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第5章 新しい出会い
第32話ー⑤ 新学期
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「凛子、ここのトレーを持ってね――」
ここへ来たばかりでまだ施設のことを何も知らない凛子に、そのルールを教えるマリアはとても楽しそうにしていた。
まるでシロが初めてこの施設にきた時のみたいだな――と暁はマリアたちを笑顔で見つめながらそう思っていた。
「俺もお腹が減ったな……」
それから白米、から揚げ、サラダ、味噌汁を取った暁は、凛子たちから少し離れたところに座った。
(楽しそうにしているようだし、凛子ならうまくやっていけそうだな)
暁は凛子たちを見て、さっそくクラスになじみつつある凛子にほっとしながら食事を摂った。
それからしばらくすると、まゆおとしおんも食堂にやってきた。
「みんなお揃いみたいだね」
そう言いながら、まゆおは楽しそうに食事を摂るマリアたちの元へと歩み寄った。
「あ、まゆお! その子がもう一人の転入生?」
「うん、鳴海しおんくん」
「初めまして、鳴海しおんっす! よろしくお願いします!」
しおんは軽く頭を下げた後、マリアたちに笑って見せた。
「よろしく。私は桑島マリア」
「私は流山結衣って言います! よろしくです!」
そしてマリアと結衣は、しおんの方を見てそう言った。
マリアたちが楽しそうに会話をしていると、食事を終えた暁が集まる生徒たちの前までやってきて、
「案内ありがとうな、まゆお。助かったよ!」
笑顔でまゆおにそう告げる。
「いいえ、僕はただできることをしただけですよ」
そう言いながら、恥ずかしそうに笑うまゆお。
そして隣にいたしおんが思い出したように暁に問う。
「あ、そういえば先生! もう一人の奴は見つかったんすか?」
しおんのその問いに暁は少々困った顔をしながら、
「まあ一度は見つけたんだが、またそのあとにどこかへ行ってしまってな……いやあ、初日から嫌われたかなあ! ははは!」
そう言って笑い飛ばした。
「ふふ。なんだか先生が初めてこの施設に来た日を思い出す。その時はキリヤが先生のことをすごく嫌そうにしていたね」
マリアはそう言って昔のことを思い出しながら、懐かしそうに微笑んでいた。
「キリヤ……?」
しおんはマリアが言ったその言葉に首をかしげていた。
そんなしおんを見た結衣は人差し指を上に向かってピンっと立てて、
「キリヤ君はマリアちゃんのお兄さんなんですよ! 3月までこの施設にいたんですが、卒業した今は研究所で働いているんです!」
と楽しそうに解説をしていた。
それを聞いたしおんは、「へえ」と頷きながら答えた。
そう言って頷くしおんの方にまゆおは顔を向けて、
「強くて優しくて、そしてとても頼りになる存在だったんだ!」
そう言って嬉しそうに笑った。
「皆さんが、そのキリヤ君を大好きだったことがよくわかりますねぇ」
まゆおたちの話を聞いた凛子がそこにいる生徒たちの顔を見て、微笑ましそうにそう答える。
「そんなすごい人がここにいたんすね。あと1年早く来ていれば、そのキリヤって人に会えたのか……少し残念っす」
「でもたまにここにも顔を出すみたいだから、その時は仲良くしてやってくれ」
暁は残念がるしおんに笑顔でそう答えた。
「はい! じゃあもっとその『キリヤ』さんについて教えてほしいっす!」
しおんがまゆおたちにそう言うと、、まゆおたちは楽しそうに昔のことをしおんたちに話し始めたのだった。
暁はその様子を少し離れたところで見つめながら、
(普段はキリヤのことを何も言わない生徒たちだけど、心のどこかではやはりさみしさを感じているのかもしれないな)
と懐かしそうにキリヤのことを話す生徒たちにそう思っていた。
そして午後は自由時間という事になると、生徒たちは食堂に残り、昼食を終えた暁は職員室へと戻っていった。
ここへ来たばかりでまだ施設のことを何も知らない凛子に、そのルールを教えるマリアはとても楽しそうにしていた。
まるでシロが初めてこの施設にきた時のみたいだな――と暁はマリアたちを笑顔で見つめながらそう思っていた。
「俺もお腹が減ったな……」
それから白米、から揚げ、サラダ、味噌汁を取った暁は、凛子たちから少し離れたところに座った。
(楽しそうにしているようだし、凛子ならうまくやっていけそうだな)
暁は凛子たちを見て、さっそくクラスになじみつつある凛子にほっとしながら食事を摂った。
それからしばらくすると、まゆおとしおんも食堂にやってきた。
「みんなお揃いみたいだね」
そう言いながら、まゆおは楽しそうに食事を摂るマリアたちの元へと歩み寄った。
「あ、まゆお! その子がもう一人の転入生?」
「うん、鳴海しおんくん」
「初めまして、鳴海しおんっす! よろしくお願いします!」
しおんは軽く頭を下げた後、マリアたちに笑って見せた。
「よろしく。私は桑島マリア」
「私は流山結衣って言います! よろしくです!」
そしてマリアと結衣は、しおんの方を見てそう言った。
マリアたちが楽しそうに会話をしていると、食事を終えた暁が集まる生徒たちの前までやってきて、
「案内ありがとうな、まゆお。助かったよ!」
笑顔でまゆおにそう告げる。
「いいえ、僕はただできることをしただけですよ」
そう言いながら、恥ずかしそうに笑うまゆお。
そして隣にいたしおんが思い出したように暁に問う。
「あ、そういえば先生! もう一人の奴は見つかったんすか?」
しおんのその問いに暁は少々困った顔をしながら、
「まあ一度は見つけたんだが、またそのあとにどこかへ行ってしまってな……いやあ、初日から嫌われたかなあ! ははは!」
そう言って笑い飛ばした。
「ふふ。なんだか先生が初めてこの施設に来た日を思い出す。その時はキリヤが先生のことをすごく嫌そうにしていたね」
マリアはそう言って昔のことを思い出しながら、懐かしそうに微笑んでいた。
「キリヤ……?」
しおんはマリアが言ったその言葉に首をかしげていた。
そんなしおんを見た結衣は人差し指を上に向かってピンっと立てて、
「キリヤ君はマリアちゃんのお兄さんなんですよ! 3月までこの施設にいたんですが、卒業した今は研究所で働いているんです!」
と楽しそうに解説をしていた。
それを聞いたしおんは、「へえ」と頷きながら答えた。
そう言って頷くしおんの方にまゆおは顔を向けて、
「強くて優しくて、そしてとても頼りになる存在だったんだ!」
そう言って嬉しそうに笑った。
「皆さんが、そのキリヤ君を大好きだったことがよくわかりますねぇ」
まゆおたちの話を聞いた凛子がそこにいる生徒たちの顔を見て、微笑ましそうにそう答える。
「そんなすごい人がここにいたんすね。あと1年早く来ていれば、そのキリヤって人に会えたのか……少し残念っす」
「でもたまにここにも顔を出すみたいだから、その時は仲良くしてやってくれ」
暁は残念がるしおんに笑顔でそう答えた。
「はい! じゃあもっとその『キリヤ』さんについて教えてほしいっす!」
しおんがまゆおたちにそう言うと、、まゆおたちは楽しそうに昔のことをしおんたちに話し始めたのだった。
暁はその様子を少し離れたところで見つめながら、
(普段はキリヤのことを何も言わない生徒たちだけど、心のどこかではやはりさみしさを感じているのかもしれないな)
と懐かしそうにキリヤのことを話す生徒たちにそう思っていた。
そして午後は自由時間という事になると、生徒たちは食堂に残り、昼食を終えた暁は職員室へと戻っていった。
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