【外伝】 白雪姫症候群 ースノーホワイト・シンドロームー

しらす丼

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第2章 魔女たちの暗躍編

プロローグ

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 それはとても退屈な毎日だった。

 力を使えば、どんな未来も見えた。家の財力もあって、ほしいものは全て手にすることができた。私は何不自由なく、淡々とつまらない人生を送っていた。

 でもそんな私にも唯一、手に入らなかったものがあった――



『待ちなさい。ダメよ、あなたも行ったらダメ。きっと助からない。みんなもあなたも……だからここにいなさい!!』

 少女は目の前にいる青年をまっすぐに見てそう言った。

 しかし青年は少女の手を振りほどき、少女の前から姿を消したのだった。

『なんでよ……私が見た未来は変わりっこないのに』

 少女はその場で佇み、そう呟いたのだった――



『つまらない。すべてが予定調和で、何の面白みもない世界……こんな人生になんの意味があるの』

 少女は部屋の窓から外を見ながら、退屈そうな表情でそう呟いた。

『何か面白いことはないのかしら……』

 そんなことを呟いていると、外から声がした。

『ねえ、そんなところで何をしているんだい?』

 少年は少女の顔をまっすぐに見てそう言った。

『あの子は、確か――!』

 それから少女はひらめき、少年の元へと向かう。

 ――そう。私は、素敵なおもちゃ箱を見つけたのだった。

 少女はその少年の手を借りて、幼馴染の少年と3人で過去へ向かった。

 それから数年。過去に飛んだ少女はいつしか大人の女性となり、新しいおもちゃを使って新たな世界を楽しんでいた。


 ***


 とある議員の個室にて――。

「やあ、今日の調子はどうだい?」

 男は笑顔で女に問いかける。

 しかし女はその問いに少々不機嫌になりながら、

「私に気安く話しかけないでくれる? はあ。私は今日もいつも通りよ。それで? あなたは言われたことをちゃんとやったのかしら?」

 嫌味っぽく男にそう問うと、男は自信満々に答える。

「ああ、もちろんさ! 君の指示通りにやっていれば、完璧だよ! ……おっと、もうこんな時間か。そろそろ行かなくては」

 そして男は右手を顔にかざすと、先ほどまでの若さはなくなり、老いた男の姿に変わる。

「頼んだわよ」
「ええ。仰せのままに……」

 男はそう言って、部屋を出て行った。

「さて……。今回はどの子供おもちゃで遊ぼうかしら」

 一人になった女はソファに寝転び、タブレットを開いた。そして画面をタップしながら、子供たちおもちゃのリストを確認していった。

 そして、ふいにかつて遊んでいた子供おもちゃのことを思い出す。

「そういえば……あの子、どこへ行ったのかしら」

 画面をタップして、そのおもちゃのプロフィールを開くと、

『速水いろは 行方不明』と表示されていた。

「せっかくお気に入りだったんだけどな。でもいいわ。あの施設もあの教師も興味はないんだもの。だって私は――」

 タブレットを置き、女は立ち上がった。

 それから窓の方までゆっくりと歩みを進める。そして右手で窓に触れて、女は外を眺めた。

「うふふ。またあなたに会える日が楽しみね」

 そう言いながら、女は不敵に微笑んだ。
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