白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー

しらす丼

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第5章 新しい出会い

第32話ー④ 新学期

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 暁たちが食堂に着くと、そこにはマリアと結衣が待っていた。

「先生、待ってたよ。……その子が転入生?」

 暁たちの前に来たマリアは、凛子を見てそう尋ねた。

 暁はマリアの方を見ながら腰に手を当てて、「ああ、そうだ!」と笑顔で答える。

「知立凛子です☆ よろしくお願いしまあす!」

 凛子はそう言って、目の前で横ピースを作ってウインクをした。

「……知立、凛子ですと!? 子役界からアイドル界に突如現れたニューウェーブのあのりんりん!?」

 結衣はそう言って興奮気味で凛子に詰め寄る。

「そ、そうです……」

 結衣の勢いに暁やマリア、そして凛子自身も困っている様子だった。

「結衣、そんなに前のめりだと、凛子が困るでしょ?」

 そう言いながらマリアは結衣の肩に両手を乗せて、凛子から離れるよう促す。

「あはは。それもそうですな」

 結衣は面目なさそうに頭の後ろに右手を回してそう言った。

 そしてマリアは凛子の方を向き、

「ごめんね、凛子。私は桑島マリア。この施設では最年長で、在籍歴が一番長い。何かあれば、何でも相談してね」

 そう言って微笑んだ。

「はい、よろしくお願いします! それと、マリアちゃんってすごく美人さんなんですね! 芸能人になってもおかしくないです! 一緒にアイドルやらないですか?」

 凛子はそう言ってマリアに手を差し伸べた。

 しかしマリアはその手を取ることはなく、

「アイドルには興味ない。だからごめんね。お誘いありがとう」

 申し訳なさそうにそう言った。

「残念です……」

 凛子はマリアからの返答に肩を落としてそう言った。

「りんりんもそう気を落とすことなかれですぞ! じゃあ気を取り直して、次は私の番ですな! 私の名前は流山結衣と申しますです。これからよろしくです!」

 結衣はそう言いながら、頭をぺこりと下げる。

「はい、よろしくお願いします! そうだ! もしかして結衣ちゃんはアイドルオタクだったりするんですか?」

 凛子は首をかしげながら結衣にそう問いかけた。

「うーん、アイドルオタクというよりは、アニメオタクとか声優オタクですね! だから秋葉原界隈のことは、大体知っているのですよ!」

 結衣は腰に手を当てて、えへんと自慢気にそう語っていた。

「そうだったんですね☆ 私のことを知っている人がいてくれて、すごく嬉しいです! ありがとうございます!」

 そう言いながら、結衣の両手を握る凛子。

「あわわわ……これが俗にいう、握手会!? いやあ。有名なアイドルに握手されるなんて、感激ですなあ」

 結衣は凛子に握られた自分の手を見て、にやついたままそう言っていた。

 そんな結衣たちを横目に、マリアは少し離れたところで自分たちを見ていた暁の隣にこっそりと移動した。

 そしてマリアはその場で結衣と凛子を見ながら、

「そういえば、他の転入生は?」

 と暁にそう尋ねる。

「ああ、えっと……一人はまゆおに男子の生活スペースと個室を案内してもらっているよ。たぶんそのうち昼ご飯を食べに来る頃じゃないか? それでもう一人は、どこかへ行ってしまってな」

 困り顔でそう答える暁。

「そうなんだ。その子って確か、女の子だったよね?」

 マリアは頬に指を添えて、暁にそう尋ねた。

「ああ」
「じゃあ見つけたら、部屋まで案内しておく」

 そう言って微笑むマリア。

「助かるよ……ありがとな、マリア!」
「どういたしまして。じゃあお昼ご飯食べよう」

 マリアはそう言いながら、食べ物の並ぶカウンターへと歩いていった。

「そうだな。おーい! 凛子、結衣、そろそろお戯れタイムは終了でいいか?」

 暁の言葉を聞いた2人は、同時に暁の方を振り向く。そして振り向いた結衣は少々残念そうな表情をしていた。

「……名残惜しいですが、しょうがないですな」

 肩を落とす結衣を見た暁は、

「いやいや! 今日から一緒に暮らすんだから、いつでも話す機会はあるだろう!!」

 と思わずツッコミを入れる。

「確かに! それもそうですな! じゃあお昼ご飯、お昼ご飯っと!」

 そう言って結衣は、笑顔でおかずの並んでいるカウンターへと向かっていった。そして結衣の後ろに凛子も続いた。

「凛子、ここのトレーを持ってね――」

 ここへ来たばかりでまだ施設のことを何も知らない凛子に、そのルールを教えるマリアはとても楽しそうにしていた。

 それを見ていた暁は、まるでシロが初めてこの施設にきた時のみたいだなとそう思っていた。

「俺もお腹が減ったな……」

 それから暁も食べたいものをトレーに取るとテーブルに着いた。

 暁は凛子たちが楽しそうに食事を摂っているところを見て、さっそくクラスになじみつつある凛子にほっとしながら食事を摂った。
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