【外伝】 白雪姫症候群 ースノーホワイト・シンドロームー

しらす丼

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第2章 魔女たちの暗躍編

第4話ー④ 知らされる真実

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 打ち合わせルームにて――。

「ただいま」

 暁はそう言いながら、部屋に入ってくる。

「見つかりました?」
「ああ、無事に」

 暁はそう言って、水蓮の方を見て微笑んだ。


「よかったです! それで、あの……ミケさんから水蓮ちゃんのことを聞いちゃいました」

「そうか。まあいつかは知ることだっただろうから良いよ。というか、白銀さんから聞いてるかと思っていたんだけどな、あはは」

「え? 白銀さんは知っていたんですか?」


 白銀さん。私達にはそんなこと一言も――と眉間に皺を寄せてそう思う優香。

「ああ、それに所長も。この子は……水蓮は所長から頼まれたんだよ」

 そう言って暁は水蓮の頭にポンと手を乗せる。


「そうだったんですね」

「確か任務の時に、助けた子だとかって言っていたな。優香たちも関わっているかと思っていたけど……でも所長や白銀さんからは本当に何も聞いていないんだな」

「ええ……私達も先日までちょっとバタバタとしていたので」


 もしかして所長はキリヤ君を気遣って、私達に水蓮ちゃんの件を伝えなかったのかな――

 そんなことをふと思う優香。

 そして暁たちが話しているとミケが2人の間に現れて、

『暁、眠い。帰るぞ』

 そう言って暁の顔を見つめた。

「あー。はいはい」
「あの……キリヤ君には、本当に会って行かなくていいんですか?」

 優香は暁の方をまっすぐに見てそう言った。

「ああ。今日はやめておくよ。また来たときにな。今は大変な時期なんだろ?」

 そう言って微笑む暁。

 先生は何か察しているのかな――

 優香は暁の笑顔を見ながら、そんなことを思っていた。

「じゃあ何か伝言があれば、伝えておきますよ。それくらいは良いと思いますが」
「そうか? じゃあな……キリヤならどんな困難も乗り越えられる。だから頑張れ! 俺も頑張るから!! って伝えてくれるか?」

 その言葉に少し驚く優香。

「先生は私達に何があったのか、ご存じなんですか?」

 優香はふいにそう尋ねていた。

「いや。でもキリヤが俺に顔を見せたくない時って、たぶん一人で何かに悩んでいる時なんだろうなって思っただけだよ」

 そう言って、ニコッと笑う暁。

 さすが、先生。キリヤ君のことをよくわかっているなあ。でもだったら、会っていけばいいのに。そうしたら、キリヤ君の肩の荷も少しは軽くなるんじゃないかって思うけど――。

 そんなことを思いながら、優香は暁の笑顔を見ていた。

「あ、もしかしてそこまでわかっていて会わないなんて冷たい! とか思ってるだろ?」
「え……!?」

 そんなに顔に出ていただろうか――優香ははっとしながらそう思った。

「キリヤが自分で話したいと思うまで待つことにしたんだよ。いつまでも俺から口出しする年齢でもないだろうからな!」

 その言葉から、暁の想いを知る優香。

「先生はキリヤ君の成長を誰よりも願っているんですね」
「もちろん! 俺はキリヤの元担任だし、友人で家族だからな!」
「本人が聞いたら、喜ぶんだろうなあ」

 優香はそう言って、笑った。

「じゃあそれ追加の伝言で」
「はい。承りました」
「じゃあ本当にそろそろ行くよ! 今日は時間を作ってくれてありがとな!」
「いえ。こちらこそ、貴重なお時間をありがとうございました」

 それから暁たちは施設へと帰っていった。



 優香は暁たちを見送った後、自分の部屋に戻っていた。

「『ゼンシンノウリョクシャ』、か……」

 先ほど、ミケから言われたことを思い出す優香。

「先生たちの前では強がったけど、でもやっぱり――」

 そう言って俯く優香。

 私はあと7年もしたら、ヒトではなくなる。当たり前の今を失うことになるわけだ――。

 自分の能力の強さはわかっていたけれど、そんなリスクのある力だなんて思いもしなかった優香。

「まあそりゃ、そうだよね。何もなく、こんな力なんてさ」

 母にしてしまったことや任務でのことがあって、私は十分その報いを受けているつもりだったのに――。

「まだ足らなかったってことだよね」

 あと7年。大切な人たちとの時間を無駄にしないように生きよう――そう決めた優香だった。
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