白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー

しらす丼

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第7章 それぞれのサイカイ

第54話ー② 白銀さんの施設訪問!

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 生徒との個人面談の為、職員室横の来客室をゆめかに預けた暁は、順番に生徒たちをその部屋に呼び込んだ。

 面談は1人15分程度。特に問題のない生徒は10分ほどで部屋を出てきた。

 そして最後の1人、真一の面談を終えてから、ゆめかは職員室へと戻って来た。

「あの……どうでした?」

 職員室に戻って来たゆめかに、暁は開口一番そう尋ねた。

「うーん」

 ゆめかは顎に手を当てて、少し笑っていた。

 そのリアクションは一体何なんだ!? 生徒たちに何か問題でもあったんだろうか。やっぱり真一やしおんあたりが悩んでいるとか……。もしかしてまゆおか!? この間もまた真一と何かで喧嘩していたようだし――。

 そんなことを思いながら、眉間に皺を寄せて必死に考えを巡らせる暁。

「ははは! そんなに怖い顔をしなくても大丈夫。生徒たちは問題なかったよ」
「へ? そ、そうなんですか!! ……はあ、よかった。ん……でもじゃあさっきのリアクションは」
「君がどんな反応を取るのか見てみたくなってね! いやあ、楽しませてもらったよ! ありがとう、暁先生!」

 そう言いながら、楽しそうに笑うゆめか。

 あれ、白銀さんってこんないたずらをする人だったか? もしかしてこれがさっき言っていた子供っぽさ?? まあでも――

「白銀さんが楽しそうで何よりですよ」
「ははは。君は相変わらず優しいね。その優しさに生徒たちはみんな救われているんだろうけどね!」
「嬉しいお言葉、感謝いたします」
「あ、でも一人だけ気になる子はいたな……」

 気になる子……? それっていったい誰のことだろう。

 そんなことを思い、ゆめかの顔を見つめる暁。

「あの、それって……」
「織姫君、かな。彼女は深い深い悲しみを抱えている。普段の言動や行動には出さないよう気を遣っているようだが、愛情に飢えているんだろうね」
「織姫が……そうですか」

 暁はそう呟き、悲し気な顔をした。

「なんとなくは気が付いていただろう?」
「気が付いていたかどうかはわからないんですが、でもなんだか放っては置けないなとはいつも思っています。それが鬱陶しく感じているのかもしれないですけど」

 暁は苦笑いをしながら、そう答えた。

「いいや。たぶん彼女は嬉しいんだと思うよ。たぶん君は優しいから、多少憎まれ口を言ってもきっと大丈夫だと思って、きつい物言いをするのかもしれないけれど。でも織姫君にとって、今の君は必要な存在だ。だから今のまま、織姫君を気にかけてあげてほしい」

 ゆめかはやわらかい笑顔で暁にそう告げた。

(シロの時も白銀さんの時も、この人はいつも俺の背中を押してくれるんだよな。本当にありがたい人だよ)

 そう思いながら、笑顔になる暁。

「……はい。わかりました! それが今の俺にできる最善だっていうのなら、俺は俺にできることを全力でやるだけです!」
「うん。頼もしいね! やっぱり私が夢で見た通り。君の存在は生徒たちを幸せにする」

 その言葉に暁は照れ笑いをしながら、

「あはは。まだまだですよ。俺はもっと生徒たちに幸せになってほしい。ここにいてよかったって、そう思ってもらえるような場所でありたいです」

 穏やか声でそう答えた。

「うん。楽しみにしているよ!」
「ありがとうございます」

 そう言って暁たちは互いの顔を見て、微笑みあった。

「じゃあ最後は暁君の面談だよ! 所長も君のことは心配していたからね」
「ははは! 所長は相変わらずですね」
「君のこともまだまだ子供だって思っているからね」

 その言葉に暁は肩を落とすと、

「俺、もう成人しているんですが……」

 ため息交じりにそう答えた。

「そういうことじゃないんだよね。まあそんなことはともかく! さっそく始めようか!」

 それから暁はゆめかからいくつかの問診を受けることになった。

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