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一章
食料を確保しよう
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しばらくは【感知の術】で人間を探しながら慎重に進むとして...
人里にたどり着くまでの水分や食料を確保しなければならない。
例の大型動物から離れながら考えるとしよう。
ストレージが使えれば食料系のアイテムが沢山あったのだが、使えない以上は仕方がない。
とはいえこの世界でなにが食べられるのかわからないしずっと都会暮らしでコンビニ弁当生活をしていた俺にとってサバイバル生活は難易度マックスでしかない。
元の世界の動植物ならまだしも、完全に生態系が違うであろうこの世界の動植物から食べられるものを選択できる気がしない。
よく考えずに食べて毒があるものだったら命取りだ。
忍術の【内丹】を使えば状態異常から回復できるはずだが、それはあくまでゲーム内の話。
この世界の毒にも効果があるのかはまだ確証がない。
毒持ちが多そうな植物系やキノコ系はひとまず却下だ。
解体はできないが動物の肉の方が毒に当たる可能性は低いだろう。
まずは小動物を狙うとしよう。
「感知の術」
再び【感知の術】を発動し、近くの小動物を探す。
周りを見渡し、1番近くの小動物の位置を把握する。兎のようなシルエットで距離はだいたい10メートルほどだろうか。
あの兎(仮)がどれほどの感知能力を持っているかわからない。
【影の歩み】で足音が消えているとはいえ、念には念を入れて全力で気配を消した方がいいだろう。
「透明化、隠行の術」
ゲーム時代のお決まりの隠密コンボを唱えると俺の体が一瞬もやに包まれ、完全に姿が消える。
「よし、行くか」
そう小声で呟いて兎の方にゆっくりと歩みを進める。
クリティカル率60%の短剣、[刃虎の尾]を右手に構え、そろりそろりと近づく。
5メートル、4メートル、3、2、残り1メートルの近さまで近づいたがこちらに気づいて逃げる様子はない。
ここまで近づいたおかげでシルエットだった兎(仮)の姿が明らかになる。
薄茶色の毛並みに長い耳、全長は30センチ程だろうか。
地球の兎と違う点は一つだけ、額の部分に小さな角が生えていることだ。
ここに来るまでに見た植物の様子ではあまり地球との明確な違いが見られなかったが地球にはあんな動物はいない。
改めて異世界だという実感が湧いてくる。
もう手を伸ばせば届く範囲まで近づいたが幸いスキルのおかげか全くこちらの気配に気付いていないようだ。
できれば逃げられないように一撃で仕留めたい。
絶対に攻撃が当たる位置まで近づき、短剣を構える。
「急襲」
そう呟きながら角兎の体に短剣を突き立てる。
【急襲】は相手に認識されていない時のみ使用できる忍術の火力アップスキルだ。
俺の声に気づいたと同時に背中から1突きされた角兎は一瞬ビクッと動いた後、すぐに動かなくなった。
性能の良い短剣のおかげなのかスキルのおかげなのか、右手に伝わってくる肉の感触は思っていたよりも柔かいものだった。
未だ刺さったままの短剣を抜くとプシッという僅かな音と共に赤黒い血が噴き出す。
初めて虫や植物ではない生き物を殺したという実感が湧き上がってくる。
「ごめんな、ありがとう」
俺は短剣を腰の鞘にしまって両手を合わせ、奪ってしまった生命へ感謝を捧げた。
人里にたどり着くまでの水分や食料を確保しなければならない。
例の大型動物から離れながら考えるとしよう。
ストレージが使えれば食料系のアイテムが沢山あったのだが、使えない以上は仕方がない。
とはいえこの世界でなにが食べられるのかわからないしずっと都会暮らしでコンビニ弁当生活をしていた俺にとってサバイバル生活は難易度マックスでしかない。
元の世界の動植物ならまだしも、完全に生態系が違うであろうこの世界の動植物から食べられるものを選択できる気がしない。
よく考えずに食べて毒があるものだったら命取りだ。
忍術の【内丹】を使えば状態異常から回復できるはずだが、それはあくまでゲーム内の話。
この世界の毒にも効果があるのかはまだ確証がない。
毒持ちが多そうな植物系やキノコ系はひとまず却下だ。
解体はできないが動物の肉の方が毒に当たる可能性は低いだろう。
まずは小動物を狙うとしよう。
「感知の術」
再び【感知の術】を発動し、近くの小動物を探す。
周りを見渡し、1番近くの小動物の位置を把握する。兎のようなシルエットで距離はだいたい10メートルほどだろうか。
あの兎(仮)がどれほどの感知能力を持っているかわからない。
【影の歩み】で足音が消えているとはいえ、念には念を入れて全力で気配を消した方がいいだろう。
「透明化、隠行の術」
ゲーム時代のお決まりの隠密コンボを唱えると俺の体が一瞬もやに包まれ、完全に姿が消える。
「よし、行くか」
そう小声で呟いて兎の方にゆっくりと歩みを進める。
クリティカル率60%の短剣、[刃虎の尾]を右手に構え、そろりそろりと近づく。
5メートル、4メートル、3、2、残り1メートルの近さまで近づいたがこちらに気づいて逃げる様子はない。
ここまで近づいたおかげでシルエットだった兎(仮)の姿が明らかになる。
薄茶色の毛並みに長い耳、全長は30センチ程だろうか。
地球の兎と違う点は一つだけ、額の部分に小さな角が生えていることだ。
ここに来るまでに見た植物の様子ではあまり地球との明確な違いが見られなかったが地球にはあんな動物はいない。
改めて異世界だという実感が湧いてくる。
もう手を伸ばせば届く範囲まで近づいたが幸いスキルのおかげか全くこちらの気配に気付いていないようだ。
できれば逃げられないように一撃で仕留めたい。
絶対に攻撃が当たる位置まで近づき、短剣を構える。
「急襲」
そう呟きながら角兎の体に短剣を突き立てる。
【急襲】は相手に認識されていない時のみ使用できる忍術の火力アップスキルだ。
俺の声に気づいたと同時に背中から1突きされた角兎は一瞬ビクッと動いた後、すぐに動かなくなった。
性能の良い短剣のおかげなのかスキルのおかげなのか、右手に伝わってくる肉の感触は思っていたよりも柔かいものだった。
未だ刺さったままの短剣を抜くとプシッという僅かな音と共に赤黒い血が噴き出す。
初めて虫や植物ではない生き物を殺したという実感が湧き上がってくる。
「ごめんな、ありがとう」
俺は短剣を腰の鞘にしまって両手を合わせ、奪ってしまった生命へ感謝を捧げた。
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