お姉様の代わりに悪役令嬢にされそうです

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悪役令嬢の謎

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「感動の再会?」
カメリア姉様が微笑みながら立ち上がって、私を受け入れるように両腕を広げた。しかし、私の両腕は広がらずにカメリア姉様の胸倉を掴んだのだった。

「カメリア姉様、姉様の代わりって一体どういう事かしらぁ?」
「キャー!リリーちゃん。落ち着こう。ね、ちゃんと説明するから……苦しいから。ギブよ、ギブ」
仕方がない。カメリア姉様から手を離す。

「はああ、びっくりした。危うく帰国後数時間で、さようならする所だったわ」
ソファに座り、深呼吸をするカメリア姉様。隣で婚約者が背中をさすっている。

「うふふ、リリーちゃん、気は済んだかしら?」
お母様がニッコリと微笑む。
「まだね。まだ足りないわ」
私が言えば、困った顔をしたお母様。
「仕方ないわねぇ。もう一度締めちゃってもいいわよ」

「待って、待とう。ちゃんと説明させて。それからよ、諸々は」
カメリア姉様が焦る姿を見て、お母様やローズ姉様は笑い出した。
「カメリアったら、本気で焦っちゃって。冗談に決まっているじゃない」
ローズ姉様がバカねと笑うが、カメリア姉様は首を振った。

「ローズ姉様、甘いわよ。あれは本気だったわ」
「でもそれはカメリアが悪いわよ。あんな手紙を書くから」
「とりあえず、着替えてからゆっくり話しましょう」
お母様の一言で、一時解散になった。

「さ、順を追って説明してもらおう」
着替えを済ませ、一通り挨拶も終わらせて、やっと話を聞く体制になる。
「そうね、まずは私自身の事から話すわ。私はね、実は転生者なの」
「へえ」
「反応薄っ!」
私はびっくりしている。びっくりし過ぎて声が出なかっただけだ。

「だって、ねえ」
「ああ、私の祖母、おまえたちの曾祖母は転生者だった」
「そうなの?」
「流石にそれは初耳だったわ」

「ちょっと、私の転生者告白はあまり驚かないで、そっちは驚くってどういうことよ」
カメリア姉様が文句を言う。

「あなたはねぇ、なんかそうじゃないかなって」
「私もそう。12歳くらいの頃かしら?王城のお茶会に行ったあの日、突然高熱を出してぶっ倒れたのよ」
「そうそう。あれからよね。カメリアちゃんがおかしくなったのは」

「……知っていたの?」
「知っていたというのとは少し違うけれど。たまにわけのわからない言葉を発していて、この子は高熱を切っ掛けに何か変化があったのかしらって」
「確かに少し変わったけれど、私の可愛い娘である事には変わらないもの」

「いやだ……もう……泣かせないでよ」
カメリア姉様の頬からは涙がほろほろと流れた。感動の場面に皆がウルウルしていた。私以外……

『全然気が付かなかったよ、私は。まあ、まだ10歳かそこらだったしね。気付かなかったのも致し方無しだよね』

涙を拭いたカメリア姉様が話を続ける。
「正にあのお茶会が切っ掛けだったわ。あそこで、オスカー殿下とアーチー・グランディ、アーロン・マルキオーロを見た時に、前世の記憶が滝のように流れ込んできたの。その情報の中に、この世界を舞台にした恋愛シミュレーションゲームがある事も入っていた。彼らが対象者たちだと思い出したの」

「恋愛シミュレーションゲーム?」
そこからはしばらく、前世の世界の事や、ゲームの事を細かく聞いた。流石に全てを把握するのは難しかったけれど、なんとなく理解はした。

「そのゲームという世界がこの世界と酷似しているという事だな」
お父様が最後の確認をする。
「そう、その通りよ。でね、そこでの私の役割が問題だったのよ」
「役割?」
「そう。聖女であるヒロインが、5人の男性のいずれかと親密になるとするでしょ。そうなると私は、その相手の婚約者という立場で登場するの。これは相手が誰であろうがよ。例えばオスカー殿下とヒロインがいい感じになったら、オスカー殿下の婚約者として、アーチーとならアーチーの婚約者として、という感じになるわ」

「なるほど。それでカメリアは何をするんだ?」
「二人の邪魔をするのよ。ヒロインを虐めるの」
「虐めるのはともかく、邪魔というのは間違いだろう。そもそも男の婚約者なのだから。邪魔をしているのは聖女の方じゃないか」

「あくまで作られた物だから。要はヒロインとヒーローが、試練を乗り越えてハッピーエンドになるというのが大筋なの。私はその試練の一つなわけ」

「……悪役令嬢……」
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