高校生時代に友達と行った夏祭りで見た夜空だった。
あの時見た真っ暗な空と色鮮やかな花火は今でも鮮明に思い出せるほど感動した。
「花火かぁ、この世界でも見れるかな」
ついぽつりと口に出してしまった。
.....ん?夏祭り?花火?待てよ?
俺はある事を思い出してバッと起き上がった。
思い出したのはとあるスキルの存在。
ゲーム内での夏祭りイベントに参加して一定のイベントポイントを集めた者のみ手に入れることのできる、幻術や忍術とは別の領域にあるイベント限定スキル。
武器の先端から数秒間だけ色とりどりの火花が飛び散る【手持ち花火】の存在である。
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