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好きだから
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「リリー!」
すぐに追いつかれてしまう。
「一体どうした?」
「どうもしないです」
「目が合ったのに逃げるように出ていっただろ。何かあったからじゃないのか?」
「何もないです」
「じゃあ何故怒っている?」
「別に怒っていません」
「強情だな」
溜息を吐いた彼のこの言葉に私の中の何かが切れた。
「気軽に見知らぬ女性に触れさせるような人とは、一緒にいたくないと思ったから逃げたんです!」
言われたレジナルドは、キョトンとしている。私の言った事を全く理解していないらしい。
「もしかしてあの変な女の事か?それなら追い出したじゃないか」
「散々触らせた後で、ですけどね」
「触らせたって……あれくらい別になんでもない事だ」
本当にいつもの事過ぎてわからないようだ。
「あれくらいって……一緒に過ごしていたのは私です。なのに、お店の店員さんにも普通に触らせて、挙句にあんな……」
ムカついて次の言葉が出て来ない。そんな私を見た彼が言った。
「妬いたのか?」
ブチッ!!きっとどこかの血管がブチ切れた。
「レジナルドなんて、大っ嫌い!」
強化魔法でそのまま走って逃げた。
戻った私をカメリア姉様が出迎えてくれた。
「リリー、オスカー殿下とはどうだった?楽しかった?」
カメリア姉様の言葉で、スタートはオスカー殿下とだったと思い出した。でももう私はそれどころではない。
「うう……」
「リリー?」
「ふえっ……」
「どうしたの?」
奥からローズ姉様も出てきたことで、私の涙腺は決壊した。
大泣きして少し落ち着いた頃、私はポツポツと話し出した。
教会での事や、変な男たちに引きずり込まれた事、それをレジナルドに助けてもらった事。カフェに行った事。その中での事。
話すうちに再び涙が出る。
「リリー、どうしてそんなに悲しいかわかる?」
優しく髪を梳きながら問いかけてきたローズ姉様。私はコクンと頷いた。
「私……レジナルドの事が好きみたい」
涙がポロポロ流れてしまう。あんな人を想って泣く自分が腹立たしい。
「どうしたの?」
お義兄様とザック義兄様が帰ってきた。
「お義兄様……ふえぇん」
またもや泣けてきてしまった。どうした、私の涙腺。
「なるほどね」
二人の義兄が、妙に納得する。
「女性から声を掛けられることに慣れ過ぎているんだろうね。彼からしたらなんとも思っていない女に触れられようが気にもならない、というか、触れられているんだという感覚すらないんじゃないかな」
「そうなの?」
カメリア姉様がザック義兄様に聞いた?
「そうだね。空気と同じ感覚というのかな。不快と感じる距離まで詰められて初めて嫌悪するんだ。それまでは気にもならないから相手にしない」
「ザック義兄様は経験者なのね」
「レジナルドだっけ?彼ほど鈍感ではないけれどね」
「あら、似たようなものだったわよ」
カメリア姉様が笑った。
「そんなことないでしょ」
「いいえ。講師で来ていた時、たくさんのレディたちに囲まれて、腕に絡みつかれたり抱きつかれていたりしたわ。でもあなたは注意も何もしなかった。だから最初の頃はあなたの事嫌いだったもの」
カメリア姉様とザック義兄様の出会いは、留学先の学園で剣の講師としてきた時だったのだ。
「相当の女好きなんだと思っていたわ。まさか、触れられていることを気にも留めていなかったとは思わなかった」
「カーターもあったわよね」
今度はローズ姉様だ。
「え?私はないよ。いつも気を付けていたよ」
「よく言うわ。仕事で下に付いていた文官の女性が、いつもあなたの肩や背中に手を置いていたわ。私が行くと、これ見よがしにあなたの耳元まで近づいて話をしたりもしていたじゃない」
「そうだったかな?」
首を傾げるお義兄様。義兄たちにとっては、とんだ藪蛇になってしまったようだ。
「私たちの事は置いておくとして……それでね」
お義兄様が気を取り直したように、私の事に話を戻す。
「彼にもね、自分の意中の女性に他の男が触れているとどう感じるのか。それをわからせてやればいいんじゃないかな?」
すぐに追いつかれてしまう。
「一体どうした?」
「どうもしないです」
「目が合ったのに逃げるように出ていっただろ。何かあったからじゃないのか?」
「何もないです」
「じゃあ何故怒っている?」
「別に怒っていません」
「強情だな」
溜息を吐いた彼のこの言葉に私の中の何かが切れた。
「気軽に見知らぬ女性に触れさせるような人とは、一緒にいたくないと思ったから逃げたんです!」
言われたレジナルドは、キョトンとしている。私の言った事を全く理解していないらしい。
「もしかしてあの変な女の事か?それなら追い出したじゃないか」
「散々触らせた後で、ですけどね」
「触らせたって……あれくらい別になんでもない事だ」
本当にいつもの事過ぎてわからないようだ。
「あれくらいって……一緒に過ごしていたのは私です。なのに、お店の店員さんにも普通に触らせて、挙句にあんな……」
ムカついて次の言葉が出て来ない。そんな私を見た彼が言った。
「妬いたのか?」
ブチッ!!きっとどこかの血管がブチ切れた。
「レジナルドなんて、大っ嫌い!」
強化魔法でそのまま走って逃げた。
戻った私をカメリア姉様が出迎えてくれた。
「リリー、オスカー殿下とはどうだった?楽しかった?」
カメリア姉様の言葉で、スタートはオスカー殿下とだったと思い出した。でももう私はそれどころではない。
「うう……」
「リリー?」
「ふえっ……」
「どうしたの?」
奥からローズ姉様も出てきたことで、私の涙腺は決壊した。
大泣きして少し落ち着いた頃、私はポツポツと話し出した。
教会での事や、変な男たちに引きずり込まれた事、それをレジナルドに助けてもらった事。カフェに行った事。その中での事。
話すうちに再び涙が出る。
「リリー、どうしてそんなに悲しいかわかる?」
優しく髪を梳きながら問いかけてきたローズ姉様。私はコクンと頷いた。
「私……レジナルドの事が好きみたい」
涙がポロポロ流れてしまう。あんな人を想って泣く自分が腹立たしい。
「どうしたの?」
お義兄様とザック義兄様が帰ってきた。
「お義兄様……ふえぇん」
またもや泣けてきてしまった。どうした、私の涙腺。
「なるほどね」
二人の義兄が、妙に納得する。
「女性から声を掛けられることに慣れ過ぎているんだろうね。彼からしたらなんとも思っていない女に触れられようが気にもならない、というか、触れられているんだという感覚すらないんじゃないかな」
「そうなの?」
カメリア姉様がザック義兄様に聞いた?
「そうだね。空気と同じ感覚というのかな。不快と感じる距離まで詰められて初めて嫌悪するんだ。それまでは気にもならないから相手にしない」
「ザック義兄様は経験者なのね」
「レジナルドだっけ?彼ほど鈍感ではないけれどね」
「あら、似たようなものだったわよ」
カメリア姉様が笑った。
「そんなことないでしょ」
「いいえ。講師で来ていた時、たくさんのレディたちに囲まれて、腕に絡みつかれたり抱きつかれていたりしたわ。でもあなたは注意も何もしなかった。だから最初の頃はあなたの事嫌いだったもの」
カメリア姉様とザック義兄様の出会いは、留学先の学園で剣の講師としてきた時だったのだ。
「相当の女好きなんだと思っていたわ。まさか、触れられていることを気にも留めていなかったとは思わなかった」
「カーターもあったわよね」
今度はローズ姉様だ。
「え?私はないよ。いつも気を付けていたよ」
「よく言うわ。仕事で下に付いていた文官の女性が、いつもあなたの肩や背中に手を置いていたわ。私が行くと、これ見よがしにあなたの耳元まで近づいて話をしたりもしていたじゃない」
「そうだったかな?」
首を傾げるお義兄様。義兄たちにとっては、とんだ藪蛇になってしまったようだ。
「私たちの事は置いておくとして……それでね」
お義兄様が気を取り直したように、私の事に話を戻す。
「彼にもね、自分の意中の女性に他の男が触れているとどう感じるのか。それをわからせてやればいいんじゃないかな?」
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