断罪される令嬢は、悪魔の顔を持った天使だった

Blue

文字の大きさ
18 / 27

フランカ・ベラヴィーア3

しおりを挟む
 皆でデートした夜、私はずっとデュラン様の事を考えていた。
「思えば最初からデュラン様に色々からかわれていたなぁ」

それからも、時間が合えば一緒にランチやお茶をした。いつの間にかカップリングが出来上がっていた。アリーとゲイブリエル殿下、ランザとエルマンノ様。だから必然的にデュラン様は私との組み合わせになっていた。

「それにしても、あの三人が他の令嬢たちと食事とかしたのって見た事ないわね」
私たちとはしょっちゅうしていたけれど、毎日だったわけじゃない。そんな時でも、あの三人が他の方と食事をしている所を見た事がなかった。

あんなにイケメンなのに。あの三人が歩くだけで、令嬢たちから黄色い声が発せられるのに。他の女性には興味がなかったのだろうか。
「あれ?じゃあ私たちには興味があったって事?」

考えてみれば今日のお出かけだってそうだ。本当は私たち三人で出かける予定だった。ノリノリで一緒に来たがったのはあの三人だ。そして、今日はずっと守ってくれた。手もずっと離さないでいてくれた。時には肩や腰を抱かれてちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかった。

……ん?嬉しかった?なんで?
ずっとドキドキしてた。
どうして?
手が離れた時は、なんだか寂しかった。
あれ?
去って行く後ろ姿を見えなくなるまで見送っていた。
ん?
振り返って手を振ってくれた時は嬉しくて泣きそうになってしまった。
……。

ああああ……わかってしまった。
「私、デュラン様が好きなんだわ」
自覚した途端、今までの全ての事が恥ずかしく思えた。あんなに近づいて、なんで平気でいたのだろう。

「うわぁ、明日からどうしよう」


 翌日。
「フラン、目の下にクマさんがいるけれど大丈夫?」
目の下にクマさん?ああ、隈の事ね。もうヤダ、天使。
「大丈夫……ではないかもしれないわ」

「どうしたの?昨日はあんなに楽しそうだったじゃない」
ランザも心配してくれる。

「あのね、私ね。気が付いてしまったの」
口にしようとするだけで、顔に熱が集まってしまう。

「ふふ、やっとなのね」
「長かったわね。まあ、私も人の事は言えないけれど」
「……」
二人の話が見えない。

「私が何に気付いたのかわかったの?」
「ええ」
二人に頷かれた。顔はもう隠しきれない程真っ赤になっているだろう。

「私、そんなに分かりやすかった?」
「ふふ、そうね。フランがっていうよりは、デュラン兄様がね」
「そうよね。フランにだけ甘い言葉を囁いていたものね」
今すぐ止めて頂きたい。もう恥ずかしくていたたまれない。

「それで?どうするの?」
ランザがニコニコして私を見る。

「あのね、昨日の帰り際に宿題を出されて……」
私は昨日の話をした。

「そっか。じゃあデュラン様が答え合わせをしてくるわけね」
「答え合わせ……」
何を聞いても恥ずかしい。顔が燃えるように熱い。

「ふふ、ねえ。ランザは?」
「へ?」
アリーが突然、ランザに何かを聞いた。あら?ちょっと黒いデュラン様に似ているような気がするのは気のせい?

「ランザはエルマンノ様とどうなったの?」
「!!」
ランザの顔が真っ赤になってしまった。
「あ、わ、わたし?」
「そう。ランザよ」
黒い。笑顔が黒い。アリーが天使から悪魔に変身してしまった。でもやっぱり美しい。

「あの、ですね、えっとですね……告白して頂きました」
どんどん声が小さくなって、それでもなんとか口にしたランザ。
「やっぱり、おめでとう」
「え?ランザ、エルマンノ様といつの間に?」
「最初からよ、ねえランザ」
「最初からかはわかりませんが、そうですね、最初の頃からでしょうかね」
ランザは相当動揺しているみたい。変な言葉遣いになっている。

「きっと、すぐにでも婚約する事になりそうね」
「婚約……」
ランザの目がキラキラしてる。凄い、羨ましい。

「ふふ、二人が幸せになってくれて、とっても嬉しいわ。しかも、二人とも私の兄様のような人と。小さい頃から私を守ってくれた大好きな二人が、私の大好きな親友たちと将来を約束する関係になれるなんて、すごい奇跡よね」
アリーのその言葉に、どうしてかわからないけれど涙が出た。

「アリー、アリーもきっと幸せになれるわ。そして、ずっと生涯家族ぐるみで仲良く過ごすの。どう?いい案だと思わない?」
私はアリーに抱き着いた。ランザも私とアリーに抱き着く。

「アリー、私もフランと同じ気持ちよ。本当にアリーも幸せになれると思う。なんというかそんな予感がするの。上手く言えないけれど。だから、三人でずっと一緒に幸せになりましょう」

「ありがとう。二人と知り合えたことこそが私の幸せよ。大好き」
暫く三人で抱き合った後、アリーが私に微笑んだ。

「実はね、デュラン兄様にフランを放課後に中庭に連れて来てくれって頼まれているの」

「え?」
「きっと宿題の答え合わせね。だから、放課後、中庭に行きましょうね。皆で幸せになる為に」
あらっ?いつの間にか悪魔なアリー再び。怖い。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?

naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。 私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。 しかし、イレギュラーが起きた。 何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。

能ある妃は身分を隠す

赤羽夕夜
恋愛
セラス・フィーは異国で勉学に励む為に、学園に通っていた。――がその卒業パーティーの日のことだった。 言われもない罪でコンペーニュ王国第三王子、アレッシオから婚約破棄を大体的に告げられる。 全てにおいて「身に覚えのない」セラスは、反論をするが、大衆を前に恥を掻かせ、利益を得ようとしか思っていないアレッシオにどうするべきかと、考えているとセラスの前に現れたのは――。

婚約破棄の夜の余韻~婚約者を奪った妹の高笑いを聞いて姉は旅に出る~

岡暁舟
恋愛
第一王子アンカロンは婚約者である公爵令嬢アンナの妹アリシアを陰で溺愛していた。そして、そのことに気が付いたアンナは二人の関係を糾弾した。 「ばれてしまっては仕方がないですわね?????」 開き直るアリシアの姿を見て、アンナはこれ以上、自分には何もできないことを悟った。そして……何か目的を見つけたアンナはそのまま旅に出るのだった……。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

婚約破棄は計画的に。

秋月一花
恋愛
「アイリーン、貴様との婚約を――」 「破棄するのですね、かしこまりました。喜んで同意致します」  私、アイリーンは転生者だ。愛読していた恋愛小説の悪役令嬢として転生した。とはいえ、悪役令嬢らしい活躍はしていない。していないけど、原作の強制力か、パーティー会場で婚約破棄を宣言されそうになった。  ……正直こっちから願い下げだから、婚約破棄、喜んで同意致します!

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

妻の私は旦那様の愛人の一人だった

アズやっこ
恋愛
政略結婚は家と家との繋がり、そこに愛は必要ない。 そんな事、分かっているわ。私も貴族、恋愛結婚ばかりじゃない事くらい分かってる…。 貴方は酷い人よ。 羊の皮を被った狼。優しい人だと、誠実な人だと、婚約中の貴方は例え政略でも私と向き合ってくれた。 私は生きる屍。 貴方は悪魔よ! 一人の女性を護る為だけに私と結婚したなんて…。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定ゆるいです。

遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言

夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので…… 短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。 このお話は小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...