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再び教会へ
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「こんにちは」
ギルドに顔を出すと、マリーさんが受付で手を振ってくれた。なんだか今日はいつもよりギルドに人が多い気がする。
「なんだか人が多くないですか?」
「そうなのよ。花祭りが近いのもあると思うのだけれど、最近、どうも魔物の数が増えているみたいで。だから必然的に冒険者たちが集まって来ているの」
「魔物の数が増えているんですか?」
「そうなの。まだ強力な魔物は確認されていないのだけれどね。ああ、そうそう。リリーちゃんにお願いしたい依頼があるわ」
「教会とか?」
「そ、正解。どうもあの森も魔物が増えているみたい。街の外も中もじゃ、普通に生活している人たちは不安よね」
「そうですね、わかりました。今回の依頼はなんですか?」
「またワイルドボアですって。詳しい事は教会に行って聞いてみて」
「はい」
「こんにちは」
教会に入るとキャルム様がいた。
「ああ、リリーさん。よかった、来ていただけて」
「またワイルドボアが出たって」
「そうなんです。しかも敷地に入ろうとして……以前のワイルドボアの件から、敷地内には私が結界を張っているのですが、わざわざ結界を破ろうとする個体がいるのです」
ワイルドボアは決してバカではない。入れない場所に無理矢理入るという無駄な事はしないはずだ。
「ここに入りたい理由でもあるんでしょうか?」
「ここに入ったとしても、何もありません。教会ですから食べ物も必要な分しかありませんし」
うんうんと、二人でしばらく考えるがわからない。
「とにかく私、森に行ってみますね」
すると、突然扉が開いて聖女候補のシモネッタ嬢が入って来た。
「キャルム様!そんな人に頼まなくても私が瘴気を払えば落ち着くって言っているじゃない」
瘴気?瘴気が出ているの?そんな話聞いてない。話が見えませんが?
「ですから、瘴気など見当たらないと言っているでしょう。何を根拠に言っているのです?」
「だって瘴気が森の奥にあるのよ。それを聖女である私が払うの!」
「クララさんは聖女ではなく、聖女候補でしょう。現実的に考えてあなたの魔力では、例え瘴気が出たとしても払う事など出来ません」
「出来るもん。キャルム様のバカ!」
何処にそんな力があるのか、割れんばかりの勢いで扉を閉めた彼女が走り去った。バタバタと足音が遠のいていく。
「ええっと?」
「すみません。どうも父がそそのかしているのか、自分には瘴気を払う力があると信じているようで……」
「瘴気が出ているのですか?」
「いえ、少なくとも私には感じられません。これでもここら一体の教会の人間の中で、私がの魔力が一番高いのです。その私が感じないのですから、瘴気は少なくともこの周辺にはありません」
「わかりました。とりあえず行ってみますね」
「……本当なら私が行くべきなのですが……申し訳ありません」
悔しそうな彼の手をそっと握る。
「ふふ、そんなに眉間にしわを寄せたらダメですよ。天使様にそれは似合いません」
「私は天使などでは」
「ごめんなさい。男性に向かって言うべき言葉ではないのはわかっているのですが、どうしても私には天使様に見えてしまうんです」
「私にはリリーさんが女神様に見えます。あ、以前も言いましたね、これ」
「ふふ、ありがとうございます。では行ってきます」
「気を付けてください。今も結界に触れている感覚がありますので」
「はい」
「いた」
確かに一頭のワイルドボアが、結界を壁のように感じているのか、前足でしきりに引っ掻いている。どうやら本当にこの一頭だけのようだ。周辺に他の魔物の気配はない。しばらく見ていると、ワイルドボアが体当たりをしてきた。それでもダメだと思ったらしいワイルドボアは、後ずさりで下がる。そして、全速力で駆けてきて再び体当たりした。
結界が少しだけ波打ったのが見えた。これは何回も同じことをされたら破られてしまうだろう。
「おかしい。何故あの個体だけここに固執するの?」
何か欲しいものでもあるのだろうか?辺りを見回すがめぼしいものはない。再び体当たりするワイルドボア。あまりの衝撃に、自身の身体がひっくり返った。
「あ!」
ひっくり返った拍子に見えた張ったお乳。どうやら彼女は子供を産んでいるらしい。
この時、なんとなく感じるものがあった。彼女の悲痛な感情を。
「まさか……」
ギルドに顔を出すと、マリーさんが受付で手を振ってくれた。なんだか今日はいつもよりギルドに人が多い気がする。
「なんだか人が多くないですか?」
「そうなのよ。花祭りが近いのもあると思うのだけれど、最近、どうも魔物の数が増えているみたいで。だから必然的に冒険者たちが集まって来ているの」
「魔物の数が増えているんですか?」
「そうなの。まだ強力な魔物は確認されていないのだけれどね。ああ、そうそう。リリーちゃんにお願いしたい依頼があるわ」
「教会とか?」
「そ、正解。どうもあの森も魔物が増えているみたい。街の外も中もじゃ、普通に生活している人たちは不安よね」
「そうですね、わかりました。今回の依頼はなんですか?」
「またワイルドボアですって。詳しい事は教会に行って聞いてみて」
「はい」
「こんにちは」
教会に入るとキャルム様がいた。
「ああ、リリーさん。よかった、来ていただけて」
「またワイルドボアが出たって」
「そうなんです。しかも敷地に入ろうとして……以前のワイルドボアの件から、敷地内には私が結界を張っているのですが、わざわざ結界を破ろうとする個体がいるのです」
ワイルドボアは決してバカではない。入れない場所に無理矢理入るという無駄な事はしないはずだ。
「ここに入りたい理由でもあるんでしょうか?」
「ここに入ったとしても、何もありません。教会ですから食べ物も必要な分しかありませんし」
うんうんと、二人でしばらく考えるがわからない。
「とにかく私、森に行ってみますね」
すると、突然扉が開いて聖女候補のシモネッタ嬢が入って来た。
「キャルム様!そんな人に頼まなくても私が瘴気を払えば落ち着くって言っているじゃない」
瘴気?瘴気が出ているの?そんな話聞いてない。話が見えませんが?
「ですから、瘴気など見当たらないと言っているでしょう。何を根拠に言っているのです?」
「だって瘴気が森の奥にあるのよ。それを聖女である私が払うの!」
「クララさんは聖女ではなく、聖女候補でしょう。現実的に考えてあなたの魔力では、例え瘴気が出たとしても払う事など出来ません」
「出来るもん。キャルム様のバカ!」
何処にそんな力があるのか、割れんばかりの勢いで扉を閉めた彼女が走り去った。バタバタと足音が遠のいていく。
「ええっと?」
「すみません。どうも父がそそのかしているのか、自分には瘴気を払う力があると信じているようで……」
「瘴気が出ているのですか?」
「いえ、少なくとも私には感じられません。これでもここら一体の教会の人間の中で、私がの魔力が一番高いのです。その私が感じないのですから、瘴気は少なくともこの周辺にはありません」
「わかりました。とりあえず行ってみますね」
「……本当なら私が行くべきなのですが……申し訳ありません」
悔しそうな彼の手をそっと握る。
「ふふ、そんなに眉間にしわを寄せたらダメですよ。天使様にそれは似合いません」
「私は天使などでは」
「ごめんなさい。男性に向かって言うべき言葉ではないのはわかっているのですが、どうしても私には天使様に見えてしまうんです」
「私にはリリーさんが女神様に見えます。あ、以前も言いましたね、これ」
「ふふ、ありがとうございます。では行ってきます」
「気を付けてください。今も結界に触れている感覚がありますので」
「はい」
「いた」
確かに一頭のワイルドボアが、結界を壁のように感じているのか、前足でしきりに引っ掻いている。どうやら本当にこの一頭だけのようだ。周辺に他の魔物の気配はない。しばらく見ていると、ワイルドボアが体当たりをしてきた。それでもダメだと思ったらしいワイルドボアは、後ずさりで下がる。そして、全速力で駆けてきて再び体当たりした。
結界が少しだけ波打ったのが見えた。これは何回も同じことをされたら破られてしまうだろう。
「おかしい。何故あの個体だけここに固執するの?」
何か欲しいものでもあるのだろうか?辺りを見回すがめぼしいものはない。再び体当たりするワイルドボア。あまりの衝撃に、自身の身体がひっくり返った。
「あ!」
ひっくり返った拍子に見えた張ったお乳。どうやら彼女は子供を産んでいるらしい。
この時、なんとなく感じるものがあった。彼女の悲痛な感情を。
「まさか……」
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